世田谷区議会 > 2009-03-10 >
平成21年  3月 予算特別委員会-03月10日-03号

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  1. 世田谷区議会 2009-03-10
    平成21年  3月 予算特別委員会-03月10日-03号


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    平成21年  3月 予算特別委員会-03月10日-03号平成21年 3月 予算特別委員会 平成二十一年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第三号 日 時  平成二十一年三月十日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(五十一名) 委員長  菅沼つとむ 副委員長 中塚さちよ 副委員長 小泉たま子      石川征男      上島よしもり      川上和彦      小畑敏雄      宍戸のりお      下山芳男      新川勝二      鈴木昌二      畠山晋一      山口ひろひさ      山内 彰
         飯塚和道      板井 斎      市川康憲      岡本のぶ子      栗林のり子      佐藤弘人      杉田光信      高久則男      高橋昭彦      平塚敬二      諸星養一      稲垣まさよし      上杉裕之      風間ゆたか      重政はるゆき      すがややすこ      中村公太朗      西村じゅんや      ひうち優子      藤井まな      岸 武志      桜井 稔      里吉ゆみ      中里光夫      村田義則      桜井純子      竹村津絵      山木きょう子      吉田恵子      大庭正明      田中優子      唐沢としみ      羽田圭二      木下泰之      あべ力也      上川あや      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長   林 勝久  出席説明員   副区長           平谷憲明   政策経営部  部長     板垣正幸          政策企画課長 宮崎健二          政策研究担当課長                 渡邊裕司          財政課長   岩本 康          広報広聴課長 福田督男          副参事    小田桐庸文   地域情報政策担当部          部長     城倉 茂          情報政策課長 栗原康夫   研修調査室  室長     杉本義德          次長     平井信和   総務部    部長     齋藤泰蔵          総務課長   河上二郎          事務監察担当課長                 泉谷憲俊          区政情報課長 志賀毅一          人事課長   宮内孝男          職員厚生課長 霜越 收   庁舎計画担当部          部長     八谷直治          庁舎計画担当課長                 原田茂実   危機管理室  室長     河合岳夫          災害対策課長 澤谷 昇          危機管理担当課長                 岩澤俊宏   財務部    部長     堀川能男          経理課長   岡田 篤          施設営繕課長 窪松泰幸          課税課長   西澤 滋          納税課長   小野村登   会計室    会計管理者  梅村恒司          会計課長   藤間和夫   選挙管理委員会事務局          局長     工藤法夫   監査事務局  局長     千葉信哉          次長     花房千里     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成二十一年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成二十一年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成二十一年度後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成二十一年度世田谷区老人保健医療会計予算  議案第五号 平成二十一年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第六号 平成二十一年度世田谷区中学校給食費会計予算企画総務委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○菅沼つとむ 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 本日は、企画総務委員会所管分の予算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  公明党、どうぞ。 ◆岡本のぶ子 委員 おはようございます。ただいまから企画総務領域での公明党の質問に入らせていただきます。  初めに、広報広聴の視点から、本区における相談窓口の体制に関してお伺いします。  先日、職を失った方が、みずからの技能を活用して創業していきたいので、融資に関する相談窓口がどこにあるか知りたいとのお問い合わせをいただきました。よく話を聞いてみると、創業への支援のみならず、当面の生活の支援や職を失ったことへの労働相談等、さまざまな課題を抱えていることがわかりました。このようなケースの場合、複合的な課題を丁寧に整理して、適切な相談窓口につなげることが、区民サービスとして大変重要です。また、相談窓口の設置場所が異なる場合もあり、予約の有無等もあるため、優先順位を考慮し、案内する必要もあります。  民間企業では、フリーダイヤルによるお客様相談窓口というものがあり、相談内容により適切なセクションへの水先案内ができるような体制をつくられております。  ここでお伺いします。
     今後、本区において、広聴用フリーダイヤルの導入を視野に入れ、区民からの悩み事を適切な相談窓口につなぐことができる総合相談窓口体制の整備が必要と考えますが、本区の見解をお伺いします。 ◎福田 広報広聴課長 民間のフリーダイヤルの利用につきましては、企業などの注文の申し込みや問い合わせ、また相談など、一般消費者向けの特定電話として利用されてございます。また、通話料などにつきましても着信側がすべて負担する、こうしたシステムとして一般的には使われております。  現在、区では、平成十八年十一月より、簡易な相談や各種問い合わせなどの受け付け、ご案内をする「せたがやコール」を開設し、年間約五万件の利用が今現在ございます。この「せたがやコール」では、今委員お話しのような、どの課題から相談したら適切に対応できるか、また直接的な相談、こうしたものはできませんが、区民の方からの問い合わせに対して、当該セクションへのご案内、取り次ぎを現在行ってございます。  委員ご提案の、総合相談窓口をあわせ持った広聴用フリーダイヤルにつきましては、今後、この「せたがやコール」の利用形態を分析するとともに、行政での具体的な活用策について、まずは民間のフリーダイヤルの実態や先進自治体の事例など、こうしたものを研究させていただきたい、こういうふうに考えてございます。 ◆岡本のぶ子 委員 区民の中には、相談窓口を事前に確認できないまま、何とか課題を解決したいと区役所や出張所の窓口を訪れる方も多くいらっしゃいますが、その区民の声をしっかり受けとめ、適切な窓口へご案内するためには、すべての窓口の職員が庁内の各セクションの役割を把握し、機転のきく対応が求められますが、広報広聴課として、各窓口の充実に関しての区の見解をお伺いします。 ◎福田 広報広聴課長 相談に訪れる区民の方は、何とか課題を解決したい、こういう思いを持って区の窓口にいらっしゃる、こういうものと考えてございます。区民の方が庁内のどの所管課に行っても、今委員ご指摘のように機転のきく適切な対応、こうしたものができればよろしいわけでございますけれども、なかなか現実的には難しい面もございます。  広報広聴課といたしましては、こうした窓口での区民対応を支援するために、「せたがや便利帳」を初め、区政概要などの冊子を各課に配るとともに、また、区民からよくある質問、こうしたものにつきまして各所管課の情報としてまとめて、現在二千項目ぐらいございますけれども、FAQとして身近なパソコンから見れるよう、このような工夫をしてございます。  さらにまた、現在、相談事業の検討をしてございますけれども、その中で、相談事業全体の職員向けのマニュアルを今作成、準備しており、来年度の早い時期には各窓口を持つ所管課に配布する予定でございます。  こうしたことで、区民が安心、気軽に相談できる窓口に向けて、広報広聴課としても今後とも支援していきたい、このように考えてございます。 ◆岡本のぶ子 委員 先日、地方分権・庁舎問題等対策特別委員会で民間企業のセキュリティー管理などを視察した際、社内広報用のテレビ画面が目にとまりました。広報担当の方にテレビでの社内広報の活用の効果について伺ったところ、以前は社員向けの社内情報の広報を、通知やパソコンを利用したメール等で案内してきたけれども、忙しい社員が必要な情報をタイムリーに入手するところまでは至らなかった。ところが、社員が日常利用する共有スペース、一日に一回は必ず通過するというそのスペースにテレビを設置し、社内情報を映像で常時放映したところ、社員が自分にとって必要な情報を目にした場合、さらに詳細情報をパソコン等の社内ツールにアクセスして入手する手だてとなったということでした。  本区では、「区のおしらせ」やホームページ、エフエム世田谷を通して広報をしておりますが、二〇一一年より全世帯での地上デジタル化の準備が進んでいる今、世田谷の区政情報を、エフエム世田谷とあわせて、世田谷全体をほぼシェアしているケーブルテレビを活用するなどして広報の拡充を図ることで、区民サービスのより一層の向上につながると考えますが、区の見解をお伺いします。 ◎福田 広報広聴課長 現行のアナログテレビにつきましては、ご承知のように、平成二十三年七月二十四日で終了し、地上デジタル放送になるというふうに現在計画されてございます。地上デジタル放送の特徴といたしましては、高品質な映像、音声が届けられる、分割した画面の視聴や字幕放送、また、インターネット回線につなぐことによって双方向の機能、こうしたものがあると聞いてございます。こうした双方向のサービス機能を活用することで、テレビを通じてイベントの参加の申し込みや介護サービスの申し込み、また各種公共施設の予約などを行うことが可能であるとも言われており、新たな広報広聴の一面、こうしたものがつながってくるものと考えてございます。  現在、区内のケーブルテレビの会社でも、こうしたデジタル放送の開始に向けて、生活情報や地域情報など地域の有益な情報を提供する、新たな地域に根差したデジタル放送サービスを試行的に開始する、このようにも聞いてございます。  ケーブルテレビの活用につきましては、本年の七月から、区の施策や取り組み、歴史、文化等をわかりやすく伝える広報番組を制作、放送する予定でございますが、今後、デジタル化の時代に即したケーブルテレビの活用につきましても、こうした取り組みの中で新たな広報の拡充の一つとして、エフエム世田谷の活用とともに積極的に研究してまいりたいと思います。 ◆岡本のぶ子 委員 次に、区が雇用する非常勤職員、臨時職員の年齢上限に関してお伺いします。  平成二十年四月一日現在で、本区で雇用する一般非常勤職員は、七十五業種、千八百十八人いると伺っておりますが、その方々の雇用の年齢上限が一律でないようにも聞いております。  まず、現行の各職種における年齢上限の状況をお伺いします。 ◎宮内 人事課長 それでは、各職種の任用の年齢上限でございますが、七十歳以下が、例えば学校警備嘱託員などといった職種で八職種ございます。それから、六十五歳以下でございますが、新BOP指導員といったような職種で四十五職種ございます。それから、六十三歳以下が介護予防専門栄養士といったことで一職種でございます。それから、六十歳以下につきましては、代替保育員といった職種で四職種となっております。それ以外に上限を設けていないものが、例えば産業医ですとか、あるいは生活保護嘱託医などのように、専門の資格を有している職種として十七職種ございまして、合わせて七十五職種ということになっております。 ◆岡本のぶ子 委員 今答弁いただいたように、本区には、非常勤職員や、また臨時職員の方の中には、延長保育員、病後児保育員、歯科衛生士、介護予防専門栄養士などの専門家の方たちが、保育や介護の分野で大変力を発揮していただいていると思います。子育て中の母親の育児に対する悩みなどを素早くキャッチして、また適切なケアにつなげる対応も担っていただいているとも伺っております。  そうした中で、もう一度、延長保育員は先ほど六十歳までと言われたんですが、病後児保育員、歯科衛生士などの方たちの雇用年齢の上限もあわせてお伺いします。 ◎宮内 人事課長 ご指摘の延長保育員、代替保育員及び臨時職員であります歯科衛生士の年齢上限でございますが、これにつきましては六十歳以下、それから、介護予防専門栄養士につきましては六十三歳以下が、それぞれ任用の上限ということになっております。 ◆岡本のぶ子 委員 平成十九年十月一日に改正された雇用対策法では、募集、採用にかかわる年齢制限の禁止の義務化が掲げられました。本区で雇用される非常勤職員や臨時職員の方々にもこの法律は適用されると思われますが、またあわせて、平成十年二月二十七日発効の臨時職員取扱い要綱には、こちらにありますけれども、臨時職員の任用に当たっては、原則として年齢満六十五歳以下の者とすると、まず六十五歳までは働けるというか、そういうことが書かれているわけですけれども、特段の合理的な理由もなく、六十五歳に達しない年齢を雇用上限としている職種があることは、人材活用という点においても、雇用の機会均等という点においても、とても残念でなりません。非常勤職員の方や臨時職員の方々には多くの世田谷区民の方々がいらっしゃいますし、また、こういう景気後退が続く中、働く場の提供とともに、人材を確保し、働く側の意欲を引き出していくためにも、まずは年金受給開始年齢となる六十五歳までは雇用の場を提供できるような、そういう整備が求められますが、区の見解をお伺いします。 ◎宮内 人事課長 ご指摘のように、平成十九年十月のいわゆる雇用対策法の改正によりまして、民間事業者につきましては、募集、採用における年齢制限を設けることは、委員ご指摘のように、合理的な理由がない限り原則禁止という状況になっております。これによりまして、技術や経験が豊富な高齢者にとりましては、働く機会がより拡大されたことになるわけです。  ただ、ご案内のように、この法律は、その第三十七条で地方公務員への適用につきましては除外されておりますけれども、改正過程で、地方公共団体もその改正理念を尊重するように附帯決議がされております。したがいまして、ご指摘の臨時職員ですとか、あるいは非常勤職員の任用に当たりましても、この法改正の理念ですとか、あるいは合理的な理由の有無を判断しながら、関係所管と十分検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 今年齢を聞くときに、よく当年とってという言葉が当たるように、個人差がかなり年齢で出てきておりますので、本当にその方にとってどこまで元気で働けるかというのも、よくご本人の選択ができる幅も広げてさしあげられるような対応をぜひお願いしたいと思います。  次に、公共工事の契約に関してお伺いさせていただきます。  建設等の工事では、発注後に工程や工期に対して制限がかかることが多く、請負業者が当初の実行予算で対応が困難になる場合があると聞いておりますが、例えば工期を変更するようなケースはどのくらいあるのか、お伺いします。 ◎岡田 経理課長 平成二十年度の入札に付しました工事請負契約の実績で申し上げますが、工期を延長する契約変更を行いました工事でございますけれども、土木工事で言いますと約九十件中二十二件、建築工事で言いますと約百件中三件、設備工事が約七十件中一件、造園工事が約三十件中二件となってございます。 ◆岡本のぶ子 委員 それぞれ工事、周辺というか、いろんな背景があると思うんですけれども、今の答弁の中で土木工事の例を見ますと、約九十件中二十二件が工期を延長する契約変更になったということで、一般的に考えるとかなり多い、そのような感じがします。  請負業者への工事費の支払いは、当初の予定の時期と当然ずれることがこうした場合想定されますけれども、昨年からの急激な景気後退に伴い、建設事業者の資金繰りは大変厳しくなっております。区が昨年十二月中旬より前払い金の拡充をしてきたことは評価いたしますが、工期延長等により、施工中にも銀行等の貸し渋りで十分な資金が確保できないケースに対して、発注側としてどのような対策があるか、お伺いします。 ◎岡田 経理課長 建設事業者の資金繰りの関係でございますけれども、今般の経済状況によりまして、建設事業者の資金繰りは非常に厳しくなっているということは私どもも認識してございます。区としても、公共事業の発注に当たりまして対応策を講じなければならないものと認識しております。  このため、区では、今ご指摘ございましたが、緊急総合経済対策の一環といたしまして、契約金額や工期にかかわらず、工事代金の四割まで前払い金として支払うということで対象を拡充させていただきました。また、契約金額が百万円以上の契約では、工事途中に既済部分に対して部分払いを可能にしてございます。  さらに、工事を請け負いました後に、工事後半になって資金繰りが厳しくなった場合、こういったケースもございますが、こうした場合の対策といたしましては、地域建設業経営強化融資制度あるいは下請セーフティーネット債務保証事業というのがございます。この制度を利用いたしまして事業協同組合などから融資を受けようとする場合には、請負者から融資先への工事請負代金債権の譲渡を区が認める、こういったことによりまして、事業者の資金調達が円滑になるように配慮してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 公共事業は民間企業とは違いますので、どうしても、きちんとした資金を得られるという安心感もある反面、どちらかというと、自分たちの事業者側からはなかなか意見が言えないというような声もこちらに届いておりますので、ぜひ、そういった資金繰り、大変なこともあるということを前提にしながら対応をお願いしたいと思います。  また、私も今まで民間企業に二十三年間勤めてきた中で、いろんな業者を選定するときには、民間の場合は相見積もりをとったりとか、双方でどういうサービスが提供できるのかということを常にやりとりしながら、ある意味では、育ってない企業があればそれを育てながらというやりとりができたわけですけれども、どうしても公共事業の場合は、民間企業とは違い、仕事の請負業者を決める場合は、いわゆる入札で請負業者を選定することが基本になっております。その入札の際、業者が経費等を積算する目安に、区が作成する仕様書があるわけですけれども、その仕様書に工事や業務の詳細かつ具体的な記述がないために、適正な積算ができないまま価格競争を強いられる現今の入札事情が、非常に多くの請負業者の経営を圧迫しているとも聞いております。どうしても前回入札したときよりも価格を下げないと、またその仕事がとれないという、何か悪循環というんですか、悪循環という言い方は変ですけれども、そういう意味で、まず適切な仕様書が非常に重要であると思うわけですけれども、本区において区が発注する請負業務では、事業者が不合理な契約を強いられないよう、入札の際に発注の態様や制約条件を明確に仕様書に示すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。 ◎岡田 経理課長 契約は、受注者と発注者の双方が、その内容に従いまして、信義に従って誠実に履行する義務を負うものでございます。当事者双方が対等な立場で合意をするというものでございます。  契約後にやむを得ない事情が生じました場合に、仕様の修正を余儀なくされることもございますけれども、こうした場合の契約変更に関しましても、発注者の裁量で自由に変更できるものではなく、対等な立場での合意によることが前提になるもの、このように認識しております。  今後とも、公共工事の発注に当たりましては、契約締結後になって大幅な変更を必要とする事態が生じないよう、工事や業務の具体的詳細を示すとともに、履行に当たっての制約条件などを明らかにするなどいたしまして、事業者に十分な情報が提供できるよう努めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 市川委員にかわります。 ◆市川康憲 委員 岡本委員に続きまして質問を行います。  岡本委員からも、広報の手法についてるる提言がありましたけれども、新聞情報、こうしたものがかなり減部に転じている、そうした中で、区報が届かない、そういう方々が大分ふえてきているのではないか、そういうことで、区としては、駅に置かせてもらったり、またはコンビニ等に置かせてもらったり、こうしたことでより多くの方々に広報紙が渡るように、こういう工夫もされてきているわけですけれども、LEDを使用した広報板みたいなものを活用したらどうかということをかつて私は申し上げたことがあるんですね。  区としても何台か、文字情報がずっと左から右へ流れていくような、議会事務局のところにもありますけれども、一台約十万ぐらいするんでしょうか、何台か入れていただきました。あれは要するに、ニュース等が流れているわけですけれども、しかし、こちらからも情報を流すことができる、こういう仕組みになっているんですね。ですから、タイムリーな情報を文字によって区民に知らせることができるじゃないか、こういうことを随分申し上げたんです。あのLEDの広報板を、文字情報板をもっと大型にして、各総合支所の壁面ですとか、それから商店街等々に、人の目に触れるようなところに設置をすれば、本当にタイムリーな形で区のさまざまな情報を提供することができるんじゃないかなということを申し上げたことがあります。  そして、もう一方では自動販売機にそうした機能を持たせる、そうすることによって、より町の中に文字情報を通じて区の情報が徹底できるんじゃないか、こういうことも提案をしまして、これも何台か設置をされたようであります。  そうしたことから、広報というのは極めて大事です。八十四万人を抱えるマンモス区ですから、ある意味では県と同じぐらいのボリュームを持つ自治体ですから、そういう意味では、広報にはとりたてて気を使っていただき、一人でも多くの方に区の情報を漏れなく伝える、こうしたことを考えていただきたいと思います。  きょうは、現場で中心になって頑張っていらっしゃる課長さんですから、ある意味では、どんなことをお伺いしても、細かい数字的なことを除いてはすべて答えが返ってくるんじゃないかな、こういう思いをしておりますので、ぜひそういう気構えで、何でも質問には答えるぞ、こういう意気込みでお願いをしたいと思います。  最初の質問は、この予算委員会の冒頭で、予算編成の基本的考え方というお話をずっとされておられました。国の経済見通し、これが平成二十一年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度、平成二十一年一月十九日の閣議決定、二十年度の国内総生産の実質成長率マイナス〇・八程度、二十一年度についても世界的な景気後退が続く中で、内需、外需ともに厳しい状況が続き云々と。  こうした状況の中で、世田谷区の財政見通しという部分もここに書かれているわけですけれども、市町村民税法人分の急激な落ち込みを背景に、特別区交付金が大幅な減少となるほか、利子割、株式等譲渡所得割、配当割、交付金などの各種交付金も、景気の影響によって前年度比で大きく減少する見込みである、平成二十二年度にはマイナスに転じることが予測され、今後、区財政はさらに厳しい状況になることが見込まれる、こういうくだりから、この予算書ですか、入っていくわけなんですね。  そこでお伺いしたいことは、日を追って厳しくなる不況の真っただ中で今回の平成二十一年度予算が組み立てられてきた、編成されてきたわけですけれども、財政当局としては、平時の予算編成と比べて、二十一年度予算ではどのような点に気を配られて編成されたのか、まずお伺いをしたいと思います。 ◎岩本 財政課長 今ご指摘いただきましたとおり、二十一年度予算編成に当たりましては、さきの経済見通しを一定させていただいた上で取り組みをさせていただいたという中でございます。  特に、今ご指摘いただきましたとおり、特別区の財調交付金が大幅に減額となるという見通しの中で、適切に基金、起債の適用をさせていただいた。その中でも、この間ご答弁申し上げていますとおり、区民生活を支える予算ということで喫緊の課題に取り組ませていただくと同時に、子育て、緑等、区の重点分野についても引き続き着実な取り組みをさせていただいたといった内容だと考えてございます。 ◆市川康憲 委員 平成二十一年度予算編成に当たっての基本方針というのが出ているわけですね。この一番最初の部分で、経常経費は、各部の提示額の枠内で主体的に予算を積算し要求すること、なお、例年の決算において多くの執行残が発生していることから、執行状況の悪い事業を中心に、必ず徹底した精査を行った上で予算を見積もることというのが第一番目に書かれているんですね。この点については、いつも私が申し上げているわけですけれども、予算を組む、これは議決をするわけですね、そして、一年がたち決算をする、そうすると、議決をした予算が、一年たって決算をすると、使い切れないといいますか、執行残が出てくる。当然、執行残を出してもいい事業もありますけれども、しかしながら、本来区民サービスに必要な予算、区民にとって必要な予算を審議し、議決をしたわけですから、きちっとある意味では執行されてしかるべきではないのかな、こういういつも疑問を持っているわけですね。  多額の執行残が決算委員会になると出てくるわけです。この辺をよく注意して、そして精査した上で予算を見積もること、これが一番最初に来ていると思うんですけれども、この平成二十一年度予算、これを組み立てるに当たって、予算の見積もりの精度、この辺はどのような状況で積み上がってきたのか、感想なり見解なりあれば、ちょっとお伺いしたいと思います。 ◎岩本 財政課長 昨年の決算議会でも市川委員からご指摘をいただきました。例年、どうしてもやむを得ず執行残額が出るといった内容となってございます。  今ご指摘いただきましたとおり、社会状況の変化等でやむを得ず執行残となるという部分はございますけれども、あらかじめ予算編成の段階でもう少し精査をしておけばよかったのではないかといった点も毎年少なからずあるということで、今回、予算編成方針の一番目に、各部において徹底した精査を行っていただきたいというお願いをしたところでございます。 ◆市川康憲 委員 それから、今回の二十一年度予算の編成に当たってちょっと目についた点は、発展・充実枠、これを設けるということなんですね。実施計画や区の重要施策について、区民の目線に立って一層の発展・充実を目指すための予算枠、これを発展・充実枠として別枠を設けているわけです。  一方、既存事業などについては、廃止などを含めて必要最小限の要求を行う、このようにここで述べているわけですね。わかりやすく言えば、極力廃止また縮小できるものは廃止・縮小し、そして、浮いた分を他の事業に振り向けていくということなのかな、こういうふうに思うわけですけれども、この発展・充実枠を設けたという、この辺の理由について見解を伺いたいと思います。 ◎岩本 財政課長 平成二十一年度予算編成におきましては、世田谷区の実施計画を初めとする区の重点施策について、成果の向上を目的に、区民の目線からさらに発展・充実させることを可能とするために、発展・充実枠を各部提示枠とは別に設けたものでございます。  この発展・充実枠において必要最小限の要求を行うこととした趣旨でございますけれども、予算要求の手法といたしましては、従来より枠提示方式といったものを取り入れてございまして、原則として、各部は、執行状況などを含めて、先ほど申し上げましたとおり、事業費の精査を行いまして、この提示枠の範囲内で新規事業も含めまして予算を積算していただくといった中身となってございます。  別枠の発展・充実枠を今回設けましたけれども、その要求に当たりましても、無駄を省くことは当然ですけれども、各部の提示枠からはみ出た部分についても、安易に振りかえることなく、発展・充実枠の趣旨を十分に生かしていただけるように、必要最小限の経費として要求いただくというお願いをしたものでございます。 ◆市川康憲 委員 具体的に発展・充実枠として予算化されたとわかるような事業は、例えばどのような事業が挙げられたのか、もしわかれば教えていただけますか。 ◎岩本 財政課長 各部から、発展・充実枠として、重点施策にかかわる新たな取り組みや事業の充実等について提案をいただきました。発展・充実枠として提案いただいた中から、予算編成の過程で歳入見込み等を踏まえまして、発展・充実枠分として計上したものでございます。  具体的には、例示となりますけれども、総務費におきましては例えば電気自動車の購入、民生費におきましては、この間ご報告しておりますが、福祉人材の確保、育成にも枠を充てさせていただいております。また、環境の面では住宅用の太陽光発電システムの機器設置助成、また特定不妊治療の助成、また、土木費の関係では桜並木の保存であるとか公園遊具の集中更新、こういったものについて発展・充実枠ということで活用させていただいたというものでございます。 ◆市川康憲 委員 こうした発展・充実枠という考え方、これは従来の編成方針から見るとどのような点がすぐれているのか、また次年度以降も、今年度以降、この発展・充実枠という考え方を踏襲していくのか、その辺もお伺いしたいと思います。 ◎岩本 財政課長 今回の発展・充実枠につきましては、実施計画とか各領域別計画の取り組みなど、対象を広くとらえさせていただきました。その結果、各部が直面している政策的な課題にとどまらず、例えば区民窓口の改善など、提示枠内ではなかなか提案まで結びつかなかったものを含め、さまざまな分野から幅広い提案を受けることができたと認識してございます。  また、今後につきましては、無駄を省き、区の重点施策に重点的に財源配分する、また、区民の目線からきめ細かにサービスの改善を図るといった基本姿勢は変わらないものと思ってございまして、予算編成の進め方につきましては、引き続き工夫をさせていただければと思っております。 ◆市川康憲 委員 それから、平成二十一年度の組織、定員、定数の基本方針について。  組織についてでは、この部分では、定員適正化計画を着実に進めるとともに、組織のスリム化を含め、全体として簡素化、効率化、スピードを目指す体制を構築するという考え方が示されているわけです。組織をスリム化、簡素化すればするほど、効率化が逆に求められる。仕事に対するスピード化も求められてくるわけです。しかしながら、限界も当然あるわけでございます。現在における効率化やスピード化は問題なく進展しているのかどうか、この点についてお考えをお伺いしたいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 今お尋ねの組織の件でございますけれども、平成十八年度に大幅な改正を行うなど、対症療法型行政から予防型行政への転換を図るとともに、組織の肥大化を招かぬよう、簡素化や効率化、迅速な事務を目指す体制を目指しております。  ただいま委員からも、一定の限界とのご指摘もいただいたわけでございますけれども、確かに組織改正のみでは困難なケースも考えられます。したがいまして、その場合に、例えばIT技術の活用や事務決定の権限付与や手続の見直しなどを取り入れながら、効率化、スピード化を図る必要がございます。  また、部や課の連携はもとよりでございますけれども、テーマによりましては、関係する所管で構成する、いわゆるプロジェクト方式を取り入れるなどの横断的な対応で、区政に対するさまざまなご要望に対し速やかな対応が図れるよう努めてきております。  今後とも、区政の重点課題や緊急課題への対応を図っていくため、組織のあり方を十分検証していきたいと考えております。 ◆市川康憲 委員 それと職員定数、これもここで述べられているわけですけれども、この職員定数については、民間との役割分担を明確にし、重点課題及び区民サービス業務に人材を投入する一方で、限られた財源や人材を今まで以上に効率的に活用し、徹底的な事務事業の見直し等を進めるとともに、少数精鋭で問題を解決できる、柔軟で機動的な執行体制を構築し、さらなる定員の適正化を推進することとする、このようにここで述べているわけですけれども、民間との役割分担、これを明確にするということについて、具体的にどのような仕組みの中で民間との役割分担を明確にしてきているのか、また、役割分担が明確になった事務事業があれば示してほしいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 区におきましては、限られた資源を有効に活用して区民満足度の向上を目指すために、民間事業者の多様なノウハウなどを活用する観点で民営化や民間委託化を進めてきております。平成二十年度からの行政経営改革計画におきましても、民間活力の活用に基づく取り組みといたしまして、施設運営や事業推進、内部事務につきまして、その取り組みの考え方をお示しさせていただいているところでございます。  この間の取り組み事例でございますけれども、給食調理業務の民間委託を初めといたしまして、区立保育園の民営化や区立図書館の運営の見直しによる経堂図書館の設置、さらに、来年度におきましての電話催告センターの民間委託を予定しているところでございます。  引き続き、民営化や民間委託化につきましては、区民サービスの向上やスピードアップ、経費節減等の効果を図るため、総合的な視点で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆市川康憲 委員 民間との役割分担ということについては、かねてより私どもも申し上げてまいりましたし、他の会派の方々もおっしゃっているわけで、民間がやるべきこと、区民がやるべきこと、そして公がやるべきことをしっかりと立て分けをしながら、そして行政が充実した仕事ができるような仕組み、組織をきちっと構築するということをお願いしたいと思います。  そして、所要人員。  所要人員についてという項目もあるわけですね。各部においては、上記事項を十分に踏まえ、次の点に留意の上、所要人員を算出し、調書を作成するよう徹底されたいということですけれども、この所要人員におきましては、民間への業務委託を進めるとか、それから非常勤職員、臨時職員の活用を図る、効率的な事務運営を行う、このようにあるわけです。民間への業務委託ということもここで述べているわけですけれども、無原則に行われるわけではないと思いますので、民間への業務委託する際の考え方がもしあればお伺いします。 ◎板垣 政策経営部長 民間への業務委託や活用を進めるに当たりましては、事業者が提供するサービスの質の確保ですとか、サービスを向上させるための仕組みづくりが必要であるというふうに考えてございます。さらには、行政責任の観点に立った評価、検証も重要であるというふうに認識しているところでございます。  今後、行政の役割といたしましても、民営化、民間委託を進める上で、今まで以上に民間事業者への指導監督の体制を充実させていくことが肝要でありまして、そのことをもって区民サービスの向上を図っていくことが必要であるというふうに考えております。  民間への業務委託や民間の活力の活用に当たりましては、区民満足度の向上や事業の効率化に努め、効果的な行政運営を一層進めることが重要であるというふうに認識しているところでございます。 ◆市川康憲 委員 それから、外郭団体。  外郭団体についてという項目もあるわけですけれども、外郭団体については、改善方針等における人的支援、それから財政支援のあり方の方向性を踏まえ、派遣職員を初めとする人員体制の見直しや組織体制の簡素化に努めるよう指導を徹底する、このように明記されています。  私が所属しているある財団の評議員会で、これも先日行われたんですけれども、補正の予算説明がございました。退職金が計上されていたわけですけれども、約二名分だと思いますけれども、そこで、退職された後、補充するのか、それとも欠員のままにするのか、どっちなんですか、そういうことを質問したところ、そのお二方はそのまま継続して勤務する、こういう説明を受けたんですね。  そうしますと、外郭団体そのものの人員体制の見直し、それから組織の簡素化、こうした取り組みは、財団とか外郭団体のみではなかなか難しいんじゃないかな、そうすると、当然、区本体が何らかの指導を徹底していかざるを得ないと思うわけですけれども、区本体としては、外郭団体への人員の体制見直し、組織の簡素化への指導はどなたが、どのセクションがおやりになるのか、お伺いしたいと思います。 ◎平谷 副区長 一応、区長を補佐する立場といたしまして、外郭団体全体の指導調整の職務は私の責任になると思います。  ご存じのように、十三の外郭団体がございまして、事業運営上は、言うなれば自主財源と区が支出します委託料補助金、これで運営されているわけですね。一方、民間人で採用された方、直接雇用された方、区の職員で派遣で賄っている、それが大勢だと思います。そういう意味におきまして、私どもは、外郭団体のそもそも設立者、なおかつ、そういった財政支援、人的支援をする立場から、当然それらが適切にやられるということ、もう一点は、外郭団体の主体性をさらに高めるという観点から指導調整をしなければならない、こんなふうに考えています。  このため、委員ご案内のとおり、平成十七年に外郭団体の改善方針というものを定めさせていただいて、その中で、ご指摘の組織、人員、体制あるいは財務面等々の項目建てをしまして、それらのガイドラインに沿って各団体がみずからの改善計画を定めて、それぞれ主体的に取り組みを進めていただいているもの、こんなふうに思っているところであります。  ただ、今ご指摘いただきました個別の団体の、退職された後、二名の方が引き続き残る、そこの事情はどういう事情で、どういう形で、引き続きどういった仕事をおやりになるのか、個別のところまでは、率直に申し上げて私自身は把握しておりませんけれども、これは、引き続き問題があるようであれば、当然改善をしていただかなければなりませんけれども、今お伺いする範囲では、それなりの理由はあるんだろう、こういうことで今は理解をさせていただきました。 ◆市川康憲 委員 今副区長おっしゃったように、この二名の方は特殊な技術を持っていらっしゃる方で、どうしても外せない方ということで、引き続きその財団で勤務をされるというご説明もありましたので、その辺は理解はしております。  しかしながら、財団については、小さな財団から大きな財団までありまして、特に文化財団については、劇場もあり、文生センターもあり、それから美術館もあり文学館もある。大変大きな守備範囲を文化財団で全部見ていかなきゃいけない、そういうなかなか目の届きにくい部分があるんですね。評議員会でも各館からいろいろご説明がある。評議員会が始まって議論をいろいろするわけですけれども、それこそ時間がないわけですよね。一時間半ぐらいで、説明が三十分かそこいらあるのかもしれない、もうちょっとあるのかもしれませんけれども、それからいろいろ各館について議論をする、すぐ終わっちゃうわけですね。かつては、それぞれの、美術館なら美術館で要するに団体を組んでいましたので、そこでいろいろな議論ができた。それが一つ一つが全部一緒になっちゃったわけですから、これがちょっと問題点といえば問題点なのかな、そういう気がしています。  それから、もう一つは小さい外郭ですね。その中で、その団体の中で人事異動ができないという場合は、設立から同じ立場でずっと同じことをやっている。これは何とかしなきゃいけないんじゃないかな、こう思うんですね。  例えば、エフエム世田谷を例に挙げさせていただいてちょっと恐縮なんですけれども、あるところがスポンサーをおりるという話が出てきたわけですね。スポンサーをなぜおりるのか、理由は定かではございませんけれども、よくよく聞いてみると、要するに、スポンサーに一回なっていただいたら、ほとんど顔出さない、来てくれないらしいんですね。本来であれば、お得意さんなんだから、たびたび顔出して、いつもありがとうございますと言うべきところなのかもしれませんけれども、ずっとスポンサーになってくれているから安心感があるのかどうか知りませんけれども、ほとんど営業活動というか顔出しをされないという話も聞いたことがあるんですね。ですから、そういうことを考えますと、ある時期来たら立場を変えてみるみたいなことも必要なのかなと思いますので、その点も工夫をお願いしたいと思います。  それから、きのうもちょっとお話が出ましたけれども、天下りとか渡りみないな話、これは国政では大分大問題になって取り上げられておりますけれども、本区の場合は全然状況が違うわけですね。六十歳定年で、あと五年間何とか面倒を見ていく、こういう流れがあるわけですから、そういう意味では、国の天下りや渡りという実態から見れば、全然実態は違うと言い切れるわけですけれども、本区の退職後の幹部職員や一般職員の待遇の考え方について、もし何かあればお伺いしたいと思います。 ◎宮内 人事課長 ご指摘の、職員が定年退職した後のことでございますが、定年退職後は再任用制度というのがございまして、そちらについて対応しております。この制度につきましては、平成十四年の四月から現在の再任用制度を導入しております。この制度は、本格的な高齢社会の到来が見込まれる中で、高齢者の知識ですとか経験を区民サービスの向上と行政の効率的な運営のために積極的に活用するとともに、年金制度の改正に合わせまして、六十歳代前半の生活を雇用で支えるという、いわゆる地方公務員法改正の趣旨に基づき導入されたものでございます。  再任用職員でございますが、身分といたしましては一般職と位置づけられておりまして、定年前の職員と同様な恒常的な本格的な職務に従事するといったような状況でございます。 ◆市川康憲 委員 ある意味では、正規職員がどんどん減っていく、そういう状況がある一方で、時間外勤務手当、これを見ますと、平成二十年度は十一億四千百万円、二十一年度が十一億四千三百万円とふえているんですね。時間外手当も、正規職員さんが減っていけばそれなりに減っていくのかな、こう思っていたんですけれども、逆に、仕事がハードになっていっているのかどうかわかりませんが、時間外勤務手当がふえている。これはなぜなのか、ちょっと理由をご説明ください。 ◎宮内 人事課長 ご指摘の点でございますが、定員適正化の推進に当たりましては、業務の見直しですとか効率化もしくは官民の役割分担の見直しによりまして、業務の委託化等を進めております。また、そういった点で区民サービスに支障を与えない体制を整備しながら進めているというところでございます。  ご指摘の時間外勤務につきましては、その要因としましては、イベントの事業実施が例えば夜間であったりとか休日であったりとかというようなことと、あるいは日常業務のほかに予想し切れない臨時的な要素が発生したためであったりとか、さまざまございますけれども、いずれの場合におきましても、年間の業務量ですとかあるいは人員体制を総合的に勘案し、計画的に所属長が勤務を命令した上で行っているところでございます。このため、時間外勤務手当につきましては、予測される新たな行政需要ですとか、時間外に行う必要のある業務の量あるいは前年度の執行実績等を総合的に勘案して予算化しているところでございます。こうしたことから、お話のような人員削減による超過勤務が発生するといった状況は余りないのではないかというふうに考えております。  今後とも、職務の効率化を常に念頭に置きまして、超過勤務につきましては、職員の健康面ですとかあるいはワーク・ライフ・バランスといった観点からも、縮減できるような人員配置の面からも努めてまいりたいというふうに考えております。
    ◆市川康憲 委員 今いろいろお話ございましたけれども、確かに、休日も振替休日とかいろいろふえてきたりしていることは承知しております。しかしながら、休日だからといってすべての職員さんが全部何かのイベントに出ているわけでもないし、夜間になると庁舎に電気が遅くまでともっている、そういう状況も余り見られておりません。そういう状況の中で、十一億というのはかなり大きな額ですよね。そういう意味では、仕事が余りハードであれば、余りハードにならないようなさまざまな工夫をしていただくとか、大体、時間外勤務手当というのは決算時期になるとほとんどなくなって、うまいぐあいにバランスとれているんですね。そういう意味では、もう一工夫欲しいなというふうに考えます。  もう私の時間が来てしまいましたが、じゃ、もう一点だけ、済みません。電話催告センターの機能強化の問題ですね。  電話催告センターの機能が強化をされます。民間活力の活用による電話催告センターの機能強化、運営日数等がふえる、休日六十日、夜間は四十八日の実施とか、いろいろ強化をされまして、二千百万円ついているわけですけれども、効果としてどの程度見込んでいるのか、予測をお伺いしたいと思います。 ◎小野村 納税課長 今回、電話催告センターの民間委託に伴いまして、いわゆる電話の通話数を一・五倍程度伸ばすということで考えております。したがいまして、五割増しといいますか、そういった効果をもくろんではいる、そういったところでございます。 ◆市川康憲 委員 一方で、電話催告センターから電話がどんどんと入ったにしても、現状は大変な不況である、職を失っている方々もいらっしゃる、収入が減っている方もいらっしゃる、払いたくても、納めたくても納められない方々も中には大変多くいらっしゃると推測するんですけれども、こうした現在の深刻な経済情勢の中で、国保も含めて税や負担金が納付できない区民も今まで以上にふえてくるのではないかと心配をしているわけですけれども、この点の認識と具体的な取り扱いについて最後にお伺いします。 ◎小野村 納税課長 財源の確保を目指しまして税の収納率の向上を図ることは重要な課題でございまして、区ではこの間、電話催告センターの活用を初め、効果的な時期の工夫に努めた郵送による催告、あるいは適時適宜の訪問による催告に取り組んでまいりました。今お話ございましたこのたびの電話催告センターの民間委託化によりまして、業務の休日・夜間への拡大を図り、催告体制を一層強化するものでございます。  しかし、残念ながら、こうしたきめ細かな催告に取り組みましても、ご承知のとおり、区民税は前年の収入に賦課されるというものですから、納税者の中には、収入の激変に見舞われたり、あるいは差し迫った事業資金でありますとか債務返済に使用してしまいまして、税を支払うための資力が減退ないしは喪失した状況に陥る方が出てくるという実態がございます。したがいまして、税の徴収につきましては、昨今の急激な景気後退や、それに伴う雇用環境の悪化の影響は避けられないと認識しております。  そこで、納税が困難な方が出てまいると思いますから、そういう方には、何より納付に関するご相談にきめ細かに対応することが肝要であると考えております。したがいまして、ご相談の際には、個々の生活状況あるいは経済状況等を詳しく伺った上で、分割での納付でございますとかあるいは徴収の猶予など、緩和措置での対応を図っておりますけれども、中には、災害に遭われた等、特別の事情がある方、こういう方に関しましては減免の制度を適用する場合もございます。また、納付困難な状況の改善が見込めない方につきましては、収入、財産等の状況を精査し、あるいは生活状況を十分把握した上で、執行停止の決定に至る場合もございます。  今後とも、納税が困難な方につきましては、それぞれのご事情を十分お聞きした上で適切な対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆市川康憲 委員 きめ細かな対応をお願いして、私の質問を終わります。 ◆諸星養一 委員 最後の質問者なんですけれども、一応時間は三人平等に割り当てているつもりなんですけれども、どうもそういうことにいかないで、一番最後の質問者は割を食うようになっているんですけれども、それはそれとして進めさせていただきます。  三つテーマがありますけれども、多分できないと思いますけれども、まず最初に契約について。  先ほど岡本委員からも、公共工事の契約ということでお話しいただきましたけれども、これは我が党の栗林のり子議員の代表質問にもございましたけれども、そういう公共工事、この世界大恐慌という中で、公共工事に係る比重というものは大変大きくなっている。したがって、発注して区内業者が受ける、区内業者育成という視点から区はこれまでも取り組んでいただいているところでございますけれども、ある団体がアンケートをとりました。区内発注の業者に対してのアンケートで、簡単にこの前お話ししましたけれども、もう少し詳しくお話しすると、公共工事の現場での労働者アンケートということで、昨年の十一月からことしの一月まで、発注が四現場ということで、元請企業が世田谷区内の業者である、そこで、現場の従事者、要するに調査時に現場にいた方々に対するアンケートをとらせていただいてということで、その中でとりわけ居住地についてということで、世田谷区内の居住者が、アンケートをとって百二十七名中たった五名しかいなかったということ、世田谷区外を含めて都内の居住者に限っても、約半数の百二十七名中六十四名という実態がある。そのほかにも、当然賃金、それから元請企業との懇談の中での意見等々、このアンケートには書かれているわけですけれども、その中で、区内業者を使用したいが、価格を比較すると、都下・・都下という言い方はいけないんですかね、都外の業者を使わざるを得ないといった赤裸々な実態を告白されているわけですけれども、こうしたことに対して、まず、せっかく区内事業者に発注しても、それが区民の雇用につながっていないという現実に対して、区としてはどうこれを認識されているのか、改めてお伺いをさせていただきます。 ◎岡田 経理課長 不況が深刻化する中で、区民生活の不安をなくすために、雇用の安定拡大を図ることは重要な課題だと認識してございます。世田谷区では、入札・契約におきまして、区内事業者の育成、区内産業の発展に配慮をいたしておりまして、透明性、競争性を確保するということは前提として、できるだけ区内の事業者に発注をいたしまして、結果的には区内の雇用の安定拡大にもつながることを期待しているところでございます。  一方、区が行う契約でありましても、当事者双方が対等な立場で合意する、いわゆる契約自由の原則を前提とした私法上の契約となります。こうした意味で、発注者としての地方公共団体が、契約の条件として地域内住民に限定した労働者使用義務を課す、あるいは下請を区内業者にするように義務を課す、こういったことについては、請負者に対する優越的な地位を利用した不公正な取引方法とみなされる可能性もございまして、困難であると認識しているところでございます。  今後とも、区内事業者の育成に配慮した入札・契約に引き続き取り組んでまいりますけれども、雇用問題等につきましては、区として多様な手法で取り組むべき課題だ、このように認識しているところでございます。 ◆諸星養一 委員 確かに経理課長のおっしゃるように、法的な意味で契約という観点からいけば、雇用を区内居住者に限るということは、これは非常に厳しいなということは私たちも認識していますけれども、ただ、現実に百二十七名中五名しか区民の方がいない、しかも、今緊急雇用対策で、要するに区民の雇用をどうしていくんだということを本庁挙げて、全庁挙げてそれをどうしたらいいかということを考えている中で、これは単に契約の問題だけではないと思います。ですから、ここには産業政策の方いらっしゃいませんけれども、一応政策経営部長として、板垣部長として、こうした問題について改めて、どうこれに取り組んでいけばいいのかということについて、もしお考えがあればお尋ねしたいんですが。 ◎板垣 政策経営部長 雇用の関係につきましては、今岡田課長のほうが申したとおりでございますけれども、いずれにしましても、区内の雇用の促進につきましては、今回の緊急経済対策におきましても、産業政策部のほうで雇用の促進ということでの対応等を二十一年度当初予算案にも載せさせていただいております。引き続き、区内の雇用の確保、それから人材の育成等につきましては、十分留意していきたいというふうに思っております。 ◆諸星養一 委員 これはなかなか難しい問題ではありますので、これからも、我々としてもいい考えがあるかどうか詰めていきたいと思っております。  そういう中で、地方自治体においては、地域雇用ということを重点に置くという、いわゆる総合評価制度というものに取り組んでいる、そうした自治体もございますね。  ここで日野市の例を取り上げますけれども、総合評価方式についてということで、発注者が建設業者の技術力を適切に審査し、価格と品質が総合的にすぐれた調達を実現することが必要であり、これを具体化するものとして、平成十七年度に施行された公共工事の品質確保の促進に関する法律、これに位置づけられた総合評価方式を取り入れたいということで日野市が取り上げているわけですね。これは、価格競争の激化による低入札価格によるダンピング受注が、公共工事に従事する建設労働者の低賃金、不安定雇用などの労働条件の悪化を招いているという指摘も含めてこうしたことを取り入れると。  世田谷でもこの総合評価制度についてモデル実施しているというふうに聞いていますけれども、今後のこの総合評価制度に対する取り組みについての区の考え方をまた改めてお聞きしたいと思います。 ◎岡田 経理課長 総合評価競争入札は、価格以外の要素も評価いたしまして、総合的に有利な者が落札するという制度でございまして、ご指摘のように、不良不適格業者の排除あるいは工事品質の確保に有効だというふうに言われております。  本区におきましても、今年度から新たにこの総合評価競争入札の試行を始めまして、三月末には初めての開札を行う予定でございます。価格に加えまして、請負者のこれまでの工事成績や配置技術者の資格、経験を評価する、施工能力評価型ということで実施することによりまして、優良な事業者が受注し、質の高い公共工事が実施されるということを期待しているところでございます。  一方、価格以外に何を評価するのか、また、その比重をどの程度のところに置くのか、こういったことにつきましては発注者の恣意性が入るおそれがございまして、本区の入札監視委員会におきましても、そのような危険性を排除する必要性を指摘されているところでございます。区といたしましては、今後試行を重ねながら、公正かつ効果のある、世田谷区にふさわしい総合評価競争入札のあり方を構築してまいりたい、このように考えております。 ◆諸星養一 委員 さまざまな手段を使うと。今一番私たちが考えていることというのは、思っていることは、現下の非常に厳しい経済状況の中でいかに区民の雇用を守れるかということ、これが恐らく行政としても最大の責務であるというふうに私は思っております。そのために何ができるかということ、これは契約だけの問題ではありません。先ほども板垣部長もお話ししていただいたように、すべての関係する所管として、これをどう進めていけるかということをしっかり考えていただいた上で、そのための施策の実現をぜひ示していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。  続きまして、市川委員からもお話がありました外郭団体、私はとりわけサービス公社について取り上げさせていただきたいと思います。  先ほど平谷副区長からも、外郭団体、主体的にというお話、自立自主的にという、そうした方向性で改善にも取り組んでいただきたいというお話がありましたけれども、このサービス公社、確かに区からの受注が大変大きい割合を占めていますから、その中にあってどうこのサービス公社に自主自立を促していけるか、大変大きな課題だと思います。今何よりもサービス公社において、先ほどの問題にも通ずるわけですけれども、区民の就労の場がどれだけ確保されているかということが一番大きいかなと、私自身はこのサービス公社が果たしている役割について思っている次第ですね。  サービス公社は、全社の従業員数が六百七十七名ですけれども、世田谷区民の雇用が、その七〇%、四百七十九人を占めている。女性についても五九%の三百九十九名、さらに、特筆すべきは障害者の雇用ですね。これは一一%、七十六名。区内の障害者の方が約一万七千人、知的障害者の方も三千人いる中で七十六名を雇用している。実にその役割というのは大変大きなものがあるなと。あわせて高齢者の方々も、六十歳以上ということでいえば、三百二十八名、四八%という数字が挙げられるわけですね。このように、サービス公社の雇用の中身を見ますと、非常に世田谷の中でも突出している部分があるのではないかなというふうに思います。  そこで、このサービス公社のノウハウを外郭団体にももっと活用すべきではないのかなというふうに私自身思っている次第です。例えば、サービス公社で雇用している障害者の方々を、トライアル的に障害者の雇用実績のない外郭団体に派遣することは可能ではないかというふうに思っている次第ですけれども、その点について区の考えをお聞きしたいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 今サービス公社をご紹介いただきましたけれども、障害者、高齢者の雇用の場を確保いたしまして、設立以来培ってきた事業へのノウハウを活用いたしまして、区民サービスの向上に努めているところでございます。  また一方、区といたしましては、先日出しました外郭団体におきます障害者雇用の拡充の取り組みを一層推進していきたいということを考えておりまして、これに基づきまして、各団体のほうに協力、努力を促したところでございます。  今お話しいただきましたサービス公社のノウハウの他の外郭団体への使い方、具体的には派遣というお話いただきました。これにつきましては、派遣もしくは交流という手法もあるかと思いますけれども、職域拡大や受け入れ団体の意識改革に通じるものと考えております。また、障害者が働く上でのハード、ソフトの環境整備、こういうことについてもある程度見えてくるものがあるかと思っております。  今後、ご提案の件につきましては、関係所管、各団体と協議を進めさせていただきたいと存じます。 ◆諸星養一 委員 外郭団体の改善の取り組みという中で、雇用について率先して障害者また高齢者の雇用の拡大を促していく、これは区としてのある意味では指導調整の中でぜひ進めていただきたい課題だというふうに私たちは認識しておりますので、よろしくお願いをいたします。  続いて、これは私が議員になってからずっとテーマとして掲げていますけれども、IT、今ICTと言っているようですけれども、このIT関連の業務について、区のいわゆる公務員の異動の中で、システム開発初め、そうしたIT、ICT関連の業務を区が行うこと、大変困難な部分もある。要するに、ある意味では開発というのは人材ですから、その人材が、要するに公務員の場合は宿命的とも言われる、何年かに一度異動せざるを得ないというそうした中で、もっとサービス公社を活用できないかということをずっと私の持論として何度か質問させていただいておりますけれども、この件に関して、改めてサービス公社に対する区の、ICT関連の業務について、私は開発まで含めてぜひサービス公社に移譲すべきだというふうに考えておりますけれども、その点について改めて見解をお伺いします。 ◎栗原 情報政策課長 この点につきましては、平成十七年四月策定の外郭団体改善方針の中で、ICTにつき、区との連携による効率的な運用管理の面で役割を果たすとされ、また、本年度スタートの電子政府世田谷推進計画におきましても、サービス公社につきましては、その広範な技術支援力、それから人的資源及びその蓄積したノウハウ、これを重視しまして、主に運用業務を担っていただくと位置づけております。  具体的には、基幹システムの運用支援作業、それから機器操作やシステムの監視等のオペレーション作業など、なくてはならないものです。区民の個人情報を大量に扱う区のシステムにおきましては、運用において信頼できる担当者を確保できることが安定的運用のために不可欠となります。今後も、サービス公社と連携し、区のICT業務を安全に進めてまいります。 ◆諸星養一 委員 城倉さんにお聞きしたいんですけれども、要するに、さまざまサービス公社に運用を任せると言っていますけれども、ある意味では、人がいなければしようがないという部分もありますよね。だから、サービス公社に対して、その開発に携わるような人的資源というものをいかにサービス公社にお願いするかということも含めて、もっと区が積極的に関与する必要があるというふうに考えていますけれども、その点、もう一度お答えいただきたいと思います。 ◎城倉 地域情報政策担当部長 ICTについては、本当に技術が日進月歩というような状況でございまして、あらゆる情報、あらゆる技術力とか、そういうものを集約してやっていかなければいけないという中で、サービス公社の活用についても、その運用面、それから、今委員から開発ということもございましたが、まず運用面から能力を高めていくということで、区としても支援していきたいというふうに考えております。 ◆諸星養一 委員 このサービス公社、ある意味では事業の拡大、先ほど副区長もおっしゃっていました自主自立を促すという意味合いにおいて、これからも積極的に事業拡大を図るように、区としても指導を行っていくべきだというふうに私は考えておりますけれども、最後にその点についてお伺いをしたいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 サービス公社につきましては、地域社会の発展と区民福祉の向上に貢献する役割を担ってきておりまして、会社といたしましてもそのような自覚を持っていると思っております。  区といたしましては、今後とも経営努力を促すとともに、良質な区民サービスの提供を行っていくことが重要なことと考えております。その上で、現在公社が保有するいろいろな基金、積立金もございます。こういうことも視野に入れて、今後の区民サービスの展開について調整等を行っていきたいと考えております。 ◆諸星養一 委員 最後、公共施設の整備方針で、先般、公共施設の整備方針に基づく取り組み状況の中で結論が持ち越された施設がありますね。上馬出張所の問題、奥沢の問題もありますね。その二つの問題について今後結論がきちっと出るのかどうか、その点が非常に気になりますので、今後の問題についてお伺いをさせてください。 ◎宮崎 政策企画課長 ご案内のとおり、用地取得や施設の利用者からのご意見等を踏まえまして、今般、結論が出せなかった施設でございます。両者につきまして、いずれも老朽化が進んでいる施設でございますので、区民の利便性の向上を図る意味からも、早期に具体化する必要があるというふうに思っております。したがいまして、一定の時期を区切ることが必要になってくると思いますが、この課題に対する解決に努めていきたいと考えております。 ◆諸星養一 委員 やっぱり実現してこその世界だと思います。せっかく計画を立てて実現できなかったということは、地域住民に対する、ある意味では非常な落胆を呼びますので、ぜひ実現に向けて努力をしていただきたいこと最後に要望いたしまして、公明党の質疑を終わらせていただきます。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 続きまして、民主党・無所属連合、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 まず最初に、特別区財政調整交付金についてお伺いいたします。  アメリカ発の金融危機により、現在の世界景気及び日本の景気が悪化している事実はだれの目にも明らかであります。二月に内閣府によって発表されました二〇〇九年度の四半期のGDP成長率は、それぞれが前期に比べるとマイナス三・三%、前年比率で何とマイナス一二・七%という落ち込みを記録しました。これはまさに三十五年ぶりということです。  この景気の急速な悪化、下降により、世田谷区の財政状況も非常に厳しいものとなることは容易に想像できます。平成二十一年度の特別区民税は、前年所得への課税が中心となることから一定の増額が見込まれますが、仮に区民税の税収は上がっても、東京都に入る税の一つである法人住民税は景気に直結することから、かなり下落することが予想されます。  先日、二月二十八日の朝日新聞によると、平成二十一年度の当初予算案と平成二十年度の当初予算を比べ、全国四十七都道府県の法人事業税と法人住民税の合計額を算定すると、平均二八%減っている、また、東京都では三〇%台、愛知県では五六%、浜松市では四七%と大幅な下落率となっています。その他の自治体でも大幅な下落率となっており、各自治体の多くが貯金を取り崩し、また借金もして経済危機に対応しており、経済危機への対応と財政健全化との両立に苦労しているとのことです。例えば鳥取県では、財源不足用ではない土地開発基金を条例で使えるようにして二十億円を取り崩し、借金もした、また、福岡県の県債残高は二兆七千四百四十八億円に上るとのことです。  ここで、世田谷区の平成二十一年度の予算案では、世田谷区に分配される特別区財政調整交付金は三百九十九億円、そのうち普通交付金は三百七十五億円を見込んでいます。しかし、法人住民税が今よりもっと下がれば、特別区財政調整交付金がさらに少なくなる可能性があります。都から入ってくる財政調整交付金は、固定資産税、法人住民税、特別土地保有税などから成りますが、法人住民税が景気の悪化の影響で今よりさらに減った場合、東京都の九千四百七十四億円の財源は減る可能性があります。一割減ったとしても約九百五十億円、二割減ったとして約一千九百億円減る計算となり、この金額はかなり大きいと思います。全体のパイが減ったならば、東京都から世田谷区に入ってくる特別区財政調整交付金が少なくなり、その分を基金から繰り入れるか起債するか、または事業を縮小するかしなければいけません。  一方、世田谷区の普通預金の一つとも言える財政調整基金は、平成二十年度末見込みで約百七十二億円、平成二十一年度末見込みで百六十四億円です。また、平成二十年度は財政調整基金繰入金はゼロ円でしたが、平成二十一年度は約八億五千三百万円、つまり、約八億五千三百万円を基金から取り崩しているのです。都から入ってくる財政調整交付金が減るならば、区の普通預金とも言える財政調整基金から繰り入れざるを得ない状況も予想されます。  そこでお伺いいたします。  今後の財政調整交付金をどのように見込んでいるのでしょうか。 ◎岩本 財政課長 二十一年度の都区財政調整、二十三区全体の当初フレームでは、調整税のうち固定資産税が二百九十三億円増額となっておりますけれども、今ご指摘いただきましたとおり、市町村民税法人分は、企業収益の急激な悪化によりまして、千五百九億円、大幅な減となりまして、これにより、特別区に対する交付金の総額が九千四百七十四億円となっている状況にございます。  世田谷区におきましては、この調整税の減少の状況、また、過去三番目の下げ幅となる六十八億円の減額となりました、今年度、二十年度の普通交付金の交付実績を踏まえまして、平成二十一年度当初予算における特別区交付金の予算額を三百九十九億円としたものでございます。  今後の特別区交付金の見通しでございますけれども、国の経済見通しにおける経済成長率の見込み等に基づいてございまして、このほか、今後の都市計画事業などの世田谷区における基準財政需要額の一定の増も見込みまして、平成二十二年度以降は特別区交付金については横ばいと見込んでいるものでございます。  しかしながら、今お話しいただきましたとおり、先般財務省が発表しました十月から十二月期の三カ月の法人企業統計、例えばでございますが、これが大幅な減額になっている、企業の経常利益が大幅に減額となっているといった報道もございます。今後とも、特別区交付金を含めまして、区の歳入動向につきましては注視をさせていただければというふうに考えてございます。 ◆ひうち優子 委員 もし都から世田谷区に入ってくる特別区財政調整交付金が少なくなったならば、財政調整基金から繰り入れる必要が出てくる可能性もあります。法人住民税が減ったら、一年間の計画を立てても途中で財源が足りなくなるおそれがあり、そのためにも、今のうちから財政調整基金に積み立てておく必要があると思います。  そこでお伺いいたします。  財政見通しで財政調整基金に積み立てる計画はあるのでしょうか。また、三年間の財政見通しでは、平成二十二年度、二十三年度に財政調整基金を使わない方向性ですが、財政調整基金を今後どのように活用する予定でしょうか。 ◎岩本 財政課長 三カ年の財政見通しでは、特別区税や特別区交付金などの歳入の見通しとともに、実施計画等を初めとしました事業経費を見込みまして収支を計画しているということでございます。また、財政負担が大きい大規模事業の実施に関しましては、いわゆる特定目的基金からの繰り入れのほか、起債の活用により財政負担の平準化を図っているというものでございます。  お尋ねの財政調整基金につきましては、年度間の財源を調整するということを目的に、必要最小限の活用を基本としてございまして、実際のその都度の予算編成の際に繰入額を判断するというものであることから、中長期的な財政見通しを作成する上では繰り入れを見込んでいないという状況にございます。  また、財政調整基金積み立てにつきましても、将来の事業計画に基づき積み立てを行う特定目的基金とは性格が異なるということから、財政見通しの中では積み立てを計画していないという状況でございます。  しかし、ご指摘いただいておりますように、二十年度の特別区交付金につきましては、法人住民税の落ち込みにより、今年度については当初フレームより交付額が減額となったという経過もございますので、財政調整基金からの繰り入れの抑制、あと歳入努力、また前年度繰越金等の活用によって基金残高の確保に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆ひうち優子 委員 今回の世界的な景気の悪化の中で、できるだけ基金の残高を確保する努力をし、計画的に財政運営を進めていただきたいと思います。  次に、防犯カメラ条例についてお伺いいたします。  先日、防犯カメラ条例の素案が出されました。このカメラ条例は、基本的には管理者への条例ですが、カメラに映る方のプライバシー保護の観点からも必要であると考えます。しかし、この防犯カメラ条例案では、区立保育園、幼稚園は対象内ですが、私立保育園や幼稚園は対象外となっております。  そこでお伺いいたします。  私立の保育園、幼稚園と公立の保育園、幼稚園とでは余り大きな違いはないと考えられますが、なぜ私立の保育園、幼稚園は対象外なのでしょうか。 ◎岩澤 危機管理担当課長 防犯カメラの運用については、肖像権やプライバシーの侵害などが危惧され、プライバシーに配慮したルールの制定を求める声が高まっていると認識しております。  そこで、本条例は、公共の場所における防犯カメラの設置及び運用に関し必要な事項を定め、区民等のプライバシーを保護するとともに、すべての区民が安全で安心して生活することのできる地域社会を実現すること、これを目的として制定してまいりたいと考えております。  届け出対象者をどの範囲とするかについては、議会を初め、パブリックコメントでいただきました区民の方々のご意見など、さまざまなご意見をいただき、検討を重ね、このたび素案を報告させていただいたところです。条例素案では、私的自治の観点を踏まえまして、公共の場所に防犯カメラを設置しようとするものであって、世田谷区、商店街、町会・自治会、鉄道事業者等を届け出対象としております。  委員ご指摘の私立幼稚園、保育園についてでございますが、世田谷区立幼稚園、保育園と異なり、私的自治の観点を踏まえまして届け出対象とはしておりません。しかし、プライバシー保護に関する本条例の考え方については、届け出対象か否かを問わず尊重していただきますよう、「区のおしらせ」やホームページなどにより、区民の方々や区内の事業者の皆様に十分周知してまいりたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 私的自治の観点を踏まえ届け出対象外とのことですが、区が補助金を出しているにもかかわらず、私立保育園、幼稚園が対象外なのはなぜでしょうか。区が補助金を出しているならば、当然、何かあった場合の責任が区に発生します。にもかかわらず、区は全く関与しなくていいのでしょうか。お伺いいたします。 ◎岩澤 危機管理担当課長 区が東京都と連携し、商店街等の地域団体が行う防犯カメラの整備支援事業では、世田谷区防犯設備の整備に対する補助金交付要綱や世田谷区防犯カメラ整備基準等に基づいて、防犯カメラを設置した商店街等に運用規約の策定を義務づけ、運用管理責任者の選任や通行人などに対する防犯カメラ設置表示の徹底、記録装置を施錠により保護された場所へ設置するなどにより、防犯カメラを厳正に管理運用しております。  委員ご指摘の、私立幼稚園、保育園が行う防犯カメラ整備に対する助成事業においては、先ほど申し上げた商店街等の地域団体が行う防犯カメラ整備支援事業と同様に、私立幼稚園、保育園に関する個別の補助金交付要綱や設置補助基準等に基づいて、防犯カメラを厳正に管理運用することが助成の要件になってございます。区といたしましては、仮称防犯カメラ条例の施行後も引き続き、私立幼稚園、保育園が行う防犯カメラ整備に対する助成事業において、防犯カメラに関するプライバシー保護等に十分配慮した管理運用を行ってまいりたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 特に、保育園、幼稚園という特性から、撮られる側の立場に立つことが大切だと思います。撮られる側から見たときに、プライバシー保護を何らかの形で確保することが何より大切だと思いますので、このことを要望させていただき、次の質問に移ります。  区有地の有効活用についてお伺いいたします。  区内を歩いていると、例えば区役所の近くなど、道路の周辺などに、長い間使用されずに草が生い茂っている空き地を見かけます。このような空き地は、区が道路を拡幅するために買収したが、周辺の住民と話し合いがついていないためにいまだに使われていない土地、また、道路を通した後に残地として残ってしまった土地だと聞きます。また、密集した市街地に通り抜け道路や広場を整備するために、まちづくり用地として買収したが、事業化されずに長期間そのままになっている空き地も多数あるようです。  例えば区役所周辺などは、私が以前から歩いていて気になっている場所です。区役所の周辺を歩いてみると、まちづくり用地という看板は立っているものの、長期間使われている形跡がない土地が区役所周辺だけでも幾つか散見されます。  区は、こうした区有地を有効活用するために、公有財産有効活用指針というものをつくり、関係部課長による土地バンク運営委員会という組織において活用策を検討されているとのことです。また、このことは、昨年六月に、我が会派、重政委員も質問していますが、その際、今後精査して有効活用を進めるとの答弁がありました。  ここでお伺いいたします。  精査の結果、有効活用すべき土地はどれくらいあったのでしょうか。 ◎岡田 経理課長 区の貴重な財産であります区有地等につきましては、平成十八年に策定いたしました世田谷区公有財産有効活用指針に基づきまして有効活用を進めることとしております。平成二十年度におきましては、昨年五月に全庁に向け区有地等の現況調査を行いまして、所管課のヒアリングを経まして、七月に開催いたしました土地バンク運営委員会で有効活用を図るべき土地を認定いたしまして、その後、庁内利用に係る調整を経まして利用計画を策定したところでございます。  その結果、平成二十年度につきましては、有効活用を図るべき土地は三十二カ所、そのうち、その利用計画といたしましては、庁内利用が十一カ所、売り払いが十三カ所、無償の貸し付けが八カ所としたところでございます。 ◆ひうち優子 委員 庁内利用、売却、無償貸し付けと区分されているということですが、売却できないのであれば、空き地の周辺の方に配慮しながら暫定的に有効活用できないかと思います。せっかく確保した土地なのですから、例えば、次の用途が決まるまで、また道路が完成するまでの間、花を植えて育てるスペースを区民の方に提供する、または、区が花や植物を植えて緑をふやし、いやしの空間にする、また、高齢者や子どもを持つお母様方のために、区民の憩いの場としてベンチを置くなど、暫定的な活用のアイデアがあってもいいのではないでしょうか。その際、その土地が何に使われるのか、いつ完成するのかを明らかにした上で、区民の方にわかりやすく、この土地は道路をつくるための土地ですが、一時的に花を植えていますなどと周知をすれば、税金の使われ方を区民の方に明らかにすることにもなり、より有効活用が進むのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎岡田 経理課長 公有財産有効活用指針では、保有目的を達成し終えた土地については売却を基本といたしまして、保有目的に応じた用途に供するまで相当期間を要するというものについては、庁内の他所管での活用や貸し付けなどの暫定利用を促進するということにしてございます。  区はこれまでも、身近な広場や放置自転車の保管所あるいは駐車場としての利用、こういった庁内利用を進めますとともに、貸し付けの例といたしましては、有償でコインパーキングとして民間事業者に貸し付ける、あるいは地域の団体に防災倉庫の置場として無償で貸し付ける、このようなことも行ってきたところでございます。  ご提案の花づくり等の場としての活用も有効な手法の一つと考えております。幾つかそういった実績がございますが、今回、無償貸し付けを利用計画とした土地につきましても、町会等を通じまして、花づくり等に活用できないか、現在打診をしているところでございます。 ◆ひうち優子 委員 せっかく確保した土地なのですから、例えば次の用途が決まるまで、また道路が完成するまでの間、一時的でもいいから花を植える、また区民の方の憩いの場にするなど有効に活用していただくことを要望し、次の質問に移ります。  区からの配布物の文字、色についてお伺いいたします。  先日、区民の方からこんなご意見をいただきました。私はもう年寄りで小さな字が見えない、先日区から送られてきた区役所に提出する確定申告書の書類の文字が小さ過ぎて見るのに一苦労した、色も薄い青で見えにくい、大きくしてくれたらありがたいのだが。  昨年の総務省の発表によると、六十五歳以上の方は二千八百十九万人と、総人口の二二・一%を占め、過去最高を記録したとのことです。全国的に高齢者の方は年々ふえ続けているのです。  現在、世田谷区から高齢者の方に送られる配布物にはいろいろなものがあります。例えば、国民健康保険料決定通知書、国民健康保険料納付書、介護保険料決定通知書、世田谷区役所へ提出する確定申告書、国民年金納付書などです。また、これから定額給付金が配られますが、その際の申請書や、平成二十一年度から火災報知機が高齢者、障害者に給付される際の書類も今後送られてきます。よって、文字を大きくする、また色も見やすいものにする必要があると思います。  世田谷区では、平成十八年三月に世田谷区視覚情報のユニバーサルデザインガイドラインを作成し、その中で、世田谷区が発行する印刷物などの色、文字についての基準が具体的に書かれています。このユニバーサルデザインガイドラインは、多くの情報をわかりやすく伝達することが求められる中、広報印刷物やホームページ、サインなどの視覚情報を、年齢、性別、国籍、障害の有無に関係なく、だれにでも正確に情報を伝えられるようにデザインすることを目的としており、言語、書体と大きさ、色彩の基準が決められています。この中でも、特に色彩に関しては、色覚障害の人が日本人の男性のおよそ二十人に一人、女性は五百人に一人くらいの割合で存在していることから、色だけに頼った情報提供をしないというカラーバリアフリーの考えを取り入れ、色の選び方や組み合わせ方などが記載されているのです。せっかくこのようなガイドラインがあるのですから、これを活用し、確定申告の書類や国民健康保険、介護保険等の配布物にも適用し、きちんと対処すべきと思います。  ここでお伺いいたします。
     このガイドラインに従い、見やすい色に変える、また、情報量との兼ね合いがあるとは思いますが、文字も大きくできないでしょうか。区の考えをお聞かせください。 ◎福田 広報広聴課長 区では、委員ご案内のとおり、世田谷区視覚情報のユニバーサルデザインガイドラインを平成十八年三月に作成し、印刷物やホームページなどを対象に、書体の大きさや、また、委員お話がありました色彩等についての配慮、こうした基本的な考え方をまとめてございます。  区から区民の皆様に出す帳票等の中には、帳票のサイズの問題や、また情報量の多さ、こうしたものから、字の大きさなどについて、小さくて見えづらい、こうしたものも中にはあるかと思います。  現在、平成十九年四月に制定したユニバーサルデザイン推進条例に基づき、この三月にユニバーサルデザイン推進計画を策定いたしましたが、その中で、視覚情報ユニバーサルデザインガイドライン、こちらのほうについても一部改定を予定してございます。文字につきましては、先ほども言いましたが、帳票の印刷の大きさ等の問題の中でなかなか限界もあろうかと思いますが、委員ご指摘の色彩等の問題への配慮、こうしたものを、改めてこの改定を契機に、視覚情報のユニバーサルデザインを庁内に周知、また普及啓発、このように行ってまいりたいと考えてございます。 ◆ひうち優子 委員 ありがとうございます。特に高齢者の方から、区からの配布物の文字を大きくしてほしい、また、色も薄い水色やピンクではなく見やすい色にしてほしいというご意見があることから、高齢者の方はもちろんですが、それ以外の方のためにも、ユニバーサルデザインの考えに基づいて、より多くの方が読みやすくなるように、文字や色を見やすいようにしていただくことを要望し、質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、民主党・無所属連合の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いします。  なお、午後一時より平和の日の黙祷を行いますので、その前にご参集いただきますようお願い申し上げます。  それでは、休憩いたします。     午前十一時五十三分休憩    ――――――――――――――――――     午後一時開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑に先立ちまして、謹んで申し上げます。  本日、三月十日は、昭和二十年の東京大空襲において十万人とも言われるとうとい命が失われた日であり、東京都平和の日と定められております。  そこで、区議会として戦災で亡くなられました方々のご冥福をお祈りするとともに、世界の恒久平和を願い、一分間の黙祷をささげたいと思います。  ご起立をよろしくお願いします。    〔起立〕 ○菅沼つとむ 委員長 黙祷。    〔黙祷〕 ○菅沼つとむ 委員長 黙祷を終わります。  ご着席願います。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 それでは、質疑を続けます。  民主党・無所属連合、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 では私から、まず初めに、学校建てかえの際の寄附についてお伺いしてまいります。  まず初めに、義務教育施設整備基金について聞いておきたいと思います。  トータルで今百四十二億円ということで積み立てされていますけれども、二十一年度積み立ては十六億七千五百万円というふうに予算書ではなっております。学校建てかえや耐震改修などの必要性がここ数年大変多くあるので、それを見込んで積み立てていることだというふうに思いますけれども、この義務教育施設整備基金の経緯と、あと活用状況についてお答えください。 ◎岩本 財政課長 学校施設の整備につきましては、平成十八年度に定めました新たな学校施設整備基本方針に基づきまして、計画的に改築を進めております。平成二十一年度には、設計を含めた改築対象校を六校としてございます。また、学校の耐震化では、平成二十一年度に耐震補強や一部改築などの工事を進める八校をもって完了させることを目標として取り組んでまいりました。こうした財政需要の増大を見通して、この間、義務教育施設整備基金へ積み立てを行ってきたところでございます。  具体的には、平成十八年度から平成二十年度の三カ年で百十億円を積み立てまして、基金残高につきましては、平成十七年度末三十五億四千七百万円から、平成二十年度末には百三十五億三千万円となる見込みでございます。  今後の基金の活用の見込みでございますけれども、児童数の増加により、増築が必要な学校も新たに生じてございます。改築等の経費は、今後、平成二十二年度から平成二十三年度にかけてピークを迎える見通しとなってございまして、財政負担の平準化と財源の確保を図るため、この間、一定規模の基金の活用を見込んでいるというものでございます。 ◆すがややすこ 委員 次に、学校建てかえの際に、卒業生や地域の方々からお金を寄附したいという申し出があるのでしょうか。これは、いろいろPRをして改築の財源を確保すべきだという視点に立った質問です。  例えば私立学校なんですけれども、保護者や卒業生の方々から寄附を募っています。建てかえのためというだけでなくて、運営面についても、協力を学校側から保護者ですとか卒業生の方にお願いしてきているという現状がありますが、公立学校ですと、地方財政法の二十七条により、寄附の強要というのが禁止されているということもあり、なかなか難しい部分もあるというようなことが言えるのではないかというふうに思います。  ただ、寄附をするということで、施設を大切に使う気持ちですとか、学校に対する愛着もわいてくるのではないかなというふうに個人的には思っています。区長がよく言われているきずなも、この寄附によって深まっていくのではないかというふうに思います。学校と地域ですとか学校と保護者のきずな、これが深まっていくんじゃないかなというふうに思います。これはまた、小中学校でも公立離れということが指摘されていますけれども、この公立離れに歯どめをかける意味でも一翼を担えるのではないかなというふうに思っています。  そこで質問ですが、もっと学校建てかえに対する寄附をPRし、受け取った寄附を義務教育施設整備基金に積み立て、活用することができないのでしょうか。 ◎岩本 財政課長 卒業生や、例えば地域の方による寄附につきましては、仮に特定の学校の改築のために使ってほしいというお申し出があった場合、ご指摘の義務教育施設整備基金が、特定の学校の改築のために設立されたものではなくて、年度間の学校施設整備経費の平準化を趣旨としていることから、基金の繰り入れのタイミングであるとか当該学校の改築の時期といったものとの関係もありまして、この寄附が確実にご指定の学校のために使えるかといった面では難しい状況にあるかと思っております。  特に学校の指定がなくて、学校の施設整備に使ってほしいといったご趣旨の寄附の場合については、義務教育施設整備基金に積み立てをしまして、次年度以降、基金の活用の判断の中で使わせていただくということになります。 ◆すがややすこ 委員 今のご答弁ですと、地域の方々が学校を指定して、建てかえのためですとか運営に寄附をするという仕組み自体がないということで、本当だったら、学校ごとにそれぞれの、いわゆる財布ですよね、財布を区でも持っていただいて、地域の方ですとか卒業生や、あと保護者の方々から寄附を募り、そしてそれを改築ですとか学校運営に充てていってもらえるというような仕組みがあるといいかなというふうに思います。  そこで、過去、区民の方々からこういう申し出があったのかという意味で、過去の実績があればそれをお答えいただきたいのと、あと、例えば、先ほどもちょっと申し上げたんですが、寄附の出と入りですよね、入りと出ですか、それが区民の方にわかりやすくなれば、もっと区民の方から寄附を募れるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、その辺についてお答えをお願いいたします。 ◎岩本 財政課長 まず最初に、過去の実績、事例でございますけれども、平成十一年でございますけれども、施設建設とは違いますけれども、区民の方から、小中学校の図書の購入費に活用してほしいということで一千万円のご寄附をいただいたという事例がございます。これにつきましては、補正予算ということで寄附の歳入一千万円、小中学校の維持運営費ということで、図書の購入に充てるということで歳出も組ませていただいたといったような経緯がございます。  義務教育、学校教育全般のために使ってほしいといったご趣旨の寄附の場合については、寄附者のご意向をできるだけ踏まえまして、制度上適当と思われる予算事業に単年度の特定財源として寄附をお受けするといったことになります。先ほどの学校図書の活用で申し上げたような仕組みとなるわけですけれども、ただ、この場合につきましても、予算が区全体の学校のために組まれているといったことから、いわゆる特定の指定された学校のみで活用という部分では困難な面があるかなというふうに考えてございます。 ◆すがややすこ 委員 今のお話ですと、過去一千万円の寄附があったということで、確かに寄附で一千万円とかしていただけたらすごくありがたいと思うんですけれども、なかなか一千万円出せる方も少ない。本当に寄附って気持ちの問題だと思うので、百円でも千円でも同じ気持ちというか、意味合いとしては同じ意味を持つと思うんですね。寄附に・・寄附というか基金ということに関しては、他会派の質疑でもありましたけれども、もっと基金ですとか、基金イコール寄附ではないですけれども、寄附自体をPRして、区民の方にもっと広めていただきたいなというふうに思っています。  もう一つ、先日報告のあった包括外部監査においても、子ども基金についてはPR不足ということがこの監査の中で指摘されているんですね。実際、区民の方からの寄附が、この子ども基金ができてから三年間で幾らあったのかというと、二百四十万円だということで、それについてもPRして、区民の方からいただいた寄附、これが一体何に使われているのかということを区民の方はもっと知りたいんじゃないかなというふうに思います。  これは、先ほどから質問しております学校建てかえというか、学校に対する寄附でも同じことが言えると思います。寄附ということに関する全体についての区の見解をお聞きいたします。 ◎岩本 財政課長 今ご指摘いただきましたように、寄附をお受けするための幾つかの基金を設置してございます。例えば子ども基金のように、子ども施策や子育て支援のためにといったご希望の場合については、基金がある場合については基金に積み立てをさせていただいて、後年度に活用させていただくということでございます。  今委員ご指摘の部分については、基金のあるなしにかかわらず、もう少し出入り、入り口、出口の整備をというご指摘かと思います。いわゆる地方自治体への寄附税制が改正されて、寄附の活用も区の歳入確保の面から重要であると考えておりまして、この間ご答弁申し上げておりますとおり、ホームページの整備等を進めてございますけれども、寄附の受け入れのあり方、また活用については、今後さらに検討させていただきたいというふうに考えてございます。 ◆すがややすこ 委員 わかりました。  それでは、みどりバッジについても聞いておきたいと思います。  みどりバッジですけれども、その売り上げというのはどこへ行くのか、基金に積み立てられて活用されるのかどうかということについてお聞かせください。 ◎岩本 財政課長 みどりバッジにつきましては、世田谷みどり33の取り組みに関して区民の方々から一層の理解を得ようということで、区民公募によるデザインをもとに、オリジナルのピンバッジを製作、販売しているものでございます。  一方、みどりトラスト基金につきましては、平成二十年に条例改正を行いまして、それまで緑の保全に限られていた基金の使途を、みどり33達成のために緑をふやすことにも拡充をした、緑をふやすことを目的の一つとして追加したということで、広く寄附をお願いしているところでございます。  バッジの売り上げをみどりトラスト基金に積み立てるといった方法でございますけれども、まず、バッジの製作には経費を要するということから、まずは、その売上金につきましてはバッジの製作費に充当するというのが基本的考え方になります。その上で、別途、バッジの売り上げ相当額につきまして基金に積み立てるといった手法を想定しているところでございます。  現在のところ、みどりトラスト基金につきましては、公園用地買収への充当が主になってございますが、基金設置の目的にかんがみまして、今後どのように幅広く活用できるかといったことが課題と考えてございまして、その点を含め検討させていただければと思っております。 ◆すがややすこ 委員 みどりバッジの売り上げは、結局公園用地買収なんかに使われるということで、みどりバッジ買われた方というのは、それぞれいろいろあるかと思うんですけれども、みどりバッジ買ったら木が一本植わるとか、そういうようなことをイメージして買われる方も多いのではないかと思いますので、今幅広い活用というふうなご答弁ありましたので、ぜひそれを徹底してやっていただきたいというふうに要望して、次に、梅ヶ丘病院跡地と庁舎の建てかえについて質問します。  中間まとめでは、保健福祉とまちづくりに関するところでの検討ということで、全体像としては、三月末、この三末に出る最終報告を待つところだと思います。中間まとめでは三パターン出ていましたけれども、どれも、高齢者ですとか障害者の支援拠点、また相談機能、そしてAとCに関しては住宅系が入っていたということです。Bは住宅系入れなくて、そうすると最大容積率分が使い切れなくなっているというような報告でした。こういった部分で、まだ保健福祉所管で有効活用できるのではないかというふうに思いますが、ご答弁お願いいたします。 ◎宮崎 政策企画課長 先般の中間まとめの件でございますけれども、今お話には、もっと有効活用ができるのではないかということです。この都立梅ヶ丘病院の跡地利用の関係につきましては、ご案内のとおり、昨年の八月に取りまとめをしております保健福祉領域の保健医療福祉サービスの中長期的なあり方を踏まえまして、現在のところ、保健医療福祉に係る機能を中心に、中長期の展望に立った調査研究を進めさせていただいております。  有効活用の観点でございますけれども、今後、既存公共施設の整備ですとか、全領域的な観点からの検討、さらに、民間事業に係る土地活用方法、民間活力の導入など、種々課題がございます。さらに、財政負担をどうやって抑制していくか、こういう事業手法の検討もあわせまして、引き続き調査研究を行ってまいりたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 保健医療福祉ということで今検討を行ったということですけれども、医療系の機能については余り書かれてないのではないかなというふうに感じました。  それで、今は梅ヶ丘病院は都立病院ですよね。区内には総合病院というのが少ないというのは前から指摘されていることですし、また、大学病院とかそういうのもないという状況があります。台東区では区立病院をやるというような話がありましたけれども、世田谷区でも医療系の施設が必要なのではないかなというふうに思います。区の見解をお聞かせください。 ◎宮崎 政策企画課長 この中間まとめの中におきまして、今申しましたように、保健福祉のほうを中心にやってまいりました。その検討の中では、今後の保健医療福祉サービスの中でも、今お尋ねの医療系施設、この観点につきましては、特に医療的ケアを充実した老人保健施設ですとか、子ども初期救急診療所の整備、こういうことを今方向性として示させていただいているところでございます。  一方、この場所でございますけれども、駅から徒歩五分から七分という高い利便性にあるということもございまして、今後の問題ではございますけれども、民間事業者の誘導等の観点についても魅力のある立地ではないかというようなことにこのまとめの中で触れさせていただいたところでございます。  民間施設の誘致のような観点につきましても、今後、先ほどの繰り返しになりますけれども、財政負担との関係も含めまして検討させていただければと思います。 ◆すがややすこ 委員 次に、庁舎ですけれども、今区議会の特別委員会でも二年かけて議論してきて、この間、議論が一応終わった、まだ最後まで終わってないんですけれども、一応途中まで終わりました。区では、審議会を設置して建てかえについて議論しているということで、まだいろいろなところで議論の途中なので、最終的なご答弁はいただけないと思うんですが、一応意見も含めて質問をしていきたいというふうに思います。  それで、昨年からいろいろ言われていますように、経済状況が大変悪化しているということで、この庁舎も老朽化しているとはいえ、なかなか建てかえというふうになると区民の理解を得にくいのではないかなというふうに思います。  そこで、区民利用施設とか不足施設、世田谷区内に不足している施設ですね、例えば、先ほども申し上げました医療系の総合病院ですとか、あとは、保育施設ということは以前にも申し上げたんですけれども、あと高齢者、障害者とかのグループホームとか、そういったような施設と一緒に建てることで区民の方々の理解を得ていく方法をとってはいかがかなと思いますが、ご見解をお聞かせください。 ◎八谷 庁舎計画担当部長 委員からご提案のありました、庁舎と区民利用施設等の複合化や合築につきましては、他の自治体の例といたしましては、千代田区役所の国との合同庁舎や、文京区役所の一時預かり保育ルームなどがございます。一般的にはホールや図書館が多く見られます。  現在、世田谷区では、学識経験者や地域団体の代表者等で構成される本庁舎等整備審議会を設置し、区役所本庁舎等に関する区民サービス面あるいは防災面、環境面などのさまざまな課題や問題点の抜本的解決を図るためにご審議をいただいているところです。  区といたしましては、今後、審議会からのご答申、区議会でのご議論や区民からのご意見なども踏まえ、仮に改築することとした場合には、本庁舎としての機能、規模を備えることはもとより、委員のご提案の点も含めまして、他の施設との複合化や合築等の可能性につきましても、その後の基本構想や基本計画の段階で具体的に検討することになると考えております。  いずれにいたしましても、審議会のご答申をいただいた段階で直ちに議会にご報告することはもとより、区民周知を図る中で、改めてさまざまなご意見、ご提案等をいただきたいと考えております。それらを踏まえまして、区長のご判断を仰ぎ、それ以降の進め方に関する区の考え方を明らかにしてまいります。 ◆すがややすこ 委員 わかりました。  現庁舎の建物は故前川國男氏の作品ということで、建物としての価値も高いということが言われています。このような建物を保存すべきという意見、今中央郵便局とかでもいろいろ言われていますけれども、あれは何かちょっと変えたみたいですね、最近。それで、そういうこともありますので、建物を保存するべきという意見については、区としてどういうふうにお考えですか。 ◎原田 庁舎計画担当課長 区役所の第一庁舎、第二庁舎、それから区民会館は、建築家の前川國男氏の設計でありまして、保存すべきというご意見もあることは承知しておりますが、区の庁舎は、機能面や防災面など、八十四万自治体として全区的な視点で考えていく必要があると考えております。  現在、庁舎における課題や問題点を解決することでさらなる区民サービスの向上を図るとともに、庁舎が区民の安全安心を守り、さらに環境にも配慮されたものとなるように、引き続き区議会を初め審議会などでご議論をいただき、区といたしましても、幅広い視点で総合的に検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 わかりました。  特別委員会のほうでも申し上げたんですけれども、建物自体の価値ということについても区としてちょっと着目していただきたいなと思います。機能面で見ると、庁舎として使い勝手が悪いというのは皆さん周知のとおりだと思うんですけれども、とはいえ、いろいろ議論はあると思いますので、そういうことを含めて、今後議論をまた私もしていきたいというふうに思います。  次に、出張所関連についての質問に移ります。  先日、まちづくり出張所がまちづくりセンターということで名称変更されました。このときも、会派内もいろいろ議論ありましたし、この議会の中でもさまざま議論あります。この予算委員会でもいろいろ議論になっているところです。  過去の経緯を振り返りますと、平成十七年の出張所改革のときから、その機能ですね、例えば、拠点出張所とまちづくり出張所に客数、利用者数で分けることで、まちづくり出張所の機能が低下してしまうのではないかといったような議論がありまして、我が会派でもそういうような問題点を指摘させていただいたんですけれども、そもそも区民利用施設ということで、出張所ですとかまちづくりセンター、それ以外にも区民センター、地区会館とか集会所とか、何かすごくいろいろあるんですよ。あと、それ以外にも児童館とか図書館とか、そういうのを加えたらすごくいっぱいあると思うんですね。  ということで、パネルをきょうつくってきましたので、皆さんに見ていただきたいと思います。ちょっと小さいのでわかりにくいんですけれども、色分けでわかっていただけたらと思います。  まず、地区会館がブルーですね。それで、区民センターがピンクで、出張所が黄色で、まちづくりセンターが赤ということで、こういう感じで分布されているわけです。こう見ますと、何か規則性があるようにも思うんですが、その辺については、何か区のほうでいろいろ、法則ですね、区民センターはどこにあるとか、何カ所あるとか、そういったことが言えるのではないかと思います。  それで、これらの施設の機能を見てみますと、ふだんからよく利用している人たちは、地区会館はどういうことに使われるとか、そういうのがすごくよくわかると思うんですね。ただ、区民センターとか地区会館とか、そういうすべての機能を知っている区民の方ってどれくらいいるんだろうと考えたら、私もいまだに区別がつかない部分もありますし、一応世田谷区にずっとちっちゃいときから住んでいるんですけれども、まだ余り区別がつかない部分もあるというようなことで、なかなか理解している区民の方って少ないのではないかなというふうに思います。  そこで、これらの区民利用施設にすべて同じ機能を持たせてはどうでしょうかという質問なんですが、例えば、区民センターにも出張所機能を持たせるんですよ。まちづくりセンターにも区民センターの機能を持たせる、こういうことで、それぞれの施設が持つ特色をあわせることで、例えば区民センターには図書館とか児童館が大体ついているじゃないですか、だから、子どもが比較的多いんですよね、区民センターには。地区会館は年配の方たちのコミュニティーの活動の場となっているということで、その機能を一緒にすることで、子どもからお年寄りまでが一堂に集える場所になると思います。また、出張所機能を加えるということで、他区とか他市から転入されてきた方々が、こういう地域コミュニティーがあるんだなということも転入届を出すときにわかるというようなこともできるのではないかなと思います。これは、先ほども言いましたけれども、区長の言われているきずな、新たな地域でのきずなづくりにもつながるのではないかと思います。もちろん、地域特性というのがありますので、それも踏まえた上で、またある程度の統廃合とか、そういうことが発生するにしても、わかりやすい区民利用施設をつくっていくことができるのではないでしょうか。見解をお聞かせください。 ◎宮崎 政策企画課長 まず数を、今そちらのほうでブロックしていただいていますが、区民会館が五です。それから、区民センターが現在十二、地区会館と、これは敬老会館を含みますが四十七というような感じで、集会系施設のほうは、あと区民集会所等々もございます。  区内にそういう形で、集会機能のある施設として、それぞれ今申し上げたような施設を体系別に図ってきておりますけれども、例えば区民会館は地域に一カ所、それから区民センターは半径一キロごとに一カ所、それから地区会館は半径五百メートルごとに一カ所、それぞれそういう観点に立ちまして整備を進めてきております。  今お尋ねの、類似の施設がさまざまな形で設置されていることがわかりづらいというご指摘でございますけれども、これらの施設につきましては、この間の長年にわたり、地域に根づいて親しまれてきている経緯もございます。今後、今取り組んでおります公共施設整備方針に基づく取り組みの中におきましては、合築、それから複合化を行う際に、改めまして施設の設置目的の達成度を確認してきております。さらに、区民ニーズの将来需要等も見きわめる中で、他施設との機能統合等を含めて見直しを進めているところでございまして、そういう観点に立ちましても、利用者にとってわかりやすいコミュニティー施設の整備、こういうことが必要じゃないかと思いますし、今ご指摘の中に、多世代交流というお話もございましたが、これらも非常に重要な観点ではないかというふうには思っております。  それから、ご紹介の中に、まちづくりセンターにつきましても今お話ございましたけれども、これらも含めまして十分PRに努めていきたいというふうに考えております。 ◆すがややすこ 委員 わかりました。  今後の出張所関連につきましては、他会派からも、名前よりもソフトの問題だとか、中身の議論については今後いろいろされてくると思いますので、またその中で区のほうでご検討いただきたいと思います。  ということで、質問を中村委員と交代いたします。 ◆中村公太朗 委員 まず、今年度、そして来年度以降の予算の見通しについて、その対応について、代表質問に引き続いて質問なので、確認をさせていただきたいと思います。  今年度は、先ほどもありましたが、特別区交付金が大幅減額をするものの、住民税は来年度にかかってくるということで、トータルでは昨年度に比べて増額、一般予算も増額をされている。しかし、来年度以降は、二十二年度は、特別区交付金は今回減額をされたまま横ばいで、住民税は十一億円の減額が見込まれている。よっぽどのことがない限り、来年度の予算は縮小をするという中で、今年度、一体来年度に向けてどういう対応をとられているのかという質問を代表質問でさせていただきました。  平谷副区長に再答弁までいただきましたが、その答弁を私なりに確認させてもらいますと、まずは、内部経費の削減の努力を来年度に向けてするんだ、その結果、足らなかった場合には、その予算の枠でサービスが必要なのかどうか、区民の声、または議会の議論を経て、削減するかしないかを検討していく、ただ、基金には財政規律を堅持していく、バランスを守っていくつもりでいる、つまり、基金を余り使わないということをおっしゃっているわけですけれども、つまり、来年度以降ほぼ確実に縮小する予算に向けて、二十一年度の段階では何ら手を打たないということで私は認識をしているんですが、よろしかったでしょうか。 ◎岩本 財政課長 今ご指摘いただきましたとおり、二十一年度当初予算案では、特別区交付金等の一般財源が大きく減少する中での予算編成となった、財政見通しにおきましては、二十二年度はさらに特別区税が約十一億円減少するという見込みを持っているということでございます。  このような中で、二十一年度予算案でございますけれども、二十一年度の予算から歳出削減に取り組むべきではなかったかといったようなご指摘でございますが、二十一年度予算編成におきましても、職員費の抑制など行財政改善の取り組みを進めまして、約十六億円の削減効果を生み出した、一方、基金と起債を適切に活用して、緊急総合経済対策を初め、子育て支援や世田谷福祉の充実など重点課題に取り組むこととしたものでございます。  二十二年度以降の対応でございますけれども、今後も適切な範囲での基金と起債の活用を図り、安全安心のまちづくりを初め、区の重点施策への取り組みを着実に進めるということでございますが、実施計画事業を中心に、行政評価の手法による点検、検証に取り組むということとしてございまして、今後とも区として実施、充実すべき区民サービスや各事業を見定め、また、今後の経済状況等を踏まえまして、適切な予算フレームについてさらに検証を進めたいということでございます。  今年度につきましても、定員削減等、内部努力による削減に取り組む一方で、適切な起債、基金の活用もさせていただいた、この基本的考えについては、二十二年度以降も同様に取り組んでいきたいということでございます。 ◆中村公太朗 委員 内部努力で経費を削減していくということは、景気にかかわらずやらなければいけない当たり前の問題ですし、そもそも、二十一年度、二十二年度、単純に目測だけでいけば十一億円違うわけですから、例えば、二十一年度予算でもともと計画に組み込まれていたとしても、そんなに急ぐことでないというものも多分あると思うんです。であれば、それを例えば五億円削って、来年度の予算に五億円つければ、今年度の予算は五億円減りますけれども、来年度分に五億円つけば、二十一年度、二十二年度は同じサービスを実行することが可能だ、少なからずそういった複数年度の区民サービスを意識した予算というものが必要なんじゃないのかなという視点で申し上げたんですが、内部経費を削減することは努力をしますよ、それはそのとおりですが、今あるものはこれだけやりました、来年度はまたそのときに考えますということであれば、減らされるサービスが一体どこになってくるのかということは、夏過ぎぐらいになってくるんでしょうけれども、大分議論を呼んでしまうのではないのかなと思いますから、ぜひ改めてその辺を強く認識していただきたいなと重ねて申し上げます。  それから、補助金の見直しについても代表で触れたんですが、今年度、補助金の要綱の整理を行い、区のホームページに掲載するというご答弁をいただきましたので、まずお伺いしますが、区のホームページに、数百ですか、千ぐらいあるんでしょうか、すべての補助金の要綱を載っけると膨大な作業になると思うんですが、いつぐらいまでにホームページに掲載される日程になっていますでしょうか。 ◎志賀 区政情報課長 要綱が区政運営上重要な手段となっておりますことから、区のホームページに掲載し、区民によりわかりやすく手軽に情報提供していくことは、区政の透明性を確保する観点からも大切なことと認識してございます。  要綱は現在千本を超えておりまして、その内容も、補助金の細目から行政指導の基準のほか、事務事業の実施細目など、実に多種多様でございます。掲載に当たりましては、新規事業や法令改正に伴う新規要綱の制定ですとか、あるいは改正の作業が必要になると同時に、既存の要綱につきましても、不備がないか確認しなければならないと考えてございます。また、全体の分類整理も必要になってくると考えてございます。  既に、部長会、課長会では庁内に通知してございますが、現在、要綱の新規の策定ですとか改正等の手続に所管課とともに着手したところでございます。その改正作業の後に入力作業等を行ってまいりますので、目途としては、本年度の下半期には掲載できるように準備を進めてまいります。
    ◆中村公太朗 委員 そうすると、下半期に掲載するまでに要綱の整理をされるということですから、急ピッチで進めなければいけないわけですけれども、前にも申し上げましたとおり、現在の補助金の要綱というのは、このご時世においてもなお、飲食に対しても転用可能な・・可能なですよ。飲食に使っていいなんていうことはどこにも書いてないんですが、可能な読み方をするという文章がまま見られるわけですが、この改定の機会にしっかりと、飲食禁止だということを明文化することはできないんでしょうか。 ◎岩本 財政課長 今要綱全体のホームページのアップについてご答弁申し上げまして、補助金の要綱につきましても、整理の進め方でございますけれども、補助対象とする事業内容や項目を明確にするということや、補助金の申請内容や実績報告をより具体的に確認できるように様式を見直すといったような視点から、要綱整理の基本的な考え方をまとめまして、これに基づき、各部で改めて要綱の点検を行ってもらえるように、二十一年度当初に庁内に周知を図りたいと考えてございます。  今飲食のご指摘をいただきましたが、前の決算のときにもご答弁申し上げましたけれども、飲食そのものは基本的には補助金の対象にならないというふうに認識してございます。ただ、一方、団体の運営にはさまざまな補助の形態がございまして、一律の整理が難しい面もあると考えてございます。しかしながら、今後、今申し上げたような要綱の規定の整理を進める中で、補助対象経費をより明確にするということが非常に重要と考えてございます。ご指摘の点も踏まえまして必要な対応をしていきたいというふうに考えてございます。 ◆中村公太朗 委員 じゃ、財政課長、もうちょっと突っ込みますが、運営補助ということですから、大きなお財布の中の一部を入れますよ、事業補助じゃなくて、明確にこれに使いなさいということじゃなくて、団体を応援する際の一部として使ってくれという補助が該当すると思うんですが、今のおっしゃり方ですと、まだそれぞれの団体に事情があるから、飲食を伴うようなことも許容する場合があるというようなご答弁だと思うんですが、具体的にそれはどこへの補助ですか。 ◎岩本 財政課長 今ご答弁申し上げたのは、いわゆる区の補助金につきましては、区の施策を補完する事業を実施している団体として、運営費の補助という形式をとっているものがあるということでございます。この運営費の補助につきましても、補助の交付決定であるとか実績、要綱の審査に当たっては、公益上の必要という趣旨に沿って厳密に審査を行っているというところでございます。  また、それぞれ公益的団体におきましては、その団体の規律において監査を行い、決算もされているといったような自立的な運営をされているという認識をしてございます。  区とそういった公益的団体との協働関係の中でこういった補助の確認もさせていただくという面で、いわゆる個々の事例という意味では、運営の包括的補助という性格があるので、一律な整理が難しいといった面でご答弁申し上げた内容でございます。 ◆中村公太朗 委員 独自に補助金を出している団体が監査をしていますからとか、それぞれとの協働の打ち合わせだったりとかはしっかり監視をしていますからということじゃなくて、しっかりと飲食だめですよとなぜ書けないのかが全く今のお話からはうかがえないんです。  例えば、今手元に資料ないんですけれども、民生委員に対する補助金だったと思うんですが、茶菓は五百円までとか、一日の昼飯代は千円までとか、たしか記載されていたと思うんですけれども、そう明文化されていればいいんだと思うんです。五百円だろうが千円だろうが、金額がそんなとっぴなものではありませんから、それはまだわかるんですけれども、そうじゃなくて、例えば終わった後にビールで打ち上げみたいなことが、明文化されない限りあるんじゃないかという憶測を呼んでしまうので、このタイミングなので、全部一律にそういったことを書いたほうがいいんじゃないか。すべてゼロというわけじゃなくて、民生委員さんのようにしっかりと金額まで明文化をしたほうがいいんじゃないかというふうに申し上げているんですが、最後にしますが、どうですか。 ◎岩本 財政課長 要綱の中では、今ご指摘いただきましたように、明確に規定をしている要綱もございます。先ほど来、補助対象の明確化と申し上げている意味では、そういった表現のほうがより明確になるという認識をしてございます。  ただ、申し上げておりますのは、補助の内容はさまざまであって、要綱の規定上ふさわしい表現として整理をさせていただきたいという趣旨で、一律の整理が難しいということで申し上げていますが、いずれにせよ、飲食そのものについては補助の対象にならない、また、補助対象については一層の明確化が必要ということで整理を進めさせていただければというふうに思っています。 ◆中村公太朗 委員 次に、メールマガジンについて伺うんですが、現在、メールマガジンの配信サービスは区内で何人登録していますでしょうか。 ◎福田 広報広聴課長 メールマガジンの配信サービスにつきましては、平成十九年の七月から行ってございますけれども、二月末、現段階で約千名の方が登録してございます。 ◆中村公太朗 委員 たった千人なわけですから、これを拡大していかなければいけないという問題意識は持っていらっしゃると思うんですね、せっかくこのシステムつくっているわけですから。ただ、依然として広がっていかない。  今度、ごみの収集ですか、も携帯とかでもやるようになるということですが、地域コミュニティーの広がりという点を考えた場合に、今地域の活動に参加されている方々が便利になるということは必要だと思うんですが、広がりということを考えると、今後、今かかわってない人たちを対象にした方法を考えていかなければいけないんじゃないかなと思っているんです。そうすると、ぱっと浮かぶのは、サラリーマンとか子育てをされている若い世代の人たちだと思うんですが、その人たちが一体何を一番ツールとして使うかといえば、やっぱり携帯だと思うんですよね。  それで、今回のごみの情報も携帯を使うんですが、東京二十三区における各行政の情報のメールマガジン、携帯で発信をしている一覧を見ると、やってないところもあります。二十三区のうち七区、やっていません。ただ、特に足立区なんかは八種類、これは種類が多ければいいという話じゃないですけれども、さまざまな分野に分けた情報を区民に提供しているんです。  僕は、区の情報を携帯で受け取る、システム自体が知られてないということもあると思うんですが、なぜなかなか伸びがないのかなと思って自分で考えてみると、情報が欲しい人というのは限定した情報が欲しいんだと思うんです。何でもかんでも送られてきて、その中から自分で取捨選択をして見ていくということは、これからの時代にはなかなか合ってこないんじゃないのかなと思うわけです。  これは提案なんですが、例えば地域の情報にしても、今世田谷区は、催し物情報といって、比較的大きい催し物の情報を抽出して送っているわけですけれども、最初に、この地域の情報が欲しいだとか、例えば子育ての情報が欲しいだとか、ごみの情報が欲しいだとか、防災、防犯だとか、自分でチェックをして、それで検索をかけて、自動的にその情報だけが自分に入ってくるというようなことにしていけば、本当に欲しい情報が携帯に入ってきて、携帯ですからいつでも見れますし、そこを入り口として地域につながっていくというツールになり得るんじゃないのかな。ただ単に区の情報を携帯で発信していますよというだけだと、要る情報、要らない情報、区はすごい情報量ですから、ホームページ見るだけでも、なかなか自分の目的の情報までたどり着くのも一苦労だということもありますから、自分が選択をして、その抽出した情報だけが定期的に入ってくるようなシステムを今後つくっていく必要があるんじゃないのかなと思うんですが、いかがですか。 ◎福田 広報広聴課長 委員ご指摘のとおり、携帯電話につきましては、身近な情報機器としまして、若い人初め、大分利用されてございます。  そもそもメールマガジンそのもの自体が、利用者にとってそこに情報が届いたときに意味ある情報、こういうことによって活用されてくるもの、こういうものと考えてございます。  今世田谷区のメールマガジンにつきましては、第二世代携帯電話、実は一代古いんですけれども、送れる文字数が約二百五十文字ぐらいを前提として今情報を提示してございます。ただ、最近の携帯電話につきましては、第三世代と言われまして、約五千文字ぐらい情報を送れるような時代になってきてございます。こうした中で、携帯電話について、今委員ご提案ございましたけれども、地域や世代に限定した地域情報、こうしたものを提供していくこと、こういうものにつきましては、今後検討としてできるものであると考えてございます。  今後、今ごみの問題につきまして、新たに収集日の形の中で送らせていただきましたけれども、千件がそうしたことをやることによってふえてきた、こういう推移を見定めながら、メールマガジンの配信サービス、こうしたもののメニュー、または使い勝手のことについても、他自治体等を参考にしながら研究を進めてまいりたいと思います。 ◆中村公太朗 委員 ぜひ進めていただいて、八十四万人が登録をするようなメール配信サービスにしていただきたいと思います。  それから、この間、きのうからもずっと出ていますが、退職職員の行方について、代表でも私、触れました。総務部長からもお答えいただきました。この五年間で幹部退職者が三十六名いて、外郭団体、区が補助金を出している団体、合計すると二十九名、八〇・六%がほかのところに再就職をしている職員の割合だということでありますが、まず、退職者が例えばその年に十名いました、外郭団体その他団体の空きポストが例えば八個でしたといったときに、残り二名というのは、今再就職する希望を持っている方というのはどういった対応をとられているんですかね。 ◎宮内 人事課長 委員ご質問の趣旨は、外郭団体に行かないOBはどういう状況になるのかということだと思うんですが、ご指摘のように、この五年間で三十六名の幹部職員が退職いたしまして、二十六名が外郭団体に行っております。それで、それ以外、補助金の出ている団体が三名ということで、合わせて二十九名ということで八〇%ですか、ということなんですが、この間、三十六名のうち、ご指摘のように八割くらいの幹部OBが外郭団体等に就職しているわけなんですが、それ以外のOBにつきましては、まず、外郭団体に就職しない場合、区の非常勤職員、いわゆる区政専門嘱託員という形で、各総合支所に相談員という形でいらっしゃる、そういった形で区の内部で活用していただいている方、それから民間に行っている方ですとか、あるいは再就職は一切してない、そういった状況でございます。 ◆中村公太朗 委員 余り時間がないので飛ばしていきますが、これまでの話で、国の国家公務員の天下りとか渡りとかとは違うんですよという議論も出てきています。確かに、お給料の面でいえば現役時代の四割強だという答弁もありましたし、役職を変えるごとに退職金が支給されるわけじゃないというようなこともありました。ただ、税金を使っているところに区の職員として退職されてからも行くということであれば、それがいい悪いは区民が判断をすべきものだと思いますが、こういったものが出ている以上、情報というのは出していかなければいけない。その判断は改めて出てきた情報の中から考えるべきだということで、今回、代表に引き続いて質問しているわけです。  さっきの話だと、外郭に再就職を希望しますよというふうに手を挙げたら外郭に行きますよ、外郭のポストよりも若干多かった場合には、いずれにしても区の再任用のほうで一〇〇%職が与えられるよということだと思うんですが、それ自体も、これだけ就職難の中で、どの程度いいか悪いかという議論も出てくると思いますし、特に渡りという話で、渡りじゃないんだよということもあるんですけれども、区の方は、区の豊富な経験を有効活用するんだということをおっしゃいますが、ここにこの五年間の退職された方の行かれた役職名と、その後の、その年にどの職からどの職に異動したというところがあるんですけれども、例えば代表的な例でいうと、平成十七年に社会福祉協議会の施設管理部長だった人は、シルバー人材センター事務局長に行っているんですが、十八年に人材センターの事務局長から世田谷文学館の副館長に一年で異動していまして、さらに翌年、その文学館の副館長さんは社会福祉事業団の新樹苑の園長さんになられている。その次の年に、その人は別に異動されてないんですが、新たに区で退職をされた方が新樹苑の園長さんになられているということなので、前の方は結局、新樹苑の園長さんも一年でやめられているわけですが、一年でやめられているということが、果たして区で得てきた経験をどれだけその団体に活用できたということなのか、すごく私は違和感を感じて疑問なんですが、その辺は一年でも効果があると思いますか。 ◎宮内 人事課長 昨日もご答弁させていただいたと思いますけれども、外郭団体にOBが再就職するプロセスというのは、あくまでも、外郭団体のほうから区長に対してこういう人材が欲しいという要望がありまして、それを踏まえて総合的に判断して推薦しているというまず前提がございます。  そういった前提の中で、ただいまご指摘のような点につきましても、各団体によりまして退職状況が異なります。世田谷区には、ご案内のとおり十三の外郭団体がございますが、文化芸術、産業振興、社会福祉あるいはスポーツ振興などといったような、その業務は非常に広くなっております。そういった中で各団体の需要に応じて推薦している。例外的にはこういうことも生じるかなというふうに考えております。 ◆中村公太朗 委員 確かに、行った団体の判断だと言われてしまえばそうなんでしょうけれども、ただ、行った人が課長か部長かで金額が変わってくるというような議論もありましたし、こうして一年でかわっていって一体何ができるんだと考えれば、少なくとも団体側は、名誉職だったりだとか、たらい回しをしているんではないのかなと、私はこのデータを見てそう感じるので、時間ありませんけれども、今後こうしたことが行われるのかどうかわかりませんが、強く監視をしていきたいなと思います。  済みません、しりすぼみになりましたが、これで民主党の質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で民主党・無所属連合の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆桜井稔 委員 まず、世田谷区が民間と結ぶ契約、公契約の問題について伺います。  今働く貧困層が社会問題化しております。痛みに耐えればあすはよくなると言って進めた小泉構造改革、しかし、よくなるどころか、生きていけないと悲鳴が上がるほどの貧困と格差を広げ、惨たんたる状況に国民を追い込んだのが小泉改革でした。労働者派遣法の改悪で派遣労働を原則自由化し、派遣という形で使い捨て労働の増加に拍車をかけました。景気のいいときには正社員を派遣や期間工に置きかえて大もうけをして、景気が悪化したら物のように使い捨てる、この大企業の横暴勝手を容易にする仕組みをつくったのが労働の構造改革であり、今日の事態はまさに政治災害そのものであります。  貧困と格差が広がる中で、年収二百万円以下のワーキングプアと言われる労働者が一千万人を超えております。世田谷区でもこの間、公務員を減らし、非常勤・臨時職員をふやし、低賃金の労働者をふやしている官製ワーキングプアを広げております。  では、区が民間と結ぶ公契約ではどうか。公契約では、公共工事だけでなくて、業務の委託、物品購入などあります。住民の福祉の増進という地方自治の本旨に立って、公契約の上での事業でも、そこで働く労働者の賃金や労働条件が確保されなければなりません。しかし実態は、ここでも低賃金の労働者をふやす官製ワーキングプアを広げているのではないでしょうか。  具体的に、来年度からの区の区役所本庁舎の清掃業務委託について伺います。  来年度からの清掃業務の入札経過調書はどうなっているでしょうか。まず伺います。 ◎岡田 経理課長 世田谷区本庁舎清掃等業務委託長期継続契約ということで、契約が平成二十一年から二十三年の二カ年二カ月ということですが、入札の結果、落札した業者の契約金額は八千九百六十二万八千円でございます。その他、この落札業者含めて十社ほどが応札をしております。 ◆桜井稔 委員 今言われましたのは、契約金額八千九百六十二万八千円、これは二年分ですよね。一年に直しますと、大体四千三百万円前後であります。今年度行われている清掃業務ですけれども、このときは二年前に業者が決まっているんですけれども、そのときの入札はどうなっていますか。 ◎岡田 経理課長 平成十八年の四月から平成十九年の三月までということで、同様十社が参加いたしまして、契約金額は八千六百五十六万二千円となってございます。 ◆桜井稔 委員 今のは一年間の入札だけで八千六百五十六万二千円ということでありまして、先ほどのものは二年間で八千九百六十二万八千円、来年度からね。そうすると、これまでの、一年間で八千六百万円でやっていたのが、来年度はその半分の四千三百万円程度で行うということでありますけれども、これで清掃業務の品質の確保はできるのでしょうか、伺います。 ◎岡田 経理課長 今回、仕様を示しまして、その内容に従いまして応札をしてきた結果でございます。この仕様に従いましてきちんとした履行がされるものというふうに考えておりまして、私どものほうとしましては、契約締結後も随時に監督を行いまして、適切な履行の確保をしていかなければいけない。そういうことで、区と受託者が取り交わす契約書にもその旨を記載して明確にしているところでございます。 ◆桜井稔 委員 今までが八千六百万円でやっていて、今度は四千三百万円、半分近くで行うということであります。安ければ安いほうがいいということではありませんが、この金額に歯どめをかける、契約事務規則では最低制限価格の決定というのがあります。契約事務規則の第三十条では、最低制限価格を設ける場合は、予定価格の十分の八から三分の二の範囲内において、工事または製造その他の請負の予定価格を構成する材料費、労務費、諸経費の割合その他条件を考慮して適正に定めなければならないというふうになっておりまして、そして、その予定価格の決定は、予定価格は、契約の目的となる物件、役務について、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短を考慮して適正に定めなければならないと言っております。今回のこの清掃業務は競争入札でやられていますけれども、これは予定価格はあったんですか、なかったんですか。 ◎岡田 経理課長 通常、入札をいたしますときには、必ず予定価格を定めまして、その範囲内で入札をされた方を落札の対象とする、こういうことにしてございます ◆桜井稔 委員 具体的には、この予定価格というのはどうやって出して、それで公表はしているんでしょうか。 ◎岡田 経理課長 予定価格の定め方でございますが、通常、工事の請負ですと、それぞれ区のほうで積算をするわけですが、こういった委託事業の場合は、複数事業者からの見積もりを参考に、総合的に区のほうで勘案して定めてございます。  それから、公表しているかどうかということでございますけれども、一般的に予定価格については公表してございません。ただし、工事請負契約につきましては、設計価格などを探る不正行為を防止する、入札の透明性を向上させるという趣旨から、入札制度運用の改善といたしまして、予定価格二千万円以上のものは事前公表をするという運用をしているところでございます。 ◆桜井稔 委員 先ほど、数社から見積もりをとって予定価格を出しているということであります。それで、予定価格を出していて、最低制限価格の決定をしないんですか。なぜしないんでしょうかということですね。 ◎岡田 経理課長 最低制限価格の設定についてのお尋ねだと思いますが、最低制限価格、工事請負契約につきましては設定をしてございます。工事請負のように、原価を下回るような入札価格によって、その成果の品質に重大な影響が懸念され、場合によってはその完成すら危ぶまれるというようなものについては、発注者のリスク回避という観点から、最低制限価格を設けてございます。  一方、今ご指摘の清掃など役務提供型の業務につきましては、価格と品質の因果関係については必ずしも明確なものはございません。合理的な水準を設定するためには課題が多くありまして、最低制限価格の適用については慎重に検討すべき課題であるというふうに考えております。 ◆桜井稔 委員 先ほど読み上げましたけれども、契約事務規則の三十条が改正されておりまして、さっき言いましたけれども、工事または製造その他の請負の予定価格を構成する材料費、労務費、諸経費の割合その他の条件を考慮してというふうに言いましたように、これはその他の請負に入るわけですよね、この清掃業務。そして、なおかつ、予定価格のことでも言いましたけれども、数社から見積もりをとって、一応予定価格は考えておりますということを言いましたが、しかし最低制限価格は設けません、これはちょっと、契約事務から見ても、予定価格は自分たちでつくっておきながら、しかし最低制限価格は設定しないというのはちょっとおかしいんではないんでしょうか。 ◎岡田 経理課長 先ほどご答弁申し上げたとおりでございまして、清掃など役務提供型の業務では、最低制限価格を設けるための合理的な水準を設定するというのがなかなか課題が多い、慎重に対応すべきというふうに考えているところです。 ◆桜井稔 委員 でも、先ほど言ったように、予定価格自身はちゃんと自分たちで持っているということを言いましたよね。それで、予定価格があれば、契約事務規則の三十条では、その予定価格の十分の八から三分の二の範囲内において適切に定めなければならないという最低制限価格の規定が出てくるわけですよね。しかし、それは設定しない。では、予定価格というのは一体何のために出したんですか。 ◎岡田 経理課長 区として、そもそも法令上、予定価格を定め、その範囲内で落札するということが定められておりますので、定めているところです。 ◆桜井稔 委員 ですから、先ほど最初に具体的に言いました。今までは八千六百万円で受けていたのが、来年度はその半分で実際に落札された。しかし、これは最低制限価格の決定がないから、半分でもいいですよということで区はこれを落札としました。もし最低制限価格がひっかかったら、これは落札できませんよね、具体的に。どうですか。 ◎岡田 経理課長 工事請負契約におきましては最低制限価格を設けておりますが、最低制限価格を下回った場合には失格ということになってございます。 ◆桜井稔 委員 ですから、これは、先ほども言いましたように、工事または製造その他の請負の予定価格ということで、新たに「その他の請負」と入れたんですよね、改正で。そこに当たるわけで、言われるように、もし最低制限価格が決定されていると、これは落札できないんですよ。と思います。  具体的に次に進みます。  実際そこで、今の金額、一年間で八千六百万円での業務をしている方の賃金、労働条件についてですけれども、このことについては区は全く知りませんか。 ◎岡田 経理課長 受託している相手方の事業者さんがどのような賃金を支払われているか、それについては私どもが存じ上げる対象ではない。ただし、新たな契約先につきましては、私どもが調べる限り、募集広告を見ますと、時給九百円以上を支払う意思があるというふうに考えております。 ◆桜井稔 委員 新たなところの募集金額、時給金額を調べてくれたというのはすごく大切だと思うんですけれども、私、具体的に聞いているんですが、十六年間のベテランの方が、給与明細を見ますと、昨年の十月までは時給八百五十円でしたが、新しい人を募集するということで九百円にするということで、なぜ低いんだという苦情が出て、十一月から九百円に上がったそうであります。それで、七時間勤務でありまして、時間外も加えて一日六千三百円で、さらに社会保険料とか税金が引かれて、手取りが十三万円そこそこということでありまして、十三万円では生活できない、娘さんと今一緒に暮らしているから何とかやっていけると言っておりました。これはそこの企業の、実際落札では八千六百万円で受けて、働いている方にはこういう賃金を出しているということでありますが、大変低いというか、ぎりぎりの生活のような状況であります。  それでなおかつ、もう一つ言いますと、それまで朝の七時から夕方四時まで働いてきて・・働いているというか拘束されているんですが、中の二時間は時間外だということで七時間なんですね。朝の七時から四時までは九時間なんですが、二時間だけは勤務時間に入りませんよということで、七時間の勤務だそうであります。こうやって給料自身が減らされているということも言っておりました。  それで、この状況でありながら、来年度から受けた業者の清掃業務は、さらに今の半分の金額でそれをやろうということでありますと、これではそこでの人員削減による労働強化か、労働者の賃金削減になる可能性が大変高いのではないか、これが世田谷区が実際公契約としてやっているものであります。  それで、もうちょっと聞きますけれども、先ほど、区が公共工事の場合の予定価格では公共工事の設計労務単価の積み上げをしていると言いましたが、それでよろしいんですね。それをちょっと確認します。 ◎岡田 経理課長 そのとおりでございます。 ◆桜井稔 委員 公共工事の設計労務単価は、毎年、農林水産省と国土交通省の二省協定の単価ということで出しておりまして、なぜ労務単価を出しているのか、この辺わかりますかね、国がなぜそういう労務単価を発表しているか。 ◎岡田 経理課長 一般的に、工事請負契約を発注するに際して積算の参考にしているということだと思います。 ◆桜井稔 委員 これは実際の取引の実例価格を考慮して適正に定めているということで、毎年調査をして出しております。それで、そういう所管する公共事業の実際働いている労働者の賃金を調べているということであります。  それで私、改めてこの公共工事の設計労務単価という中で幾つか見てみました。もちろん、各業種や県や、それによって単価が違っております。それで、似たようなのがあるんですね。軽作業員の作業というのは、軽易な清掃または後片づけ及び散水などということになっておりまして、清掃業務のような似たようなのがあるんです、こういう労務単価が。この軽作業員の東京都の労務単価というのはお幾らになるんですか、わかりますかね、わからないですかね。 ◎岡田 経理課長 申しわけございません、ただいま持ち合わせておりません。 ◆桜井稔 委員 これは一日八時間当たり一万七百円、時間に直しますと千三百三十七円ということであります。これは、先ほど言いました、区が業務委託をしている清掃労働者の賃金が時給九百円と比べますと、千三百三十七円ですから大変高くて、これを七時間の労働時間に直しますと九千三百六十二円、そうすると、大体毎月十八万円ぐらいの手取りになる、五万円アップであります。これが実際の公共工事をする場合の、区が参考にして労務単価で予定価格を出すときの金額であります。これは、同じような業種、清掃ということで見ましたけれども、これが、そうすると今のよりも五万円も毎月上がるということであります。  ですから、私が言いたいのは、公共工事の設計労務単価をして公共工事では予定価格を出している、しかし、先ほど言いました清掃業務は、予定価格を考えているけれども、最低制限価格さえもかけないで、安ければ安いほどいいということで安値受注をしているということではないんですか。今大事なのは、そういう公契約でも、労働者の生活できる賃金を確保するということに注目した施策を区は考えるべきであります。その辺はどうでしょう。 ◎岡田 経理課長 労働条件の確保ということでございますけれども、この目的を達成するためには、何らかの方法で受注企業が遵守すべき労働条件を明らかにしなければなりませんけれども、これにつきましては、憲法において、賃金、就業時間、休息その他の労働条件に関する基準は法律でこれを定めるとしておりまして、この規定を受けまして労働基準法や最低賃金法が定められているということで、労働条件につきましては、これら現行法体系の中で確保されるべきものでございます。区としては、諸契約を律する契約自由の原則を前提に、契約事務の中で適正な手続を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆桜井稔 委員 国の動きでも、また他の市の動きの中でも、こういう公契約の場における労働者の賃金確保、生活できる賃金の確保ということが今問われております。  例えば、公共工事の品質確保の促進に関する法律というのが、これはちょっと古いですが、平成十二年ですからね、そのときの参議院での附帯決議に、「地域の雇用と経済を支える優良な中小・中堅建設業者の受注機会が確保されるよう配慮するとともに、建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるよう努めること。」ということが述べられております。  さらに、国分寺では、今行っておりますが、国分寺市の調達に関する基本指針という中では、市は、調達する事業において、適正な労働条件や賃金水準が確保される必要があるため、それらの実施状況を把握できる環境の整備を図るものとする、そして、市の調達にかかわる者は、常に労働関係法令を遵守することはもとより、適正な労働条件及び賃金水準を確保するよう努めるものとすると。  先ほど他の会派から出ました日野市の総合評価方式の導入の目的のところでは、過度な価格競争による入札は、工事の品質低下をもたらし、ひいては、市民生活や、補修・修繕費の増加により、長期的には財政面での影響を及ぼすことが懸念される、価格競争の激化による低入札価格によるダンピング受注が、公共工事に従事する建設労働者の低賃金、不安定雇用などの労働条件の悪化を招いているとの指摘がある、新制度の中では、建設労働者の賃金等労働条件確保に向けた企業の取り組みも評価の対象としたということで、そういう働く労働者の賃金の確保がこういうところでも、市の側でもそれに注目した施策というのがやられているわけですが、この辺は世田谷区はどう考えていらっしゃるんでしょうかね。 ◎岡田 経理課長 受注企業における労働者の労働条件でございますけれども、これは使用者と被用者の間で決定されるべきものでありまして、先ほどもご答弁申し上げましたが、労働基準法等、関連の法令に従って対応されるべきものというふうに考えております。  契約の当事者として、契約の相手方に対しまして一定の労働条件の確保を義務づけるなどのことにつきましては、契約自由の原則に照らしまして不公正な取引方法とみなされる可能性もあり、困難であるという認識でおります。 ◆桜井稔 委員 国のさっきの附帯決議も、また国分寺や日野市の動きも、契約自由ということではなくて、そこに働く・・働くというか、市が契約する中では、労働者の賃金や労働条件の確保ということを考えた第一歩の施策が始まっているわけですよね。  いつまでも、先ほど言いました、最初に戻りますけれども、区が、清掃業務でも半額の、安ければ安いほどいいということで、半額の値段で落札したからやってください、しかし、そこで働く労働者にとっては、今でさえも大変なのに、さらに労働強化や賃金削減という方向に向かうようなことを区が契約として行っていいのかということが今問われているんじゃないかと思います。  それで、最初に官製ワーキングプアということを言いましたけれども、臨時職員や非常勤職員だけではなくて、こういう公契約の中でも官製ワーキングプアを広げさせないということが今必要ではないかと思います。  それで、我が党は、今こういう年収二百万円以下のワーキングプアが一千万人を超えるという中で、労働者がまともな生活ができるようにするためにも、最低賃金の引き上げが必要、全国一律の最低賃金制度をつくって、時給千円以上に引き上げることを求めます。そのためにも、まず公契約の場で働く労働者の賃金を引き上げることが最優先だということを申し上げて、次の質問に行きます。  次は、来年度の二〇〇九年度の予算について伺います。  二〇〇九年度の予算の款別の歳入予算額、歳出予算額の大まかな特徴についてまず伺います。いかがでしょうか。 ◎岩本 財政課長 款別、二一年度予算の歳入歳出の特徴というお尋ねでございます。  歳入につきましては、この間申し上げてございますように、特別区交付金が大幅な急激な落ち込みとなったということ、また、利子割また配当割交付金等の各種交付金も景気の影響により大きく減少する見込みということで、一般財源については四十五億円余りの減となっているという状況でございます。  一方、特定財源でございますけれども、国庫支出金、都支出金等につきましては、各種事業補助等、事業費に応じて増額を見込んでいるというものでございます。内訳としましては、障害者福祉サービス等に係る負担金であるとか、密集住宅市街地の整備促進事業といったものに対する国庫支出金等の増によるものでございます。また、特定財源の中では、いわゆる基金からの繰り入れ、都市整備基金、みどりトラスト基金等の繰り入れも含めまして、約百八億円といった特定財源のほうの増となっているものでございます。  また一方、歳出のほうでございますけれども、人件費につきましては、この間の定員適正化等の取り組みで一・一%の減、投資的経費については、〇・五%、約二億三千万円ほど、まずほぼ横ばいという状況でございます。行政運営費につきましては、障害者自立支援給付、また私立保育園運営、また地域密着サービス拠点整備助成といったようなもので六十六億円余り、約四・七%余りの増加といったような状況でございます。 ◆桜井稔 委員 私、款別の大きな歳入歳出の予算額と言ったので、そういう細かいところはいいんですが。  これを見ますと、歳入は、景気後退によって特別区交付金が七十五億円の減、書いてありますとおりですね。それで、普通は、景気後退で収入が減っているわけですから、普通の家庭だったら、収入が減れば支出を減らすというのが当然の考えではないかと思います。しかし、今回の予算は、支出が何と六十二億九千九百万円ふえているわけですね。そのために基金を取り崩して、また新たな借金、特別区債を発行して賄っているわけですよ。これが大きな特徴ですね。どうでしょう。 ◎岩本 財政課長 先ほど申し上げた内容でございまして、広く実施すべき事業について充当させていただいたということでございます。 ◆桜井稔 委員 それで、支出で大きく目立っているものは何かということを伺いたいんです。六十二億円の支出増です。具体的に大きく膨らんでいるのは、ここに書いてある土木費四十六億円増、これはふえている分の約七割近いのを占めております。  具体的に土木費の中身を伺います。これはここに書いてあるとおりでありますが、公園用地買収で十七億三千万円増、都市計画道路の用地取得で十六億四千万円増。それで、二子玉川東地区市街地再開発で五億五千万円増と、増の金額が書いてありますね、ここに。二子玉川再開発はわかるんですが、五億五千九百万円増というのは、公園用地買収十七億三千四百万円増と書いてあるのは、この具体的中身は何ですか。 ◎岩本 財政課長 主に、仮称でございますが、二子玉川公園に係る経費でございます。 ◆桜井稔 委員 次に、都市計画道路十六億四千二百万円増、この具体的中身はどうなんですか。 ◎岩本 財政課長 主に補助一二五号、多摩堤通りでございますが、そういったものの用地取得費等でございます。
    ◆桜井稔 委員 結局、支出でふえた分の多くは、この二子玉川再開発の関連でふえているということであります。  それで、次に伺いますけれども、ちょっと戻りますが、歳入で、先ほど言いましたように、基金取り崩して、また新たな借金、特別区債を発行して収入を何とか確保したということを言いましたが、この基金取り崩しと特別区債発行の中身についても伺います。基金取り崩しの中身は一体何でしょうか。 ◎岩本 財政課長 基金につきましては、特定財源としましては、都市整備基金が約三十億円、みどりトラスト基金が約二十億円、義務教育施設整備基金が十億円といった内容でございます。 ◆桜井稔 委員 特別区債発行の中身は具体的には何ですか。 ◎岩本 財政課長 公園用地買収事業として三十億二千五百万円、また、市街地再開発事業に充当するという目的で十億円という内容でございます。 ◆桜井稔 委員 これが、今言ったことが予算の大きな特徴だと思うんですけれども、先ほども言いましたが、景気後退で収入は減っている、これは普通だったらば、普通の家庭なら、減っていれば支出を抑えるというのが当たり前の考えですが、しかし、区のこの予算は、収入が減っても支出はふやしましょう、その多くは、二子玉川再開発を進めるために、新たな借金と基金取り崩しを行っているというのが特徴であります。  もう一つ言えば、景気がよくて収入がふえているときには、区民のために使うのではなくて、区民の切実な福祉を切り捨てたり出張所の窓口を廃止したり保育料値上げなどをして、負担をして基金をため込んでまいりましたが、ここに来て二子玉川再開発のために基金を取り崩し始めました。今回の来年度の予算は、この間、熊本区政が進めてきた、福祉や暮らしを切り捨てて開発優先するということを批判してきましたが、それがいよいよ露骨な形であらわれてきたという予算と思われます。  ですから、私、本当に多くの区民から見ても、こういう、今景気が大変だ、町の業者はそう思っていますよ、本当に大変だ、何とかしてほしいと思っていながら、区は、そういう景気後退で収入が減っていながら、大きな再開発のためには貯金取り崩して、さらに借金をしてやろうという、余りにも区民の常識からしても考えられないようなことを今進めようとしているわけでありまして、本当にこれは変えていくべきではないかなというふうに強く思います。それを伺いまして、次の質問に移ります。答えはいいです。 ○菅沼つとむ 委員長 桜井委員、伺うんですか。 ◆桜井稔 委員 いや、いいです、伺いません。いいです、伺っていません。伺っても答弁は同じですから、いいです。  最後に、投票所の問題について一つだけ伺います。  今政界では、民主党の小沢代表の公設秘書の逮捕で、政局は極めて流動的で不安定な局面にあります。解散総選挙は四月ないし五月に行われる可能性も出てきておりまして、遅くとも九月までには総選挙が行われます。さらに、七月十二日には都議会議員選挙があります。こういう政治に対する国民の関心が高まってきて、選挙というものはまさに主権者国民が政治を決めていく決定的な場でありまして、その選挙の投票を困難なく行えるようにするのが選挙管理委員会の仕事だと思います。  この間、区の投票所の数もふえてきていると聞きますが、投票区域や投票所はどうやって決めているのか、また、その規定はあるのかどうか、伺います。 ◎工藤 選挙管理委員会事務局長 投票区域につきましては、公職選挙法の第十七条の規定によりまして、原則、区市町村の区域となっておりまして、必要があると認めるときは、当該選挙管理委員会が区市町村の区域を分けて数投票区を設けることができるということになっております。また、各投票区における投票所の設置につきましては、公職選挙法第三十九条の規定により、当該選挙管理委員会が指定することとなってございます。  世田谷区選挙管理委員会では、投票区域、投票所の設置や変更に当たりましては、特に要綱等はありませんが、一投票区の有権者数を一万人程度に抑えること、それから投票所までの距離は極力短くすること、有権者の生活圏を考慮して選定すること、町丁名をなるべく分断しないこと、幹線道路などをなるべく横断しないこと、バリアフリーや投票所として使用可能な一定規模の施設があることなどを考慮しながら協議し、決定してきております。 ◆桜井稔 委員 ここで具体的に聞きます。  野沢三丁目、下馬六丁目で、投票区域は投票区域図で八十三番でありますが、この投票所は中丸小学校であります。ここはこの区域の端でありまして、この区域は縦に細長い区域であります。それで、その端に投票所が、中丸小学校があるんですが、下馬六丁目の方々は一キロ近くもあって、さらにまた、投票所が丘の上というか高いところにあるわけですね。そのために、歩いていくのが大変だという声があります。  具体的に聞きます。この地域のエリアの真ん中近くにあります下馬南地区会館で投票はできないかという声が上がっておりますが、その辺はいかかでしょうか。 ◎工藤 選挙管理委員会事務局長 投票所は投票区域のほぼ中心に位置していることが理想ではありますが、投票区域の中心部分に投票に適した施設を確保することは、投票区域の数が多くなりますとなかなか難しいのが現状となっております。  ただいまご指摘いただきました下馬南地区会館につきましては、会議室の出入り口が一カ所しかなく、かつ出入り口の幅が約一メートル十五センチ程度しかないという状況の中で、選挙人がスムーズに出入りすることができないという状況でありまして、選挙管理委員会事務局といたしましては、投票所として選定することは適当でないというふうに考えております。 ◆桜井稔 委員 ここは、この地区会館自身は高齢者の方々が大変よく使っておりまして、車いす対応のバリアフリーになっているわけですね。坂になっているわけです、入り口からずっと。坂になって入れるようになっています。  それで、言われましたように、確かに入り口は一カ所で・・まあ、車いすは通れますからね。そうなっていますけれども、場所的にはちょうど、六丁目の皆さん来れば本当に近い。端っこの中丸小学校まで行かなくて済むんだということを言っておりますので、今後、今高齢化社会と言われる中で、ますますこういう選挙の問題での機会を本当に拡大するためにも、やりやすくするためにも、ここの地区会館の検討などをしていただきたいということを述べまして、私の質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆山木きょう子 委員 今他会派からもありまして、午前中もありましたけれども、私からも基金の活用について何点か伺わせていただきます。  二月十六日の朝日新聞によると、昨年十月から十二月期の実質経済成長率は、年率換算でマイナス一二・七%と、米欧と比べても、主要国では日本は最も急激な落ち込みでした。将来にわたる財政支出が予測される一方で、景気回復は当分望めません。  こうしたことから、区の二十一年度予算編成の考え方についても、今後、社会保障関連経費や公共施設の改築など財政需要が見込まれる中で、計画的な財政運営のもとで経済状況等の変動に耐え得る財政基盤を確保することとしています。  予算編成については、代表質問でも伺いましたが、二十一年度予算案では、基金からの繰入金が二十年度の四十二億四千七百万円から約倍となり、八十四億円余りとなっています。その内訳を見ると、都市整備基金から三十億円、みどりトラスト基金から二十億円、義務教育施設整備基金から十億円繰り入れるほか、減債基金や財調から合わせて二十二億円余り繰り入れています。一方、三カ年の財政見通しを見ると、二十二年度は八十一億円、二十三年度には五十二億円の計画となっています。これらの繰り入れは区の事業計画と歳入状況を踏まえてのものだというふうに思いますけれども、財政計画における基金の繰り入れの考え方、どのような事業計画に基づいてどの基金を繰り入れようとしているのか、お伺いいたします。 ◎岩本 財政課長 三カ年の財政見通しにおきましては、特別区税であるとか特別区交付金などの歳入見通しとともに、実施計画などの歳出事業費の見込みを反映しているというものでございます。特に財政負担が大きな大規模事業の実施に当たりましては、財政負担の平準化を図り、計画的に事業を進めていく必要があるということで、起債、今ご指摘の基金の一定の活用を予定しているところでございます。  お尋ねの基金繰り入れの具体的な内容でございますけれども、いわゆる特定目的基金につきまして、二十二年、二十三年度におきましても、二子玉川東地区市街地再開発事業であるとか、都市計画道路、主要生活道路の用地取得のために、まず都市整備基金からの繰り入れ、このほか、仮称でございますが、二子玉川公園の整備のためにみどりトラスト基金、また、学校改築経費が今後増加をするということを踏まえまして、義務教育基金からの繰り入れを二十二年、二十三年度においても予定しているという内容でございます。 ◆山木きょう子 委員 十九年度の末は基金残高が過去最高額の七百億円となりましたけれども、これからの数年間はこのような基金の積み立ては難しくなってきます。現在の経済状況を考えると、今後、保育待機児対策など区民生活のさまざまなニーズにこたえるためには、中長期的な財政見通しが必要となってきます。三カ年だけでなく、中長期的な基金の活用についてお伺いいたします。 ◎岩本 財政課長 中長期的な基金の活用ということでございます。これまで、先ほど申し上げた特定目的基金につきましては、学校改築や緑施策の推進などにおきまして、この間四年間、平成十七年度から二十年度で約二百六十三億円の積み立てを行ってきたというものでございます。今後、こうした基金の活用を図るわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、今後の財政負担の平準化を図るといった観点から、今後の事業量と財政負担の変動を見通して計画的に基金を繰り入れる必要があるだろう。もう一点、事業の年次計画の調整、別の面での課題もあわせて生じるものではないかというふうに考えてございます。  また、特定目的基金以外の財政調整基金につきましても、これは年度間の財政調整を行うことを目的としておりますけれども、これにつきましても、財政収支の状況により、必要最小限度の繰り入れを行うということを基本的考え方としてございまして、一層の行財政改善の取り組みを進めるとともに、いわゆる起債等による財源確保とのバランスなど総合的に判断しながら、いずれにせよ、計画的な活用というものが大変重要になってくるというふうに考えてございます。 ◆山木きょう子 委員 非常に財政状況も厳しい中で、より計画的に進めていかなければいけないと思うんです。  さらに、こういった区財政が厳しい状況になることが見込まれる中で、代表質問でもちょっと触れさせていただきましたけれども、今後想定される梅ヶ丘病院跡地の活用について、財政負担や民間活用のあり方について検討課題というふうにしていますけれども、都では廃止に向けての条例も出されたということで、そんな遠い話でもないとは思うんですが、もし用地取得に実際に踏み切る場合、財源のやりくりはどのようなことが想定されるのでしょうか。 ◎岩本 財政課長 梅ヶ丘病院跡地に関しましては、仮定の話となりますけれども、用地の取得を行うといった想定のご質問でございますけれども、規模等から考えますと、単年度の財政収支での対応が可能かといったものがまずとりあえず課題となります。  財源のやりくりにつきましては、そのときの財政状況やそのときのその他の政策課題への取り組み状況といったものの総合的な判断が求められるというふうに考えてございますが、いずれにいたしましても、基金からの繰り入れにより一定の財源を賄うこと、また、適切な範囲で起債を図りまして、将来負担の問題を含めまして負担の平準化を図るといったことが基本となるというふうに考えてございます。 ◆山木きょう子 委員 次世代に残せる必要なものというのをしっかり見きわめながら取り組んでいただきたいと思います。  次に、行政経営改革計画の中から幾つかお伺いいたします。  先日、外郭団体改善方針に基づく取り組みの方向性が示されました。平成二十年から二十三年度の推進状況ということで示されておりますけれども、世田谷区では、平成十七年の外郭団体改善方針に基づき、十九年度には改善計画を策定し、改善計画に向けた取り組みを進めてきましたが、昨年の十二月に公益法人制度改革関連三法が施行されたことに伴い、区は、改革に関連した対応や改善方針に基づいた課題に対し、今後の外郭団体としての取り組みの方向性を定めました。外郭団体は、方向性に基づく二十一年度から二十三年度までの改善計画を策定し、取り組みを進めることになっています。  この制度は、公益的事業比率が五〇%を超えているということで一般財団法人と公益財団法人を確定し、また、評議員も法に規定されて、権限や責任が重くなるということです。また、この法は、非営利団体の健全な発展を促進するため、登記のみで法人が設立できて、そのうち、公益目的事業を行うことを主たる目的とする法人については公益法人に認定するというふうになっております。  外郭団体に多くの補助金や委託料を出している立場から、世田谷区は、公益法人改革を含め、外郭団体の改善をどのように進めていくのか、お伺いいたします。 ◎宮崎 政策企画課長 今委員からもお話がございました外郭団体の経営改善を進めるためには、区では外郭団体改善方針を策定いたしまして、団体に共通した改善方向を示させていただいております。各団体におきましても、所管部との協議などを経ながら、方針を踏まえた改善計画を策定いたしまして、それに沿いまして改善への取り組みを進めているところでございます。  今お話ございました平成二十一年度以降につきましても、外郭団体みずからが自主的自立的な立場で経営改善に取り組む必要があることから、平成十九年度の取り組み実績や評価を踏まえまして二十三年度までの改善計画を策定し、それを昨年の九月に公表させていただきました。  一方、二十年の十二月でございますけれども、公益法人制度改革関連三法が施行されております。これを受けまして、区といたしましては、公益法人制度改革に対します考え方等をまとめまして、先般、ガイドラインという形で各団体にお示ししまして、あわせまして、これを機会に改めての方針に基づく取り組みの方向性を周知したところでございます。その中には、先般の常任委員会でも報告をさせていただいておりますが、主な内容といたしまして、財務規定の整備、人材育成、透明性、さらに障害者雇用というような項目を入れさせていただいております。  今後、公益法人制度改革に該当、非該当によって改善計画の内容にも違いが出てまいりますが、各団体におきましては、昨年の九月段階での改善計画案を修正いたしまして、ただいま申し上げております方針を反映した平成二十三年度までの改善計画を策定し、それに基づく改善を進めていくことになります。 ◆山木きょう子 委員 しっかりと取り組んでいっていただきたいと思いますけれども、今改善に向けて取り組む事項の中に、障害者の雇用促進というのが示されていました。障害者の法定雇用率は一・八%以上となっていますけれども、区の外郭団体としては、一般の企業より率先して障害者の雇用促進を図っていく必要があるというふうに考えます。  昨今、経済状況が非常に厳しくなっている中で、作業所や就労支援施設など、障害者雇用に大きな影響が出ています。世田谷区は、第二期障害者福祉計画においても障害者の自立をうたっており、就労拡大のためには、行政の責任としてより一層の障害者雇用を促進していくことが求められます。働き方や雇用する側の意欲など、障害者の就労が拡大することは重要なことだと思いますけれども、具体的にどのように取り組むのか、お伺いいたします。 ◎宮崎 政策企画課長 現在、外郭団体の障害者の雇用状況でございますが、五団体で雇用実績がございます。区といたしましては、外郭団体におきましても、行政サービスを補完する立場であることから、区政の重要課題であります障害者の就労機会の拡大につきまして、ともに協力して進めていきたいと考えております。  外郭団体に障害者雇用を進める具体的な取り組みでございますけれども、まずは駐車場の確保、トイレの整備などの施設に係る整備や、障害者が従事しやすい業務内容の精査など、ハード、ソフトの観点に立ちまして環境を整えていく必要がございます。そういう意味におきましても、これから各団体との調整を十分に行っていかなければならないと思いますが、今お話ございました民間企業に率先して対応していくことを念頭に置いて、引き続き障害者雇用の取り組みを各団体に要請してまいりたいと考えております。 ◆山木きょう子 委員 今法定雇用率一・八%というのは、百人いたら一人というところで基準を満たすそうなので、どうしても前向きに取り組んでいっていただきたいと思います。  次に、昨日、他会派からも出ましたけれども、非常勤職員について伺います。  世田谷区は、定員適正化計画の進行によって非常勤職員や臨時職員などが増加し、中でも非常勤職員は、再任用、再雇用も含め、十年前と比べると倍になっています。正規職員が五千二百十一名で非正規の方が二千二百七十三名、今や職場には必ず非常勤職員がいることとなり、今後も増加していくことを考えると、職場で非常勤職員の待遇改善や働きやすい職場環境の整備が求められます。  バブル後に正規職員の採用を抑制し、人材としての非常勤職員がクローズアップされてきており、最近では、荒川区や千代田区など、非常勤職員の処遇改善に向けての取り組みも始まっています。昨日、他会派からもそのことについて、処遇改善についての質問がありましたので、私は職場でのメンタルケアという視点で伺います。  正規が主で非常勤は従という役所文化の考え方というのはいまだに払拭されずに、非常勤の方はともすれば弱い立場に置かれているという現状も考えられます。非常勤職員の方は、どんなに優秀でも一年ごとの契約で、同じ机を並べていても、正規の職員が例えば自分の雇用について権限や発言力があると思い込んでしまって、嫌なことがあっても相談できずに職場を去ってしまう、そういった現状もあるのではないでしょうか。職場でのパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなど、人権研修ということを正規職員には行っていると伺いましたが、もし被害を受けるかもしれないという非常勤職員に対しても、ぜひ研修を行ったり啓発する必要があると考えます。  今職場では、「健康管理だより」、こういうものを常勤の方にはお配りしているそうなんですけれども、例えばこういうところで特集をするとか、そういったことも考えられるのではないかと思いますけれども、お伺いいたします。 ◎霜越 職員厚生課長 区では、非常勤職員に限らず、職場として、セクハラ、パワハラ、こういったものはあってはならないことと考えておりまして、管理監督者のリーダーシップのもと、セクハラ、パワハラを許さない職場環境を築いていかなければならないと認識しております。そのため、管理監督者のための事故の防止対応マニュアルの中で具体的な対策を示すとともに、管理監督者への研修を行っているところでございます。今後とも、お話にありましたような非常勤職員の置かれた立場にも十分配慮した形で対応を進めていきたいと考えておるところでございます。  また、今お示しいただいた「健康管理だより」ですが、これは各職場に毎月一回発行しているものでございまして、聞くところによると、非常勤の方にもよく読まれているというふうに聞いております。こういったものに基本的な知識を載せまして、職場ぐるみで共有できるよう、ただいまいただいた具体的な提案も含めまして、充実に向けて検討してまいりたいというふうに考えております。  また、相談体制でございますが、現在、セクハラに関する相談につきましては、非常勤の方も利用できる苦情相談窓口を職員厚生課、学校職員課に開設しておりまして、また、職員の一般的な相談には、非常勤も利用できる職員相談を庁内に設置しております。来年度からは、現行の二名の相談員を七名に、兼務ではありますが増員し、職員にとってより現場に近いところで相談することが可能な環境を整備してまいりたいと考えております。また、産業医や心理カウンセラーによるセクハラ、パワハラを含むメンタル相談を実施しておりまして、いずれも非常勤職員も利用できる制度となっております。  今後は、これら相談窓口の周知を徹底いたしまして、非常勤職員、もとより職員全員が利用しやすい環境を整備し、だれもが働きやすい職場環境を構築してまいりたいと考えております。 ◆山木きょう子 委員 相談体制もふやしているということですけれども、なかなか非常勤の方は行きにくいところもあると思いますので、ぜひ配慮していただきたいと思います。  出張所などの窓口業務や図書館、保育士、栄養士など、臨時・非常勤職員は全国でも今や五十万人以上と言われております。特に市町村が主力で、総務省の研究会による報告書は、臨時・非常勤職員の任期について原則一年以内と確認する一方で、消費相談員や保育士などを念頭に、任期三年以内の任期つき短時間勤務職員制度というのを従来より踏み込んで活用することなどを打ち出しています。  先ほどの荒川区では、二〇〇七年の四月に非常勤職員の抜本的な改革を行って、能力や責任に応じた報酬額の設定を行うなど、勤務成績がいい人はいつまでも働けるような上級の非常勤職員を設定して処遇改善を目指しています。また、区民サービスの向上に向け、非常勤職員を採用し、第一線で区民サービスを担う者として、必要な研修への積極的な参加を進めています。常勤職員と同様に研修を行い、成果を職務に生かしてもらうようにいたしました。  「ガバナンス」の二月号でもかなり評価がしてありましたけれども、世田谷区では、例えば出張所の窓口対応など、区民から見れば、正規の方も非正規職員も同じ区の職員であり、個人情報の保護など、特に公的な仕事としての自覚を促すためにも、基本的な研修を行う必要があると思います。何より、教育を十分受けていなかったために不注意な事故を起こしたりすると、区にとっても痛手なんですけれども、身分保障のない非常勤職員は、それだけでも職場を去らなければならないといったような事態になりますので、今では本当に小さな区役所並みに非常勤職員がいるのですから、非常勤職員をパートナーとして意欲を喚起し、スキルアップを図る上でも研修の実施は大切なことと考えますけれども、職員全体の質の向上を図る上で、正規と同等の教育の機会を設けるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎平井 研修調査室次長 今お尋ねの非常勤職員の関係でございますが、出張所など窓口職場にも多くの非常勤職員が配置されておりまして、区民の目線に立ったサービスの提供、また個人情報の保護など、公務に携わる者として高い意識が求められていると考えております。  非常勤職員の研修につきましては、それぞれの職場で職務上必要な知識や技能の習得、また公務員としての意識向上のため、OJTも含めた職場研修として実施しております。研修担当部門といたしましても、職場研修へ研修講師を派遣するなど、必要に応じた支援、協力をしているところでございます。  今後とも、引き続き各所管と協力いたしまして、よりよい区民サービスを提供するために、非常勤職員の意識向上などに向け、職場研修の支援など工夫を重ねてまいります。 ◆山木きょう子 委員 これからもまた非常勤職員はふえていくと思いますので、ぜひそういったところ、待遇改善に向けて取り組んでいただきたいと思います。  それでは、次に区民参加について伺います。  行政経営改革計画の中でも、自立した自治体の実現として、都区制度改革の次に区民参加の促進が挙げられております。豊かな地域社会を形成するには、区政への区民参加を進め、区民主体のまちづくりを推進する必要があるというふうにしております。  今日の行政運営では、区民参加は当然の仕組みです。区民に対しての積極的な情報提供を行い、区民からの意見を把握する区民参加の直接的な仕組みとしてはパブリックコメントであり、区民参加の状況を容易に分析できます。しかし、平成十九年度の実施計画を見ると、みどりの基本計画など十項目ある施策に対して、合計の意見はわずか五百三十四件しかありません。新たな施策を進める際には必ず何らかの形で区民意見を聞いているのですが、今の状況では区民参加が十分とは言えません。  その後、平成二十年度を見ると、合計件数が八百六十七件と大分件数はふえているんですけれども、何か工夫をされたのでしょうか。 ◎福田 広報広聴課長 委員ご指摘のとおり、平成二十年度の実績でございますけれども、今年度につきましては七件のパブリックコメントを実施してございます。その結果、八百六十七名からのご意見をいただき、意見の総数としましては、約千五百件というふうなご意見をいただいております。昨年度に比べますと、五百三十四人に比べますとふえているものと考えてございます。  二十年度でございますけれども、改善といたしましては、パブリックコメントの内容を区民により理解してもらうために、「区のおしらせ」特集号として発行する、これとともに、特集号には返信用の料金受取人払いのはがきをあらかじめ添付する、こうしたことによりまして、施策の内容を読んだ区民の方が手軽に意見を寄せられる、このような工夫を行ったところでございます。 ◆山木きょう子 委員 また、行政経営改革計画を見ると、平成二十二年度には検証を行うとありますけれども、どのような事柄を検証するんでしょうか。 ◎福田 広報広聴課長 検証の取り組みの内容といたしましては、本年度行いました特集号の内容、こうした内容がより区民の方にとってわかりやすくなっているかどうか、こうした紙面としての検証をするとともに、また、区民意識調査等を今後行っていく中で、パブリックコメントの認知度、また区民参加の状況、こうしたものの内容等の分析を行う、このような形で検証を進めていきたいと考えてございます。 ◆山木きょう子 委員 また、区民が参加したことを実感するには、自分の意見がどのように計画や条例制定に反映されたのかを確認できれば、もっと区政が身近になり、区民参加が進むのではないでしょうか。これまでも我が会派は提案させていただいていますけれども、現在、ホームページでパブコメの結果については公開しておりますけれども、例えばほかの区では、マル・バツの表にするとか、区民にわかりやすいような公表の仕方を工夫しています。行政経営改革計画の年次別計画においても、平成二十一年度についてはパブコメの周知方法の改善とありますが、もっと実感できるような工夫が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎福田 広報広聴課長 パブリックコメントを行った施策につきましては、委員ご案内のとおり、その実施結果につきまして、件数、また区民の意見、そして区のほうの見解、こうしたものをホームページで公表してございます。実施結果は、公表時に、区民からの意見の要旨、それから寄せられた件数、区の見解、この三つを広報紙、ホームページに掲載するとともに、出張所等に閲覧用資料として配布してございます。また、区民の意見の反映結果につきましては、区の見解、この中で記載しているところでございます。  委員ご指摘のような、パブリックコメントの、より区民の方にその参加がわかるような、そうした公表の仕組みでございます。今後とも、他自治体等の公表の仕方、こうしたものを参考にしながら、より内部でも検討していきたいと思います。 ◆山木きょう子 委員 ぜひ工夫をしてください。  それで、先ほども出ましたけれども、先日、清掃のごみ収集日について、メールマガジンを利用して知らせるということが示されております。区の施策や取り組みを区民の方々に積極的に情報提供すること、区民にごみ・リサイクルに関しての関心を持ってもらうといった点でも意味があるというふうに思います。例えば、来年度からプラスチックリサイクルの拡充が始まりますけれども、区民生活に直接影響のあることで、より多くの区民の協力が必要な区の新たな取り組みの施策について、こういうことこそ、広報紙や特集号だけでなく、さまざまなメディアを活用した積極的なPRを行うことが効果的と考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎福田 広報広聴課長 区民参加を促進するためには、区の施策や取り組みを区民の方々に積極的に情報提供することは大変重要なことであると認識しております。現在、広報紙やホームページ、さらにはエフエム世田谷、またメールマガジンなど、さまざまな情報提供手段を活用して情報提供を行っているところでございます。区民の方に知っていただきたい情報、これが区民の方に届いてこそ、今後のパブリックコメント、こうした中で区民参加の機会もふえてくると思います。広報といたしましては、今後、こうした情報提供ツールを有効に活用する中でより効果的な区政PRを検討し、一層区民の目線に立った情報提供に努めてまいりたい、このように考えてございます。 ◆山木きょう子 委員 さまざまな工夫で区民参加のまちづくりというのが進むように、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  それでは最後に、民間活力の導入として、電話催告センターについて伺います。  世田谷区では、社会環境の変化や区民意識の変化により、特別区民税や国民健康保険などについて多額の収入未済があるため、平成十七年度から平成十九年度において収納率の向上に努めてきました。少しずつ減少はしてきましたが、いまだに全債権の未済額は平成十九年度で約百五十五億円ほどあります。最近の経済状況の急激な変化や社会保障制度の再編など、債権管理をめぐる環境がますます厳しい状況であっても、区民負担の公平性、公正性の確保に向けて、適正な債権管理を進めることが必要だと思います。新たに二十年度から二十三年度の債権管理重点プランを策定して、各種債権の一層の管理に努めていくというふうにしております。  今回、平成十六年度から開設してきた電話催告センターにおける業務を休日・夜間へ拡大し、収納率の向上を図るとして、平成二十一年度の五月から民間事業者に運営委託することが示されております。世田谷区では初めてのことですけれども、民間委託に当たっては、個人情報の保護など、しっかりと対応することが求められると思います。  昨年、企画総務常任委員会のところで、債権管理条例を制定している浜松市を視察してきました。浜松市もかなり未収金が多くあるということで、かなりいろいろな取り組みをしておりまして、浜松市では、地方税法の現行制度の範囲内で、民間委託が可能である電話催告の業務、それから訪問催告、それから収納業務についても平成十九年度から民間委託を実施してきました。ここは人口八十二万人で、世田谷区と割と近い人口規模だなというふうに思ったんですけれども、とにかく滞納をもとから絶つという姿勢で、現年分収納率を向上させることを目標に置いて、債権回収対策課を新設、それから、市長がみずから滞納者宅を訪問したり民放テレビのコマーシャルに訴えるなど、さまざまな取り組みも行っておりました。訪問催告の民間委託というのは本当に全国で初めての取り組みだそうです。  こうした取り組みについては、民間委託する場合というのは、まず税の制度、それから個人情報の観点ということから、研修というのがすごく重要になるとそのときも言っておりました。浜松市でもかなり時間をかけて研修をしたというふうに伺っておりますけれども、今回、民間委託をする際に研修についてはどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎小野村 納税課長 研修につきましては、委託業者との十分な連携のもとに、まず四月中旬には、区民税や国民健康保険料の賦課徴収の仕組み、催告業務の詳細、電話催告システム機器の操作などについて、これまで使用してきたマニュアルも活用いたしまして、十分時間をかけて習得する機会を設けたいと考えております。また、税などの極めて重大な個人情報に触れる業務に携わることから、四月下旬には個人情報保護の重要性や関係法令の遵守について改めて学習し、認識を深めてもらいたいと考えております。  こうした習得や学習の機会を計画的に設定し実施することで、業務開始時には従事する方全員が遺漏なく円滑に対応できるよう、万全の体制を整えてまいりたいと考えております。 ◆山木きょう子 委員 民間が持っているノウハウを活用するということはとてもメリットのあることだと思いますけれども、個人情報だとか、そういったところでは私も気になるところもありますけれども、慎重に取り組むという必要があると思います。  区役所の第一庁舎に催告センターを設置するということが示されておりますけれども、せんだっての浜松市でも、かなりセキュリティー対策については万全にしていました。区はこの点についてどのようにしていくのか、お伺いいたします。 ◎小野村 納税課長 業務を取り扱うセンターは、個室の形態をとるスペースとして納税課事務室内に設け、平日の日中においては常に職員の目が届く環境を整えます。あと、休日・夜間につきましては立ち会いの職員を配備することとしております。それから、センターの開錠には暗証番号の認証を必要とし、入室に当たっての私物の持ち込みは原則禁止といたします。また、電話催告システムの機器につきましては、操作開始時にはパスワード等の認証を必要とし、記録媒体の利用は厳しく制限するとともに、ワイヤー等を取りつけて持ち出しの防止を図ります。  いずれにいたしましても、今後とも安全対策の検証に努め、一層の個人情報保護に努めてまいりたいと考えております。 ◆山木きょう子 委員 また、世田谷区では外国人の方もたくさんいらっしゃいますので、そういった対応も今後の検討になると思いますけれども、ぜひご検討いただきたいと思います。  以上で生活者ネットワークの質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時八分休憩
       ――――――――――――――――――     午後三時四十分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  せたがや政策会議、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 一瞬先はやみと言いますけれども、経済も同様で、グリーンスパン氏が、百年に一度の金融危機に陥っており、大不況を引き起こす可能性が高いと発言したのは昨年の九月十三日のことであります。それからわずか半年でこのような経済状況になっております。  そこで、このグリーンスパンの言った百年に一度の金融危機という言葉から考えますと、今までの議論の感じからすると、何となく二、三年で景気が回復するような感じなのじゃないかなというような形でさまざまな質問があるように思うんですけれども、僕はちょっと今までに経験したことのないような意味ということで、グリーンスパンも含めて、世界のトップ、財政の専門家も言っているんだとすれば、恐らく感じとすれば、日本もバブル後の不況から脱するのに十年、十五年かかってはいたわけです。その感じからすると、この不況というのはどのぐらいの意識を持てばいいか、よくわかりませんけれども、少なくとも二、三年なんていうものじゃなくて、ここ二、三十年ぐらい続くんだというぐらいの規模であって、初めてグリーンスパンがわざわざ百年に一度ということを言ったんだと思うんですよ。二、三年だったら、普通の景気後退ですよ。僕はそういうことじゃないと思うんです。これはかなり次元が違う話で来ているんじゃないかと。  だから、そういう状況を前提にして伺いたいと思うんですよ。  まず整理しなくてはいけないのは、昨年の九月以前の段階で、リーマン・ブラザーズショックというか、サブプライムに端を発するこの不況の始まる前に、これ以前に、日本の全国の自治体というのは相当数が破綻寸前、または破綻の一歩手前という形で、相当マスコミで騒がれていたんですね。それで、その直後にこのような、さらに追い打ちをかける形でこういうサブプライムショックというのが来ているわけです。となると、今報道されていませんけれども、全国の地方自治体の状況というのはかなり惨たんたるものになっているのではないかと推測するんです。  そうなると、一世田谷区だけの問題じゃなくて、つまり、世田谷だけがいいというわけにはいかないんですね。要するに、東京がいい、世田谷がいいというふうになってくると、また去年以前の、リーマン・ブラザーズが起きたとき以前の東京富裕論というのが出てきて、結局、また東京の税を全国にばらまく形に持っていかれちゃうということもあるので、これは世田谷だけがいいということじゃなくて、やはり全国一律ということからすれば、日本全国の自治体の惨状というものとこれはパラレルな関係だと思うんですよ。  それで、その辺の具体的な議論をしていっても、なかなかどうなるのかということはわからないんですけれども、ただ一つだけ言える方向はあると僕は思うんです。  これは代表質問でも言いましたけれども、やはり公務員給与という問題について、これは考えざるを得ないというふうに思うわけです。世田谷区でも総人件費五百四十億円、職員費だけでも四百八十億円あるわけです。これは最大の支出項目ですよね、最大の固定費にもなっている。この部分について、やはりいろいろメスを入れていかないと、この景気が急に回復すれば別ですけれども、回復しない限りは、これから地方自治体を考える上では避けては通れない問題、いずれこの問題に手をつけざるを得ないというのが、議会の一員としての思いです。  そこで質問するわけですけれども、公務員給与というのは、一つには終身雇用制と年功賃金制度というのが、これは一つのセットになった形なんですね、当然です。ただ、これも言いましたけれども、たった一回の地方公務員の試験で受かって、それで四十年間身分が保障される制度というのは、今後やはり考えざるを得ないと思うんですね。これだけ世の中の変化が激しい中で、それはゼロにしろというんじゃないですよ。やはり相当数限っていかないと、何でもかんでも一回受かれば終身雇用で保障するというのは、もう日本の経済状況からいって、それは維持するのは無理だと僕は思うんです。ゼロにしろとは言わないけれども、かなり限られてくる、いろんな形があると思うんです。  私が言いたいのは、その中で、要するに確かに仕事のできる人というのは終身雇用でやっていただいて、それから年功賃金もどんどん上がっていく、それはいいと思うんです。それは理解の得られることだと思うんです。ただし、今現在いろいろ調べてみても、この試験に一度受かれば、かなりの年収が保障されるというような仕組みにぶら下がっているというか、表現は適当かどうかわかりませんが、そういう方がいらっしゃるんじゃないかという実態も僕は明らかにしたいと思うんです。  そこで伺いますけれども、世田谷区で勤続三十五年、これは事務職のことを今回言っています。現業職についてはこれまでずっと言ってきましたから、今度は現業職じゃなくて行政職、事務職に関して言いますけれども、勤続三十五年以上でほとんど出世していない人、昇進しないままというんですか、そういう方がいると思うんですが、その方の年収について伺います。 ◎宮内 人事課長 年収でございますが、ただいま委員ご指摘の勤続三十五年以上の者で検索いたしまして、該当者が三十五年以上で三百七十五人おります。その中で、部長級から含めまして主任主事まで合わせて三百七十五名といったところの状況です。それで、年収の部分ですが、一番低い方が七百三十三万三千九百十一円といった状況でございます。 ◆大庭正明 委員 そこで聞きたいのは、それは何級の人ですかということです。つまり、役所は大体一級で入るわけですね、それで部長さんで八級職で一丁上がりと。ですから、一級から入って八級職になるまでが最高の昇進ということになるんですけれども、平均的に、大卒で入って一級で、大体四、五年たって一つの段階を超えると二級に入って、二級で三、四年たって、要するに七年ぐらいたつと二級から三級に上がるんだろうと思うんですが、二級のままの人はまだいますか。 ◎宮内 人事課長 二級の職員がおります。 ◆大庭正明 委員 つまり、今の質疑をちょっとつなぎ合わせてみると、要するに勤続三十五年たっていて、大卒で入って七年ぐらいたったらクリアしなくちゃいけない級、三級になるわけですけれども、いまだに三級にならずに、二級のままずうっと続けている人がいる、そういうことですね。それが年収は七百五十万円ぐらいですか。 ◎宮内 人事課長 年収で換算いたしまして七百三十三万三千九百十一円ということです。 ◆大庭正明 委員 やはり普通に働いていて、管理職になれとまでは言いませんが、いわゆる管理職にならないということは、四級から五級ぐらいが係長さんだと思うんですけれども、普通、そこまでは大体平均的に行くわけですよ。その中にあっても、いまだに三十五年働いて二級というのは、僕はやはりやる気の問題とか、その人は、恐らく故障があるとかそういうことじゃない、意思でもってやっているんだろうと思うんですけれども、そういうことに関して七百五十万円まで出るというシステムが、普通、やはり努力するなり、一生懸命やるなりして、級を上げることによって上限が上がるというのが普通なのに、逆に言うと、悪い言い方をすれば何もしなくても、結局、勤続三十五年勤めていれば七百五十万円はもらえるシステムというのは、これはおかしいだろうというふうに僕は思うんです。こういう時代ですから、できる人はどんどんもらっていいと僕は思うんですよ。  次に伺います。結局、こういうような給与体系というのは、事実上どこで決まっているんですか。 ◎霜越 職員厚生課長 職員の給与につきましては、ご案内のように、毎年、特別区人事委員会が民間との均衡を図る目的で調査を行いまして、十月に勧告を出します。その勧告に基づきまして、区長会のほうで特別区の職員団体の連合会と交渉をし、その交渉結果を踏まえまして、各区におきまして条例を提案させていただいている、そういう形で決まっております。 ◆大庭正明 委員 それで、職員の給与に関しては、皆さんご案内のとおりに、特別区人事委員会の職員の給与に関する報告及び勧告というふうに言われて出ているんですね。この中で何をやっているかというと、民間の企業の給与を参考にして、それをベースにして公務員の給与を決めていますよということになっているんです。  それで、どういう企業を調べているかというと、対象企業というのを書いてあるんですよ。企業規模で五十人以上、かつ事業所規模五十人以上。事業所というのは一つの事務をやるスペースというところで、支店なんかがいっぱいあった場合、その合計の人数で五十人以上で、かつ一つの事業所勤務が五十人以上というところの会社をベースにして調べていますよ、それとほぼ同じですよというニュアンスで書いてあるんです。それで一万何千社か、ずうっと会社を調べているということのデータが載っているんですよ。  そこで、それからすると、これは昨年十二月二十五日に区報で公表された、皆さんの給与の内訳なんですけれども、年収ベースでいくと、世田谷区の部長は平均で年収で千二百四十八万円、課長が一千五十三万円、係長が八百三十二万円、主任主事が七百二万円、主事さんが四百四十八万円という形でもらっているんですね。これは公表されていますから、平均ですけれども。これより多い人もいれば少ない人もいるんでしょうけれども、五十人規模の会社の部長さんがこんなにぞろぞろもらっていますかねというふうに僕は思うんです。  それで、これは実は十年ぐらい前も同じ質問をして、僕はそのときよくわからなかったんですけれども、どういう仕組みになっているのか、ようやく最近なぞが解けました。というのは、確かに参考にする企業規模というのは、要するに五十人以上の会社、この五十人以上という言葉は非常に微妙というか、大変な意味を持っているんですよ。  どうしてかというと、これをよく見ますと、中に細かい字で書いてあるんです。ただし、部長というのは部下が二十人以上の部長というふうに書いてあるんです。課長というのは十人以上の部下を持っている課長ですよ、それとの比較ですよということで、実際問題、五十人以上の会社というのは、要するに五十人以上ですから、百人でも、五百人でも、千人でも、一万人でも全部入るんですよ。以上という言葉は、役人にとっては非常に都合のいい言葉であって、議会からすれば非常に監督しにくい数字なんですよ。  そこで、実はこの資料のところに結論が出ているんですよ。結局、今回は部長といっても、これはちゃんと証拠が残っている、データとして最近出たと思うんです。要するに二十三区の部長さんというのは千人以上の会社の部長さんと同等ですよ。それから課長さんも千人以上の企業の課長さんと同じですよ。以下ずっと同じ、ここでは五十人以上の事業所と書いてありながら、実際には千人以上の会社との比較の中で同じ金額を決めているんですよ。これは間違っちゃいませんよね、千人以上でも五十人以上ですから。  でも、これは千人以上というのは正規職員だけですから、今、正社員だけで千人の企業というのは二十三区内にどれほどあるかというと、これはいろんな資料を見ると、恐らく相当トップクラスの企業ということになるわけですよ。  だから、実態が、これはどう見たって、従業員五十人ぐらいの小さな会社で、部下が十人以上いる課長なんて普通ないですよね。だから、見せかけと言っては変ですが、これは五十人以上と書いてあるけれども、別に五十人以上じゃなくてもいいんですよ。一人以上と書いても、十人以上と書いてもいいんです。実態は千人以上の企業、恐らく千人以上と書いてあるけれども、これは本当は一万人か二万人かわかりませんよ。でも、そういうところと比較しているんですけれども、そことの比較というのは妥当だと思いますか。 ◎霜越 職員厚生課長 妥当か否かというところは難しい問題があるかもしれませんが、少なくとも人事委員会のほうでは、できるだけ客観的に比較をしようということで、それぞれ学歴ですとか職責、勤続年数、そういったものを総合的に加味して決められているというふうに思っておりますし、また、他自治体、あるいは民間との均衡を図るということもありますものですから、国や東京都との比較、あるいは民間の職責との比較から、このような形で比較対象を決められているというふうに思っております。 ◆大庭正明 委員 この勧告を見ると、これでもまだ民間より安いんですよと書いてあるんですよ。これでも安い、もうちょっと高くしてもいいんだけれども、今の経済情勢でそれ以上言いませんよみたいなことが書いてあるんです。  僕は何が言いたいかというと、要するに予算の中で最大項目で四百八十億円、人件費だと五百四十億円もの支出を伴うものというのは、客観的だ、客観的だと言って、この人事委員会ですべて決められているわけです。それで、そこのところのチェックというのは役人がやっているわけですよね。  じゃ、聞きますけれども、客観的だと言いましたが、人事委員会の職員の給与というのはだれが決めているんですか。 ◎霜越 職員厚生課長 人事委員会の職員でございますか。人事委員会の職員ということになると、特別区人事・厚生事務組合の職員ということになると思いますが、事務組合といえども、我々特別区の職員と同等の給料体系で決まっているものと認識しております。 ◆大庭正明 委員 つまり、これはだれに勧告しているかというと、自分たちで自分に向かって給料を勧告しているんですよ。二十三区の職員と同等の給料をもらっているということは、自分たちの給料に関して、人事委員会の職員たちがああだこうだ決めて、自分たちにこういう勧告を実現しろといって、議会に諮っているわけですよ。特別区人事委員会は報酬審はありますか、ないはずですよ。 ◎霜越 職員厚生課長 大変申しわけございませんが、あるかないかについては存じ上げておりません。 ◎河上 総務課長 報酬審議会はないというふうに聞いております。 ◆大庭正明 委員 誤解のないように、特別職に関しては、我々は報酬審を経て、それを尊重しながらやっているわけですよね。この特別区人事委員会に対する負担金というのは、予算の中から幾ら出していますか。 ◎河上 総務課長 特人厚に対します分担金でございますけれども、そのうち均等割分で、人事事務分担金ということで一億四百五十四万二千円となってございます。 ◆大庭正明 委員 結局、人事委員会というところがあって、その中に職員さんがいて、下の調査とかいろいろやっているんですけれども、最終的には人事委員さんというのが三人いるんですけれども、今、人事委員の三人のうち一人は、元人事院総裁が人事委員になっている、もしくは大田区の元区長という人がなっているということなんです。  これは調べて驚いたんですけれども、過去の名簿で見ていると、この人事委員の中島忠能さん、これは今も人事委員会の委員をやっているんですけれども、二〇〇四年までは人事院総裁もやっていたんですよね。これは兼務というのはできるんですか。四年間兼務しているんですよ。要するに国で言う、最近出てきた谷公士さんの前の前の人事院総裁というのがこの中島さんで、この人が人事院総裁をやりながら、二十三区の人事委員会の委員もやっていたんですよね。これは兼務はできるんですか。 ◎河上 総務課長 兼務することは可能、それを制限する規定はございません。 ◆大庭正明 委員 この人事委員の報酬というのは月額で、委員長が五十三万七千円で、普通の平の委員が四十三万九千円出ているんですけれども、要するに、これも二十三区の分担金から出ているわけですよね。これは過去のことですけれども、二重取りされていたというのは、人事院総裁のほうもこっちも両方とも取っていたというふうに推定できるんですか。 ◎河上 総務課長 人事院のほうはちょっと確認できておりませんけれども、条例がある以上、委員会とすれば、これを支払っているということでございます。 ◆大庭正明 委員 結局、人件費というか、地方公務員、二十三区の区の職員の給与体系というのは、やはり時代おくれの部分があったりとか、かなり上のほうに圧縮されているんですよね。上の高い人はそれなりの仕事をしているのかもしれませんけれども、本来、もうちょっと下のほうだったものが、どんどん上のほうに圧縮しているという形なんですよ。  それで、僕がもう一つ聞きたいのは、二十三区の人事・厚生事務組合というのがありますね。これは一部事務組合ですから、地方自治体みたいな扱いなわけです。それは二十三区が出していますよね。先ほど言ったように、二十三区が費用を負担しているわけですよ。そこの管理者というのは、いわゆる区長がずらっと全員並んでいるわけですよ。その中に一人だけ知識経験者というのが入っているんですね。この人というのは副管理者になっているんですよ。これは常勤なんですけれども、そこの知識経験者の給与というのか報酬は、世田谷区の副区長よりも高いんですよね。これは月額で幾らですか。 ◎河上 総務課長 ことしの条例の改正は二月に行われました。直前に行われた条例改正で八十八万五千円ということで聞いております。 ◆大庭正明 委員 だから、それは直前に変えたんでしょう。その直前の前、二月の前が九十二万六千円だったんですよ。世田谷区の副区長の給与というのは九十万九千円だったんだけれども、二月以前までは、こっちのほうが九十二万六千円だった。  これはもっとさかのぼると、今から十年ぐらいさかのぼると、実は知識経験者というのは東京都の天下りですよ、東京都の元次長だった人です。それで、もともとはこれは管理者だったんですよ。それで管理者で、区長よりも高い給与を払っていて、これは一時期問題になって、かなり下げさせた経緯があるんです。今もってでも、それでも結局、副区長と同じというか、ちょっと上ぐらいだった。それが今度はまた下げて、副区長よりも下になったんだけれども、これは世田谷区の副区長としてどうですか。問題は、負担金を出しているのに、そこのところの給与というか報酬が自分よりも多いなんていうのは、そういう給与体系はちょっとおかしくないですか。 ◎平谷 副区長 給与構造に関しましての、私どもふだん気がつかない観点からのご指摘かと思います。そういう意味で、個々に私と高いか低いかということは、それ自体はコメントする立場にございませんが、いずれにしても、引き続いてそういった構造の改革ということは必要だと認識しております。 ◆大庭正明 委員 時間ですので、終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でせたがや政策会議の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、社会民主党、どうぞ。 ◆唐沢としみ 委員 社会民主党からの質問に入ります。  一般質問に引き続き、実施計画の総点検、見直しについて伺います。  実施計画の裏づけとなる財政見通しに関して、政策経営部長から、二十二年、二十三年度の二年間にわたり連続してマイナスの見込みであり、大変厳しい状況が続く。このため、二十一年度早々に区民も参加した外部評価委員会を立ち上げ、行政評価の手法を活用して実施計画の点検に取り組むとの答弁がありました。財政状況が悪化することは、もはや議会や理事者との間の共通認識となり、議会では実施計画の見直しが当然のことのように論議されております。  厳しい財政状況をあらかじめ予測し、早目早目に手を打って、財政悪化の区民生活への影響を最小限にするよう努力することは、区政運営を行う上で当然のことでありますが、その取り組み次第では、その結果に大きな差が生まれます。  これまで、私はずっと申し上げてきましたが、財政が厳しくなって、区がサービスを見直すのであれば、区民に対して、まず区政の状況を率直に伝えるべきだと考えます。区民と情報を共有し、その上でともに考え、工夫もし、知恵を絞る。そうすることが、区民の力を最大限に引き出し、厳しい財政状況のもとであっても、町ぐるみの区民サービスを守ることにつながる基盤となるのではないかと思います。それが区長がよくおっしゃるところの区民とつくる町の本当の姿ではないかと思います。  そこでまず、区民への情報提供について伺います。区ではパブリックコメントを進めているわけですが、その多くは素案の段階で行われており、私の感覚では、もう少し早い段階で、例えば検討素材などの段階から意見を求めることも必要ではないかと思います。大事なことは、途中経過において区民が議論に参加することであります。ぜひとも早い段階での情報提供を求めておきます。また、情報提供に当たっては、ぜひとも区民の目線でわかりやすい情報提供を求めます。  区が毎年まとめておりますところの実施計画・行政経営改革計画の推進状況、そしてまた行政評価の結果などは、区の主要な取り組み全体を見渡すのはよいけれども、しかし、大変分厚くて、区民向けとはとても思えないわけであります。いわば行政の行政による行政のための資料と言っても言い過ぎではないと思いますが、今後、情報提供に当たっては、ぜひ生活者である区民の視点で作成したわかりやすい資料を提示していただきたいと考えるわけですが、その点、いかが受けとめているでしょうか。 ◎宮崎 政策企画課長 実施計画・行政経営改革計画につきましては、昨年度の策定時にできるだけ平易な言葉遣いといたしまして、一般になじみの薄い専門用語などに注釈をつけるなど、わかりやすい表現にしておりまして、同様に行政評価結果についても平易な言葉でまとめてきております。  しかし、特に行政評価結果の公表内容につきましては、議会からも目標設定によっては評価内容がわかりにくいなどのご意見をいただいておりまして、来年度からの新たな行政評価のあり方を検討するに当たりましては課題として受けとめまして、改善を検討しております。  このたびの計画の点検に当たりましては、外部評価委員会の各委員には区民や第三者の立場から率直にご意見をいただきたいと考えておりまして、そのためには、委員会の段階からわかりやすい資料で評価に当たっていく必要があると考えております。  報告書などの公表に際しましては、外部評価委員会の議論の中でいただく意見も含めまして、区民の目線によるわかりやすい資料の作成に心がけたいと考えております。 ◆唐沢としみ 委員 ぜひそういう視点でもって進めていただきたいと思います。  次に、住民参加について伺います。  区は、行政評価の手法を活用して、区民もメンバーに加わる外部評価委員会を立ち上げるとのことですが、区民の暮らしに直結する実施計画の見直し手法としては物足りないように感じております。メンバー構成などは現段階では未定かもしれませんけれども、いわゆる区民委員は多くても数名の範囲だと思います。区は、数名の区民委員を設けることで、計画見直しに対する区民参加が十分であるとお考えでしょうか、見解をお願いいたします。 ◎宮崎 政策企画課長 今お話がございました外部評価委員会でございますけれども、専門的な立場から意見を述べていただく有識者のほかに、区民の方にも委員として参加していただきまして、区民の目線から、またさまざまな立場や経験による広い知見、視野からご意見をいただきまして、計画の点検、見直しに生かしていきたいと考えております。  現在、区民枠について、「区のおしらせ」等によりまして数名の方の公募を実施しております。先日、その件につきまして締め切らせていただいたところですが、およそ百名近くの方の応募がございました。区民委員の構成は、幅広い層からのご意見をお聞きできるように考慮してまいりたいと考えておりますが、来年度早々に立ち上げる外部評価委員会の中で建設的な議論をいただけるよう努めてまいります。  委員会に数名の区民の方が出席することになりますけれども、お話しの区民参加が十分ということではありませんので、広く区民の方からご意見をいただく機会も設けていきたいと考えております。 ◆唐沢としみ 委員 進めるほうは、ぜひとも早い段階で、広く区民の声を聞くということを常に努めていただきたいと思います。  次に、もちろん私もただ区民委員の数が多ければよいという単純な主張を申すわけではありません。全体を理解しない意見や利益誘導型のご意見、あるいはまた、単なる行政批判のような意見ばかりでは建設的な議論にはならないことも十分承知しております。しかし、だからといって、区民の参加の窓口を極端に狭めてしまうようなことは本末転倒かと言えます。区民と情報を共有し、丁寧な説明を繰り返し共通理解を築き、建設的な議論を交わすと、そのうちに区民にも行政にも新しい知恵や工夫が生まれてくると思います。少なくとも外部評価委員会での議論や実施計画の見直し検討のプロセスはリアルタイムで区民に公表し、少しでも幅の広い議論を呼びかけていくべきと思いますが、その点いかがでしょうか。 ◎宮崎 政策企画課長 実施計画等の点検を行っていく過程におきまして、外部評価委員会からご提案いただいて検討してまいりますが、途中経過の公表に当たりましては、当委員会としての了解も得ながら、区のホームページ等によりまして、区民の皆さんへご報告してまいりたいと考えております。  また、公表資料をごらんになった方からのご意見等もいただきながら、区として成案を取りまとめていきたいと考えております。 ◆唐沢としみ 委員 次に、出張所の見直しと今後の地域行政について伺いたいと思います。  区は、名称変更に当たり、文字どおりまちづくりセンターとなるよう、まちづくり機能を充実させるとしております。この点については期待するところであります。  そこでまず伺います。まちづくり出張所がまちづくりセンターに変わったら、名前にふさわしい中身とするために、まずどのような取り組みを考えているのか、答弁をお願いいたします。 ◎宮崎 政策企画課長 まちづくりセンターでございますけれども、先般来申し上げております人が集い交流できる地区まちづくりの中核となるよう、その新たな名称を選定したところでございます。名称の改善を契機に、こここそがまちづくりの中核であると言えるよう、各総合支所、各出張所、まちづくり出張所を中心に、現在取り組みを進めてまいりたいと考えております。  そこで、まずはまちづくり出張所の名称のあり方に関する報告書で述べておりますけれども、情報コーナーの充実に向けまして、各出張所、まちづくり出張所に据えられておりますまちづくりやイベント等のチラシ類を、区民の方が見やすく手にとりやすくなるような工夫を、二十一年度早々より各所で進めてまいる予定でございます。  また、出張所、まちづくり出張所ごとのホームページの地区情報の提供につきましては、地区のお知らせやイベント情報をわかりやすい文章で、写真を用いまして迅速に発信するなど、見やすさの工夫や小まめな更新によるホームページの一層の充実に向けて検討を始めたところでございます。  さらに、出張所、まちづくり出張所では、地区の方々との協働による取り組みがございますので、PRの充実を伴う活動を進めることにより、まちづくりの中核としての役割を果たしてまいります。 ◆唐沢としみ 委員 これまでまちづくり出張所では、証明書の発行など窓口事務のほか、身近なまちづくり推進協議会や青少年地区委員会、ごみ減量・リサイクル推進委員会など、多くの区民活動の支援を行ってきました。区は、新しいまちづくりセンターになれば、こうした役割をますます充実させていくというお考えと理解しておりますが、そのためには、まちづくりセンターがしっかりと責任を果たすことが重要だと考えます。  現在の出張所長やまちづくり出張所長は身近な地区の区民からの質問や要望に責任を持ってこたえられているでしょうか。いろいろと指摘されているように、区民から何か聞かれても、本庁のどこどこへ相談してくださいというだけではたらい回しになってしまうようなこともあるわけでありまして、まちづくりセンターは、そこへ行けば身近な課題は解決できるというような役割をしっかりと果たすべきだと考えます。  私は、そのためにも、本来まちづくりセンターに計画機能の権限を持たせ、順次その機能を強化していくことが不可欠だと思っております。いろいろと課題があり、人事配置の工夫も必要かと思いますけれども、まずは適切な責任と権限を持たせることを考えることが必要だと思いますが、その点、いかが考えているでしょうか。 ◎平谷 副区長 委員ご案内のとおり、地域行政が三層構造をとっているという中で、この間、出張所と総合支所と本所と、それぞれの性格と位置づけに応じましてどういった権限、責任を持たせるかという議論と、これまでの実践を通じまして、今日のあり方が定まってきた、こんなふうに思っております。  そういう意味におきまして、今委員ご指摘いただいておりますように、二十七人の所長がまちづくりに当たりましては身近な地区の課題を解決できるという体制、一方、窓口におきましては、できるだけ多くの方にワンストップサービスが提供できるような工夫、そういったもので努力をさせていただきたいと思っているところであります。  しかしながら、それでまだまだ十分ではございません。したがいまして、今後とも今定例会でいただきましたさまざまなご意見、ご提案を踏まえまして、名実ともにまちづくりの核となるようなまちづくりセンターとして充実発展させたいと考えておりますし、必要な改善も当然図っていきたい、こんなふうに思っております。 ◆唐沢としみ 委員 これから論議もまたまた交わっていくと思いますが、ぜひともしっかりとしたセンターとしての機能を果たすように努力していただきたいことを要望しておきます。  最後に、地区まちづくりの取り組み方について質問いたします。  私は日ごろから、まちづくりの基本は職員が町へ出ていくことからだということで申し上げております。出張所改革によりまちづくり出張所になって、職員が少なくなったり、なかなか外に出にくくなったかもしれません。しかし、世田谷では独自のまちづくり支援職員、あるいはまちづくり担当職員という制度を持っております。それぞれの地区において若手幹部職員、あるいは若手の職員がそれぞれ努力をしながら、その制度のもとでもって、それぞれの地区において、区民とともに汗を流しながら協力して努力してきたことを実際に見てきております。  こうしたことを十分踏まえながら、これからの制度の意義について充実させるためにも、地域行政制度を担当する政策担当部長として、今後どのようにとらえて進めていこうとしているのか、お考えをお伺いいたします。 ◎板垣 政策経営部長 お話しの地区まちづくり支援職員、担当職員につきましては、出張所、まちづくり出張所による地区まちづくり支援の取り組みに寄与する一方、特に若手職員でございます担当職員につきましては、まちづくり支援活動への従事を通じまして、区民の目線を意識し、いわゆる現場感覚を養う貴重な育成の場となっているものと認識しております。  また、出張所の職員につきましても、身近なまちづくり推進協議会などの活動につきまして計画段階から参加し、区民の方と議論を重ねることで、よりよいものをつくり上げていくことが有意義であるというふうに考えてございます。  地域行政におきますこの三層構造の中で、出張所が担う地区まちづくり支援の充実に向けまして、支援職員、担当職員とともに、職員が地区まちづくり活動の計画段階から参加することも含めまして、今後も一層まちづくりの充実に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆唐沢としみ 委員 これからの区政の大変厳しい財政状況の中で、ますます区民のニーズも多くなってきております。それだけに、行政に期待することも多いし、区民もともに努力するという気構えもありますので、ぜひとも行政と区民とが回るような仕掛けの中で、地域行政制度を確実に進めていただきたいことを強く要望いたしまして、以上で終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で社会民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。
    ◆木下泰之 委員 まず最初に、役人にとって要綱や要領というのはどういうものかということについてお聞きしておきます。法令と要領、要綱の違いも踏まえて、どなたかお答えいただけますか。内部規範であるという回答が前にあったんですよ。内部規範って何かも含めて教えてください。 ◎志賀 区政情報課長 要綱というものは内部規範、区の内部の中でもって意思決定をしているものでございます。ご案内のとおり、条例、規則については、地方自治法等によりまして法規性を有するということで整理されてございますが、要綱につきましては法規性は有しないものという形で整理されてございます。 ◆木下泰之 委員 ただ、役人にとって、要綱、要領で定まったものについては、これは守るべき義務はありますよね、いかがですか。 ◎志賀 区政情報課長 区の内部でつくられました要綱につきましてはさまざまな要綱がございますが、例えば事務処理の基準等が定められているものであれば、そのとおりに従ってやるものは当然のことと考えてございます。 ◆木下泰之 委員 ということは、お役人が守るべきということであれば、例えば国が定めた要綱、要領については、これも当然守るべきものとして考えてよろしいですね。 ◎志賀 区政情報課長 要綱というものは、その団体の内部でもってつくられているものになりますので、国の要綱であれば、国の職員を拘束することはあるかもしれませんが、それが他団体、例えば区ですとか、そういったところの職員まで拘束されるかというのは、法規性がないということもございますので、義務があるかと言われると、義務がないものと考えるのが一般かと思います。 ◆木下泰之 委員 例えば学習指導要領なんていうのは、国が定めているんだよね。区なんかあずかり知らないよね。教育委員会もあずかり知らないよ。だけれども、それは守らなきゃいけないんだよね。そういうふうに考えていいですね、いかがですか。 ◎志賀 区政情報課長 公務員個人に対する遵守義務云々となりますと、法令上の法規性がないと、基本的には法規としての効力が及ばないと考えてございますが、事実上、その業務としてはさまざま国から、例えばそういった要領ですとか、あるいは通達なんかは多々いろんな所管にあろうかと思います。それについて、それぞれの所管において適切に判断して、必要なものにつきましては、そのとおりに国などの要領等に基づいて事業を実施しているものと考えてございます。 ◆木下泰之 委員 そういうことを踏まえますと、例えば小田急線の連立事業であるとか、京王線の連立事業であるとか、二子玉川の再開発であるとかいろんなことをやっていきますよ。そういった中で、世田谷区はそういった要綱、要領に従って、やはりそれは守っていかなければいけないものだというふうに思うんですよ。  例えば連立事業については、連続立体交差事業調査の実施要領というのがあって、関係市区町村、鉄道事業者、その他関係機関との連絡調整を十分行う必要があるとか、それから連絡調整の場を設けることが望ましい、そういうのがあるわけですね。にもかかわらず、先ほどまちづくりの問題であるとか、住民参加の問題であるとか、他会派からもいろいろ議論があったけれども、そういった問題について、一番知りたい情報について、連絡調整してやるべきところの世田谷区が情報さえとってこない、そういった実態があるわけですよ。  それでお聞きしておきますけれども、私が情報開示請求をしたときに、連立事業については連続立体交差事業協議会というのがあるわけですよ。そこの議事録はどうなっているんだというふうに求めたところ、それはないというふうに回答があったんですね。それで、とにかく受領もしていないし、作成しているかどうかわからんと。他団体とやるときに、そういった議事録というのはないものなんでしょうか。また、とらなくてよいものなんでしょうか、いかがですか。 ◎志賀 区政情報課長 他団体との会議とか多々あろうかと思います。基本的には会議の主催者ないしは事務局等でもって、会議の進捗状況、内容等に合わせて適切に判断して対応しているものと考えてございます。 ◆木下泰之 委員 そうは思えないんですけれどもね。例えば新潟で負担金について支払いを拒否しているということはありますね。高速道路について鋼材の値段が上がったりしてふえてしまったということで、負担が求められているけれども、拒否していると。  だから、東京都の事業であっても、その事業の内容がどうであるかということを世田谷区は知る必要がありますよね。そういったことについて知らされていないということは困るんじゃないですか、いかがですか。 ◎志賀 区政情報課長 情報収集の必要性等につきましては、それぞれ事業を行っている個別の施策を推進している中でもって、各所管において適切に判断すべきものと考えております。 ◆木下泰之 委員 小田急線の連立事業で、下北沢については六百六十五億円の連立事業についての事業費がかかるわけですね。五十億円は小田急が払うとして、残りについては国が半分、それで世田谷区や東京都との間で七対三、これは渋谷区も入りますから、多少は渋谷区も払いますけれども、そういう形になるわけですよ。そうすると、大体九十億円ぐらいの出費は必要になるわけですね。そういったことに対して実際どうなっているのか、そういったことについて、その実態について、それは所管に任せておいていいんですか。こういう不況の段階になってきて財政も逼迫してきているときに、負担金だって大変でしょう。そういったことについてちゃんと議事録等がないようなものについてどうやって判断していくんですか。 ◎志賀 区政情報課長 先ほどもご答弁申し上げましたが、個々の事業の中身につきましては、その事業の推進の中で、個々の所管課、もしくは会議であれば、その会議の主催者等で適切に判断して対応していくべきものと考えてございます。 ◆木下泰之 委員 私は新潟の事案を見てつくづく思ったんですけれども、世田谷区はやはり負担金についても精査しなきゃいけないですよ。例えば公共事業で談合でかかり過ぎている問題だってあるわけです。実際に調布での京王線の連立事業にはそういう問題もありました。連立事業の中にもそういうことはあるはずです。ですから、そういうことについてきちっと調べるためには、他団体との関係でも、議事録等については自分たちで作成してなかったら、それは受領する必要があるし、それについてきちっと情報をとる必要がある。そういうことの努力をしないという姿勢は非常に不可解であるし、住民参加に対して情報提供することについても非常に問題がある。そういった状況を変えていくことが必要だということを申し上げて、私の質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、区民の会、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 私は以前、二度にわたって、医療費通知の問題を通してシステムに関する質問をさせていただきましたが、その答弁の中で、本年一月よりシステムを全面的に入れかえて新しいシステムを稼働するというようなお話でありました。  今般、システムの入れかえの経緯と手法、また、現状についてまず伺いたいと思います。 ◎栗原 情報政策課長 平成元年に住民漢字オンラインシステム、通称SKYと呼ばれていますが、これを稼働させましたが、たび重なる法改正によるシステムの複雑化など課題となりまして、全面的にシステムの再構築をいたしました。対象範囲は、住民記録、それから税、国保など、大型汎用機で稼働させていた基幹系システムです。  開発の手法としましては、最も世田谷区の事務に合致したパッケージソフト、いわゆるソフトベンダーが提供する市販品でございますが、これを選定しまして、そこに世田谷独自の修正を加えるパッケージカスタマイズ方式をとりました。  稼働の現状ですが、システム入れかえに係る事務の対象範囲が広い中で、大きな混乱もなく、おおむね順調に稼働しております。 ◆あべ力也 委員 私は、このシステムの変更ということを受けて、先進的な自治体として知られる高知県を、この前視察してまいりました。高知県の特徴は、東西に長くて、世田谷の約百二十倍という面積に、世田谷とほぼ同じ人口の八十一万人が住んでいるという中で、まだまだ交通網が整備されていないということでありまして、このため、橋本前知事は情報交流のために積極的に情報ネットワークの基盤を整備して、ICTの導入に積極的な自治体として知られているということであります。  高知県は、資産の有効活用と開発経費の削減、期間の短縮の観点から、システムを可能な限りそのまま移行するマイグレーション方式という開発手法を考案して実施したということであります。今般、世田谷での基幹系システムの再構築においては、パッケージのカスタマイズ方式をとったということですが、このような高知方式を検討されたのかどうか。また、高知県ではその保有するシステムソフトについて著作権を取得して、それを再販することによって開発コストを回収するというようなことをやっております。人事給与や財政システムの内部系のシステムが福岡県、岡山県、広島県などに導入をされておりまして、それなりの回収をしているということであります。  世田谷区でのソフトの著作権の扱いはどうなっているのか、こうした高知方式をとっているのかどうか、まず伺いたいと思います。 ◎栗原 情報政策課長 高知県のマイグレーション方式という方法ですが、簡単に申しますと、大型汎用機で動いていたプログラムをオープン系サーバーの環境に書きかえてしまうという手法でございます。世田谷区の再開発におきましても選択肢の一つとして検討いたしましたが、しかし、従来から使っているプログラム自体が高度な技術を駆使して複雑につくり上げたものでありまして、新システムへの移行の精度が保てないことや、保守運用も難しいということで課題が多く、当区では採用できないというふうに判断いたしました。  また、著作権の取り扱いにつきましては、世田谷区の考えですべてのプログラムを新規に作成した場合については区に帰属することにしていますが、パッケージにカスタマイズ、いわゆる修正した場合については、修正部分についてだけ区で著作権を取得するというふうにしております。  次に、パッケージの販売についてでございますが、市町村業務につきましては、多くの業務パッケージが販売され、競争も激しいという中で、商品の販売者としての責任、それからソフトを維持する作業負荷、これを負いながら利益が上がるようなビジネスモデルを構築することは難しく、現在、販売は考えておりません。 ◆あべ力也 委員 開発コストはやっぱり税金でかかっていて、それなりの金額がかかるということですけれども、高知方式ですと、その再販によってコストを回収するようなことができるということで、大変いいことだと思うんですが、世田谷も、ぜひ今後パッケージ化をカスタマイズする場合にも、世田谷の二十三区なんかには再販できるんじゃないかと思うんですよね。だから、そういうことを視野に入れて、今後開発をしていただきたいというふうに要望しておきます。  次に、最近、公衆無線LANというのがいろんな場所、例えば駅であったり、空港であったり、ファストフード店であったり、商業施設なんかで使えるというような環境のところがふえてまいりました。いわゆる高速インターネット接続といいまして、名前がいろいろありまして、ホットスポットと言ったり、WiFiと言ったり、いろんな名前があって、そのサービス提供をする側も、民間が運営しているものもあったり、料金に関しても、フリーアクセスのものもあれば、お金を払うものもあったり、さまざまであります。  役所はいろんな方が出入りをして、公共サービスを提供する場なわけですけれども、窓口のサービスを提供するところ、待合室というか、皆さん待っていらっしゃるところなんかにこうした無線LANのサービスを提供していくということも、今後、公共サービスの一つとしては考えていかなくちゃならないことだと思うんです。  ぜひこういったことを取り入れていただきたいと思うんですけれども、その点について、今後の対応や計画について伺いたいと思います。 ◎栗原 情報政策課長 ご質問の公衆無線LANは、住民の皆様がご自分の機械を携帯して、公共施設で自由にインターネットのサービスを受けられるように回線を提供するというものでございます。  区では、電子政府世田谷推進計画によりまして、図書館に公衆無線LANスポットサービスを実施することを計画しております。また、区民の地域活動の活性化に寄与するため、集会系施設に整備していくことも検討しております。セキュリティー上の問題や技術上の問題など整理検討する課題もありますので、十分検討しながら進めてまいります。 ◆あべ力也 委員 インターネットの接続といいますと、セキュリティーの問題とかいろんな問題があると思いますけれども、この無線LANに関しては、そういうことは関係ない構築ができると思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。  最後に、LEDのことなんですけれども、北区で街路灯をすべて省エネの観点から交換するというようなことです。世田谷区としていろいろハードルはあると思うんですけれども、LEDに関する考え方をちょっとお聞かせいただきたいと思います。 ◎河上 総務課長 LED照明につきましては、本庁舎におきまして一部試験的に導入しておりますけれども、価格が高いというような課題もございますので、今後の実用事例や価格の推移を見ながら導入を検討してまいりたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で区民の会の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時三十七分休憩    ――――――――――――――――――     午後四時五十五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 初めに、区の借り上げ施設の耐震性について伺います。  先月二十七日の区民生活委員会に上馬地区体育室の休止が報告されました。理由は、建物の所有者である東京都住宅供給公社が耐震診断をしたところ、建物の耐震化が必要と判断されたためとのことでした。診断の結果、建物のIs値は〇・三未満、これは大地震が来れば倒壊、崩壊に至るリスクが高いレベルだそうです。建物所有者による今回の自発的な調査が区営施設のリスクの回避にもつながった幸いなケースでした。  しかし、問題はこの箇所だけではありません。所管に類似物件の確認を求めたところ、旧耐震基準で建てられた建物で耐震性が確認されていない借り上げ施設がほかにも九カ所あるということがわかりました。  そこでまず、これらについて簡単なご報告をいただければと思います。 ◎岡田 経理課長 庁舎など公用のため、あるいは区民利用施設など公共用のために、他の公共的団体や民間事業者などと賃貸借契約を結び借り上げている施設は、二十一年三月現在で七十五施設ございます。これら施設の多くは新耐震基準が適用されて以降建築されたものですが、旧耐震基準で建てられた建物で耐震性が確認されていない借り上げ施設は、ご指摘の上馬体育室を除きますと九施設ございます。内訳といたしましては、職員住宅が三施設、集会施設が四施設、図書館が一施設、その他が一施設となってございます。 ◆上川あや 委員 ご報告ありがとうございます。  ただいま所管は数でのみご報告くださいましたけれども、具体的に区民利用施設のみ挙げますと、まず下北沢区民集会所、これが同じ建物の三階と地下一階の各一カ所、さらに桜上水区民集会所、成城区民集会所、桜高齢者集会所、代田のボランティアビューロー、最後に世田谷図書館となっています。このほかに職員住宅が三カ所とのことです。  区の所有施設の耐震性については、これまでに随分と議論と改善が進められてきたと私も認識していますが、借り上げ施設の耐震性については、これまで議論というものは確かに聞いたことがございませんでした。しかしながら、人が利用する以上、ここにも十分な耐震性が確保されるべきと思います。特に図書館、集会所といった区民利用の施設についてはその安全確認が急がれると考えますが、いかがでしょうか。 ◎岡田 経理課長 九つの施設の中には、近く廃止、返還を予定しているものもございます。こうした施設を除きまして、引き続き建物をお借りして区民の皆様の利用に供する施設につきましては、区の耐震診断助成の制度をご紹介するなど、貸し主の方に耐震診断実施の協議を行ってまいります。 ◆上川あや 委員 借り上げ物件の中には、世田谷図書館ですとか桜上水区民集会所が入居している建物など、決して小さくないビルも含まれています。耐震診断は建物全体として見なければなりませんので、大きい建物の場合には、区の助成がたとえあったとしても、オーナーさんの自己負担が重くなってしまいます。そうなりますと、耐震診断にご協力いただけないというケースも出てくるのではないかと思いますが、その場合はどうするのでしょうか。耐震性に懸念が払拭できないということであれば、近隣の新耐震基準の建物に施設を移すといった改善策も必要になるのではないかと考えますが、いかがでしょう。 ◎岡田 経理課長 区民の皆様にご利用いただいている施設につきましては、その施設を活動の基盤とされている団体もございますので、まずは貸し主の方と耐震診断の実施について協議してまいります。  また、ご指摘のようなケースにつきましては、必要に応じて、現在進めている公共施設整備方針の取り組みの中で再配置等の対応を検討してまいります。 ◆上川あや 委員 くれぐれも漫然とリスクを放置することがないようにお願いいたします。  続きまして、昨年九月から区庁舎に導入された緊急地震速報に関して伺います。  区では現在、本庁舎と北沢、玉川、烏山の各総合支所で緊急地震速報の受信装置を設けて館内放送を行っています。しかし、残念なことに、その避難誘導はほぼ音声誘導のみとなっています。区のうたうユニバーサルデザインはどこへやらと思うんですね。世田谷区お得意の安全安心の最新の設備でありますのに、耳の不自由な方への対処は極めて不十分だと思います。  この件に関しては、昨年六月のオウム・災害・防犯等対策特別委員会にこの設備導入が報告された際に、私からも申し上げたところですが、聞こえのご不自由に何ら配慮のないこういった避難誘導はぜひ改めていただく必要があると思います。  既に富山、滋賀、山口の各県、さらに京都市などの福祉的まちづくりの条例では、非常用警報装置にフラッシュライトや回転灯をつけて聴覚障害に配慮するべきことが施設整備マニュアル等でも明示をされています。聴覚障害者にも外国人にも一目でその意味がわかる避難誘導の絵文字、ピクトグラムと言いますけれども、これについても、十九年七月に緊急地震速報のピクトグラムが統一的に策定もされています。必要となる技術も、統一された表示も、参考となる事例も十分にあるのに、世田谷区は何一つ生かしていないのだと思います。  区民の生命と財産を守るというのであれば、聴覚障害者もその区民の中に明確に位置づけてください。ユニバーサルデザインのまちづくりをうたうのであれば、命にかかわる設備、こういったものもしっかりとそこに含めてください。区の現状での対応は看板に偽りありと言われても仕方がないと私は考えます。所管部のご答弁をお願いいたします。 ◎澤谷 災害対策課長 緊急地震速報につきましては、従来の震度情報のような事後情報とは大きく違う革新的な情報でございまして、地震の強い揺れが来るまでの間に適切な避難行動をとることで、被害の軽減が期待できるものです。  区では、昨年九月から本庁舎及び砧総合支所を除きます各支所におきまして館内放送を実施しておりまして、五月にオープンする砧総合支所においても受信装置を導入する予定です。  ご指摘のございました聴覚障害者への対応につきましては、障害をお持ちの方を想定して、声だけでなく、必ず身振り手振りを交えて避難行動を呼びかけるよう、速報館内放送時におけます職員向け行動マニュアルにより周知しており、今後も訓練等の機会を通して、職員への周知を徹底してまいります。  また、聴覚障害者への避難行動支援手段としてフラッシュ点滅型表示等の活用も考えられますが、その効果的な表示方法について検討する必要があると考えております。  今後、区としましても、ユニバーサルデザイン推進条例の趣旨も踏まえ、区内の聴覚障害者団体の意見を伺うなど、速報の伝達手法について研究してまいります。 ◆上川あや 委員 聴覚障害の方は目で見える障害ではありませんので、職員の身振り手振りということのご案内も全否定はしませんけれども、ホールにいる方、あるいは情報コーナーにいる方、通行中の聴覚障害者を職員が見分けるなんていうことは不可能なんですから、現状は既成案では不十分です。この私が求めている誘導の方法は、外国籍の方なんかにも使える手段ですので、しっかりユニバーサルデザインを取り組んでください、よろしくお願いいたします。  終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私は、振り込め詐欺対策について質問します。  他会派からも質問がありましたから、私は危機管理室に質問していきたいと思います。  新聞報道によりますと、全国で平成二十年に発生した振り込め詐欺被害額は約二百七十六億円で、ピークだった平成十六年の約二百八十四億円に次いで、過去二番目の記録をしたということです。  振り込め詐欺は、平成二十年に入り過去最悪のペースで推移していましたが、十月を撲滅月間と位置づけ、ATMの周辺に一日約六万人の警察官を動員するなど徹底的な取り組みを実施した結果、十月から十二月までの被害額を減少させることができたということです。  東京都では約六十億円の被害額があり、警視庁では九月、十月を緊急対策期間として検挙対策などを強化し、十月いっぱいを振り込め詐欺撲滅月間と位置づけ、過去に犯人が現金の引き出しに利用した場所を中心に、都内のATMの機械の前に警察官や防犯ボランティアを配置したと聞いております。世田谷区にあっても、平成二十年には約四億七千万円の被害があったと聞いています。  そこで、平成二十年度の世田谷区の状況と世田谷区はどのような防止対策に取り組んでいくのかお伺いします。 ◎岩澤 危機管理担当課長 委員ご指摘のとおり、世田谷区内の振り込め詐欺被害については大変憂慮される状況であると認識しております。平成二十年の被害件数は二百五十件、被害額は約四億七千万円で、平成十九年と比較しますと、件数では約三十件減少しておりますけれども、被害額については横ばいという状況でございます。  昨年十月、警察では振り込め詐欺撲滅月間として取り組みを進め、区におきましても、「区のおしらせ」や消費生活センターだよりに犯行の手口などを紹介し注意を促すほか、二十四時間安全安心パトロール車、災害防犯情報メール、防災行政無線塔、エフエム世田谷等による広報活動を実施したほか、十月十四日には世田谷区内「犯罪ゼロの日」に取り組むなど、振り込め詐欺防止対策を実施してまいりました。  この結果、平成二十年の下半期においては振り込め詐欺の被害件数が一年の発生件数の三〇%にとどまり、還付金詐欺については激減するなど、一定の効果が見られたものと認識しております。  今後とも警察や消費生活課を初めとする関係所管と連携しながら、繰り返し繰り返しさまざまな手法、媒体による効果的な振り込め詐欺防止対策を実施してまいります。 ◆青空こうじ 委員 よろしくお願いします。  昨年十月から十二月にかけて振り込め詐欺の被害件数は減少したと言えますが、しかしながら、本年度に入り、振り込みにかわり郵便局のEXPACKの封筒に入れて送ったり、バイク便や宅配便の業者が行くので渡してほしいなど、お金を手渡しさせる手口が増加しているそうです。  そこで、警視庁では、二月を振り込め詐欺撲滅月間とし、誘拐事件を専門に捜査する部署の捜査員も投入し、昨年十月の発生件数の半減を目指し取り組まれたそうです。  ここで心配されることは、定額給付金に関する区の職員や総務省などをかたった電話がかかってきたり、定額給付金を口実、手口とした振り込め詐欺が拡大することです。  そこで、定額給付金に係る振り込め詐欺の対策について、区の考えをお伺いします。 ◎岩澤 危機管理担当課長 本年一、二月とも件数は減少しておりますけれども、依然として振り込め詐欺の被害が発生しております。振り込め詐欺についてはその手口がさまざまに変化し、委員ご指摘のとおり、バイク便、宅配便などの手口も多くなったと認識しております。  さらに、委員ご指摘のとおり、本年は定額給付金の給付を装った手口による振り込め詐欺や個人情報の詐取について十分な注意が必要であると認識しております。  区といたしましては、昨年十一月から区のホームページ等で定額給付金に係る振り込め詐欺等の被害防止を図っております。今後、定額給付金に関する手続を区民の方々にお知らせする際にも、定額給付金担当はもちろんのこと、消費生活課を初めとして関係所管と連携しながら振り込め詐欺に関する注意喚起を実施するなど、効果的な振り込め詐欺防止対策を実施してまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 次に、世田谷区の車について伺います。  私も区役所の駐車場を利用させてもらっていますが、役所の車の交通事故と車の傷が気になります。自分の車ならこんな傷をつけないだろうと思うんですが、委員会などへ交通事故の報告を毎回受けて、そのたびに、保険で支払ったとか、あたかも役所の支払いがないような説明を受けます。確かにその事故の処理に役所から直接支払うことはないにしても、保険だとか、事故が起きることで割引率が減るか、もしくは割り増しされるか、そのあたりははっきりしませんけれども、事故が起きることで保険料へのはね返りがあると思うのですが、役所が入っている保険はどうなっているのかお伺いします。 ◎岡田 経理課長 区では、庁有車の運行に関しまして、対人、対物に損害を与えた場合、相手の方への補償を適正かつ迅速に行うために任意自動車保険に加入しております。毎年十月一日現在に保有する車両を対象に、翌年の十月一日までを期間としましてフリート保険契約を結んでおりますが、個人が保険契約する際と同様に、前回の保険期間における支払い保険金の額によって優良割引率が異なってまいります。  現在、平成二十年十月から二十一年十月までを期間としまして、四輪自動車三百二十二台、原動機付自転車百一台を対象とした保険に加入しておりますが、優良割引率は七五%で、年間保険料は二百六十六万円となってございます。  ここ数年間は優良割引率七五%が続いておりましたが、前年につきましては、その前の年の保険期間における支払保険金が例年より多額になったために割引率が四五%に落ちまして、保険料が五百六十九万円となっておりまして、事故の有無によって保険料に影響が出てまいります。
     現在、保険契約に当たりまして、全庁に向け保険内容や事故時の対応の仕方を周知しておりますが、今後とも安全運転に向けた意識啓発を一層進めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 公有車でも何でも必ず世田谷区役所と書いてあるんですから、やっぱり自分の背中にそういう看板をしょっていたら、もうちょっと運転のほうを注意していただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆畠山晋一 委員 昨日の総括領域と全く同じメンバーで、同じ質問じゃないですからね。ファイナルきょうのクエスチョンで、皆さんにとってはファイナルアンサーになってくると思いますけれども、別々のそれぞれのアンサーをお願いしたいと思います。  私のほうは、初めに、公共施設整備方針に基づく取り組みについて伺ってまいりたいと思います。  本日もるる出ておりますけれども、初めに、順次取り組まれている公共施設整備方針の確認をしたいんですが、二十一年度予算を編成された中で、約十年間の計画のいよいよ前半が終了することになりました。その方針の取り組みの成果と課題について、初めにお聞きいたします。 ◎宮崎 政策企画課長 この公共施設整備方針でございますけれども、来年度をもちまして十年の約前半が終わるという状況でございます。主な取り組みの成果ということになりますけれども、施設機能の廃止や機能転換による新しい施設ニーズへの対応、合築、複合化による効率化を行ってきております。  課題といたしましては、代替地の確保がかなり困難であったり、複合化した施設を建設することができる適地がなかなか見当たらない、こういうことで改築計画が進まないことが挙げられます。  また、現下の厳しいこういう財政状況をかんがみまして、いま一層の平準化の工夫、こういうことが課題となってきております。ちなみに施設機能の廃止でございますが、これは来宮荘を挙げております。それから機能転換による新しい施設ニーズへの対応ということではエコプラザ用賀を開設しております。そのほか、複合化については、先般来ご報告しているとおりでございます。 ◆畠山晋一 委員 最後に、三件の事例を挙げていただいたわけですけれども、今後の財政状況を考えますと、取り組んでいくペース配分なども多少見直していかなきゃいけない、もうちょっとスピードアップしていかなきゃいけないと思います。ただ、一方で、老朽化している施設の改築・改修需要も、これは待ってはくれないことも念頭に置いて、今後も対策に取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。  次に、公共施設整備方針の取り組みを進める当たっての環境面、そして省エネルギー対策をどのようにされているのかお聞きいたします。  既に国においても、今般の経済状況を回復に持っていくためのさまざまな構想として、次世代に対する投資、すなわち太陽光発電の推進が大きく環境対策として投資が求められている状況にあるわけですけれども、当区の二十一年度予算においても、民間における太陽光発電への取り組み支援が打ち出されており、評価しております。それに先立ちまして、ぜひともこういった取り組みを、公共として牽引役として行っていただきたいと思うわけです。  そこでお聞きしますけれども、この間の公共施設整備方針による取り組みの中で、特に省エネ、そして環境配慮策は具体的にどのように取り組まれているのかお伺いいたします。 ◎窪松 施設営繕課長 区では、公共施設整備に当たり、CO2削減に向けた取り組みとして、昨年の三月、公共施設省エネルギー指針を策定いたしました。現在、改築計画を進めている桜小学校、京西小学校、仮称用賀複合施設については、公共施設省エネルギー指針を踏まえて、太陽光発電を初めとし、断熱強化、ペアガラス、屋上緑化、高効率の照明器具等の採用を計画するなど、多くの省エネルギー手法を取り入れ、環境へ配慮を行っております。  このところの省エネルギー、環境配慮の技術は目覚ましいものがあります。今後とも公共施設整備に当たりましては、情報を収集、研究するとともに、性能とコストを見きわめ、CO2削減に向けた施設づくりに取り組んでまいります。 ◆畠山晋一 委員 環境対策ということで、こういった部分にはしっかりと財源を使っていただくことが、将来の私どもにとっての大きな有益となるわけですから、ぜひとも牽引役としてその点に取り組んでいただくことを要望しまして、この関連の最後に、我が党が今年度の予算特別委員会で申し上げております子育て総合経済対策と公共施設との関連をこの企総領域でお聞きしたいと思います。  世田谷区におきましても、この公共施設整備方針の取り組みにおいて、保育施設の改築需要にあわせた複合施設を先ほど答弁いただきましたけれども、定員増の対応もされてきておりますわけで、きのうの我が党の総括質疑の中でも対策を求めておりますように、昨今の保育需要はとどまることを知りません。先般、ほかの団体ではありますけれども、公共施設の中に保育施設を緊急に整備する旨の記事が出ておりました。そこで、世田谷区としてもそのようなことを有効な手段として取り入れることが可能なのではないかなと考えるわけです。  行政経営改革計画においては区有財産の有効活用という項目がしっかり入っているわけです。この項目での記載では、未活用地の活用方法としての暫定利用という表現があるわけで、公共施設そのものについて期間限定的に、保育目的に一部のスペースでも振りかえるなどの得策ができないかと思うわけですが、現在の施設の利用率を踏まえて、財務部としてこの点についてどのようなお考えを持っているのか、ご答弁をお願いします。 ◎岡田 経理課長 土地や建物など公有財産につきましては、財産台帳により管理をしておりますが、このうち建物につきましては、平成十九年度末現在で庁舎など公用施設が百三十三施設、区民センターなど公共用施設が八百四十五施設ございます。  ご指摘の点につきましては、個々の施設の利用状況、利用者や利用団体との関係、施設の修繕計画、再配置計画など、さまざまな観点からの検討が必要と思われますので、今後、政策経営部、施設所管部と十分に協議しながら可能性について検討してまいります。 ◆畠山晋一 委員 検討してまいりますというご答弁をいただいているわけですけれども、今後、保育課としても待機児の分布図というものを具体にして、実際に数値化していくわけですから、その数値化された分布図と並行して未活用地、そして有効利用できる施設を、その辺もオーバーラップして取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。  続きまして、環境問題に関連して何点か伺ってまいりたいと思います。  我が党の代表質問でも取り上げましたが、この環境対策を経済再生の切り札としていく、こういう動きが世界各国で進められ、日本も先進国としてその取り組みにおくれることなく乗っているわけですけれども、世田谷区もこれまで以上に地域から、そして、まずは私どもが仕事をしているこの区役所から、環境行動に率先して取り組むべきと私は考えております。  区役所に、ISOにとらわれない、この世田谷らしい実効性のある環境マネジメントシステムを取り入れるべきと私自身も主張してまいりましたけれども、こうした観点から、この世田谷区役所のエコについてお聞きしたいと思います。  まず、庁舎計画についてお聞きします。  昨年、区が実施した庁舎問題に係る意識調査によりますと、庁舎に省エネルギー効果の高いシステムを導入する必要性を感じているという区民が、アンケートによりますと八九・五%もいました。また、区民意識調査でも、これからも世田谷区に住みたいと思う理由はどんなことですかという定住意向理由についても、自然や町並みなど生活環境がよいということを挙げている区民が五〇%で、第三位となっております。  これらの調査結果からもわかるように、世田谷区民の環境に関する意識は非常に高く、環境がいいから世田谷区に住みたいという意識はかなりあると私自身も感じております。  こうした中、世田谷区全体の環境を行政がどのように誘導していくのかという観点から考えますと、まずはこの区のシンボルである庁舎が区民にとって模範となるような環境性能を備えることが求められてくると思います。加えて、東京都の環境確保条例が改正されて、ことしの四月から施行されることが予定されるわけですけれども、その中で、自治体についてもCO2の削減が義務化され、これが達成できないと罰則も適用されると聞いております。  そのような視点から現庁舎を見てみますと、区が策定した環境方針に基づいてもろもろの取り組みをしております。昼休みの消灯、冷暖房使用の抑制、廃棄物の減量などの涙ぐましい取り組みをされているわけですけれども、そもそもこの取り組んでいる建物自体が昭和三十五年に建設されたものでは、環境問題の取り組みにも足元から限界があるのではないかなと感じております。  そこで、世田谷区としては現庁舎について調査研究をされて、まず環境面でどのような問題点があるのか、答弁をお願いいたします。 ◎原田 庁舎計画担当課長 これまでの調査研究では、現庁舎は照明設備の点灯区分分けや冷暖房設備が個別化されていないためにエネルギー消費が効率的でないこと、また、庁舎の一部で暑く一部で寒いなどの室内温度差が生じるなど、省エネを推進するには非効率となっていること。さらに廃棄物の分別処理など、リサイクル推進のスペースが不足していることなどが指摘されています。  また、来月からは改正された東京都環境確保条例が施行されますが、そうなりますと、区役所は地方公共団体としてはもとより、区内最大の事業者として率先して環境問題に取り組まなければならないと考えております。しかし、環境確保条例に基づく温室効果ガス排出総量削減義務などを達成するには、現状の設備のままでは大変困難なことが見込まれまして、最新の設備への更新は避けて通れない状況になっていることも問題点として挙げられます。 ◆畠山晋一 委員 昭和三十五年に建設されたものでは、区内最大の事業者としての牽引役を務めることができない、それが実態である。そのような問題を解決するためには、最新設備を導入した、最新設備といっても、すべてを新しくするということではなくて、皆さんの心がけも同時に大事にするためにも、庁舎を建てかえることが最も効果的な解決策だと考えますが、一方で、解決策であると同時に、取り壊しに伴う廃材の発生や建設エネルギーのことも考えると、庁舎をなるべく長く使うことが環境にいいという意見もあると聞いております。  まず、この点について、区はどのように考えているのか、ご見解を伺います。 ◎原田 庁舎計画担当課長 建物の長寿命化を図って、なるべく長い間使い続けるほうが環境によいという考え方もある一方で、ご指摘のように、建物自体の設計段階から最新の省エネ対策技術を導入して、環境面において抜本的な改善を図るほうがよいという考え方もございます。  また、ご質問の取り壊しに伴う廃材の発生についてですが、例えばコンクリートや木材などの建築廃材のリサイクルは既にほぼ一〇〇%の再利用が可能と言われておりまして、これからは建物のエネルギー効率を高める工夫が重要となると聞いています。  庁舎問題は、環境面だけでなく、区民サービス面や災害対策面など多くの観点から検討が必要でありますが、今後、仮に庁舎改築を行う際には、このような観点から、自然エネルギーの活用など環境負荷を抑制できる最新技術を導入して、世田谷区全体の環境の取り組みを誘導できるような設計などについても検討する必要があると考えています。 ◆畠山晋一 委員 環境対策にとって、この庁舎の建てかえが一つ大きな起因になるということが、今の答弁の中でも理解できると思いますので、実際に我々の使っている環境エネルギー資源を減らしていくということ、資源を有効利用していくという意味では、この建物も一つの資源ととらえて、今後の庁舎建設に対して取り組んでいただくことを要望していきたいと思います。  同時に、環境に絡めてなんですが、区が利用している車、いわゆる庁有車について伺っていきたいと思います。  二十一年度予算の新規事業に電気自動車の導入ということで、五台で約二千二百万円と記されているわけですけれども、これは具体的にどのような車両を導入しようと考えているのでしょうか。電気自動車の導入によって同時に生み出そうとしている環境効果と経費について、まずお伺いいたします。 ◎岡田 経理課長 ご指摘の件ですが、二十一年度中に低公害次世代自動車として実用化が予定されております電気自動車を、区職員が共用して利用している貸し出し自動車に五台分、現在のガソリン車にかえて導入しようとするものでございます。ガソリン軽自動車と同規格の車体ですが、家庭用電源からの充電が可能で、七時間の充電で百六十キロ走行が可能とされております。  環境効果ですが、二酸化炭素の排出量といたしましては、発電時に発生する二酸化炭素を考慮しても、五台で年間二・五トンの二酸化炭素の排出が削減される。さらにガソリンの使用量としては、五台で年間二千五百リットルの使用量削減を見込んでおります。  経費面ですが、車体価格で一台約四百五十万円を予定しておりますが、経済産業省の補助金を一台当たり約百三十万円ほど受けることを想定しております。また、電気自動車が一キロ走るための電気代は約二円ということから、五台で年間三十万円ほどの燃料費削減ができるものと考えております。 ◆畠山晋一 委員 自分自身、ISOの疲弊とともに、財源の有効活用として、多少高価であったとしても、こういったものを購入して、将来性のある取り組みについては、ぜひこれはいいことだというふうに思うわけですけれども、ただ、購入価格だけを見ると、かなり高いなという印象は否めない。ただ、低炭素社会の実現に向けて低公害車、中でもこの電気自動車の可能性は全世界でも注目されているわけですから、区が積極的に導入に踏み切ったということは評価できることだと私自身も考えます。  今回、これは五台導入して、その後はこの五台を受けてどのように取り組んでいくのか。低公害車に関する技術の進歩は、これもまた目覚ましいものがあるわけですから、ご存じのように、先日もホンダがハイブリッド車を発表しましたし、電気バイクなども徐々に開発されている。  電気自動車をせっかく導入するわけですから、低公害車の導入に対する区としての実際の明確な今後のビジョン、そしてプランも明確でなければならないと思うわけですけれども、その方針があっていいと思うんですが、この点についての区の取り組みにご答弁をお願いします。 ◎岡田 経理課長 電気自動車につきましては、今後、生産台数の増加に伴いまして価格の低下が期待できると聞いております。また、幾つかのメーカーが新たに開発に着手したとの情報もございますので、今後、さらに導入の可能性が広がるものと期待をしております。  区職員が区内の現場を回るような走行距離の短い利用の仕方に適した車でもありますので、今回導入の電気自動車の利用状況を検証するとともに市場価格の動向も考慮しまして、今後拡充の方向で検討してまいりたいと考えております。  また、現在、ハイブリッド車は二台導入してございますけれども、ハイブリッド車の普及も広がっていることから、積極的にガソリン車からの転換を図ってまいります。  さらに、電動アシストつき自転車の性能の向上、価格の低下が著しいということで、ガソリンの原動機付自転車につきましては、原則として買いかえを行わず、電動アシスト自転車に切りかえていく方針でございます。  今後、積極的に低公害車の導入を図ってまいります。 ◆畠山晋一 委員 今、具体に方針として車のほうの取り組み、電気自転車、このハイブリッド車を区としても推進しているという意味では、ただ区をそのまま走らせるんじゃなくて、車の周りにシールを張るですとか明確にわかるようにしておきませんと、せっかく購入したものもアピールになりません。  同時に、ハイブリッド車や電気自動車が持っている一つの課題点とすると音がなさ過ぎる、音が全く聞こえないために事故になるという部分が懸案事項としても残されているわけですから、逆に、これは明確に電気自動車ですよ、ハイブリッド車ですよというふうに訴えることによって、その事故防止にも結びついてくるわけですから、その点についてはよく配慮していただきたい。  同時に、原動機付自転車をやめて電気自転車に変えていくということは、これもまた私自身もその方向で、自分自身の自転車もそう変えて便利になっています。ただ、これはバッテリーの容量についてもまだまだ開発段階にあるわけですから、その点についてもゆっくりと取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。  今回のこの質問をするに当たって、そうすると、そもそも区役所ではどれぐらい車を持っているんだろうかということに思い当たりました。地下の駐車場や城山庁舎の横などを注目して見ると、随分と車がたまっているように見受けられます。第二庁舎の地下駐車場では、いつもとまりっ放しになっているんじゃないかなというふうに思われる車も、これはあくまでも私の推測でしかないわけですけれども、そのように感じる車もあります。  そこで、支所や出先も含めて、現在区役所が持っている車両の実数について伺いますが、区役所全体として環境管理の面から走行実態などを把握しているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎岡田 経理課長 平成二十年十月現在で、区が保有して運行している庁有車は全体で三百二十二台ございます。内訳ですが、五つの総合支所に四十八台、本庁各部に七十台、じんかい車を含め、清掃事務所に七十三台、ショベルローダーなど特殊車両を含め、土木公園管理事務所に五十二台、教育委員会に十四台、その他施設に二十三台、職員への貸し出し車両が十九台、運転職員が使用する車両が貨物車等を含めて二十六台となってございます。  これらの車両の走行の実態ですが、十九年度一年間の実績で約百二十一万キロ走ってございまして、平均しますと、一台当たり年間約四千キロ弱というのが実態でございます。 ◆畠山晋一 委員 一台年間約四千キロ弱ということで、同時に清掃車両が七十三台ということで、これが多いのは理解できますし、現場主義をモットーにしている熊本区長のこと、職員の皆さんにどんどん町に出ていってほしいということから、この車の台数は、ただ、ちょっと多いんじゃないかなというふうに感じる部分もあります。  車両の数が多ければ、当然経済的なコストもかかりますし、エコの観点からといっても、メンテナンスの観点に関しても環境負荷が大きくなってくるわけです。済みません、自分の感覚ではなくて、実際、もう少し工夫をして、職場同士、職員同士で車をシェアして効率化を図ること、こういった具体的な対応ができないものかどうか、ご見解をお伺いいたします。 ◎岡田 経理課長 庁有車は、職員が現場に出向くための重要な移動手段でありますが、ご指摘のとおり、その維持にかかる経費は、ガソリン代を除きまして一台当たり年間十六万円ほどかかっております。また、駐車スペースなども間接的なコストと考えますと、車両台数の適正化、効率的利用は課題であると認識しております。  ご指摘のように、車両の集中化、共用、そのための有効な手段となり得ると思いますので、職員が利用しやすい環境づくりを含め検討実施してまいります。 ◆畠山晋一 委員 車をシェアリングすることによって無駄も省けますし、環境負荷も同時に軽減することができるわけですから、どんどん電気自動車を進めて、電気自転車を進めていただくことによって、目に見えないんですけれども、実際には環境に対して大きな効果をもたらしてくることは、これは間違いないことなわけですから、実際に今後も車両全体のスリム化にもこのことをあわせて取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、エコ区役所として、エコ車両対応としての取り組みをお願いしたいと思います。  そして、続きまして公共工事の前倒し発注について伺っていきたいと思います。  現下の経済状況を踏まえて、二十一年度予算を審議するに当たっては経済対策をどのようにしていくのか、どうやって区民、事業者を守って支えるのかが最も大きな関心事となっております。  代表質問で私どもも触れましたが、世界トップの優良企業と言われるトヨタ自動車でさえも赤字決算が見込まれるような状況のもと、実際に区内の事業者は、まさに必死の状況にあります。それでも経営が立ち行かなくなった、あるいは非常に厳しい状況にあるという事業者の話が聞こえてきますし、自分自身も、自分の地域で最も大きな不動産屋さんだなと思っていた企業が突然倒産するというような実態も目の当たりにしております。実際、区内の中堅クラスの建設事業者の倒産の事例も多く耳にしております。  こうした経済状況下では、区内事業者にとっては平常時に増して、公共事業、公共からの発注の重みが大きくなってまいります。建設業界では、実際に民需の落ち込みによって、今、民需と官需の比率が七対三から五対五になっているという現実の話も聞いております。  こうしたことを踏まえて、実際に区の契約の機会に当たって、区内事業者の育成ですとか支援の取り組みが必要で重要になってくると考えますけれども、改めてその点について区の見解をお伺いいたします。 ◎岡田 経理課長 中小企業に関しましては、地域経済の活力の維持や強化に重要な役割を果たしており、その経営基盤を強化することが、地域経済の健全な発展や区民生活の安定につながるものと考えております。  このため、区では中小企業基本法や官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律の要請に従い、中小企業の受注機会の増大に配慮した入札契約を行うとともに、区内事業者の育成という行政運営の観点からも、地域の経済、産業の発展に寄与するよう配慮することを基本姿勢としております。  平成二十一年度当初予算における前倒し発注などの取り組みを実効性のあるものにするため、今後とも競争性が確保できる分野におきましてはこの姿勢を堅持いたしまして、区の契約における区内中小事業者の受注機会を積極的に確保してまいります。 ◆畠山晋一 委員 区内産業の育成の観点からもう一点、この点について伺っていきたいわけですけれども、区内の中小企業が、昨年十二月に発表された緊急総合経済対策によって、資金需要に対して年末、年度末にかけつながりを持って対処できたという声を区内の事業者から耳にしておりますが、実際には苦しい状況にはいまだ変わりはない。  この間の理事者からの答弁にもありますが、本来、経済状況が世界共通の構造的な問題から起きているわけであって、国を挙げての政策によって乗り越えていかなければならないだろうとは思っておりますが、しかし、当面の対応は、一番身近な自治体によって、できる範囲で支援していくというふうに進めていくのが現実ではないかと考えます。  先般の公共工事の前倒しでは、時期もありまして、補正を含む二十年度予算での対応に加えて、二十一年度予算では、あくまでも予定されていた事業計画の発注時期を早めるということを基本に取り組まれていると理解しております。したがいまして、この経済情勢が続く中で、もう既に来年度後半の息切れを懸念する声も上がってきております。  そこでお伺いするのですが、緊急総合経済対策全般に対しては、今後の動向により判断するということでしょうが、この前倒し発注については、先ほどお伺いした区内産業の育成、支援の観点からも、ぜひ追加対策が必要となってくると思いますが、理事者の見解をお伺いします。 ◎板垣 政策経営部長 このたびの世界的な経済危機によりまして、区民生活や区内中小企業も大変厳しい状況にある中で、区として地域の実情に即した対策が必要と考え、今回、緊急総合経済対策を実施してまいりました。  あわせて公共工事の前倒し発注につきましても、区内の景況調査で中小企業の経営状況が悪化しているというようなことを勘案しまして、即効性、実効性のある対策が必要であるということから実施しているものでございます。  ご提案のありました追加対策につきましては、区といたしましても区内産業の育成、支援が重要であると認識しておりますが、昨日、区長からも経済対策の追加対策ということに対して答弁しましたように、今般の緊急総合経済対策全体の効果を見定めながら、今後の景気動向や国等の動きを注視する中で検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆畠山晋一 委員 私どもの区内産業を支える大事な事業者でもありますし、世田谷区にとっても欠かすことのできない産業でございますから、その点を考慮いたしまして、ぜひとも引き続き追加対策をしっかりと発表していただくことをお願い申し上げまして、上島委員にかわらせていただきます。 ◆上島よしもり 委員 それでは、畠山委員にかわりまして、私のほうから質問させていただきます。  まず公共施設の整備からちょっと質問してまいりたいと思います。  私からは、公共施設の総量のコントロールというのが必要ではないかという観点で質問していきたいんですけれども、梅ヶ丘病院跡地の利用について検討がなされまして、先般、その検討の内容というのが示されました。それで、パターンはいろいろあるんですけれども、いずれにしましても、延べ床面積が約四万六千平米程度ということで、これは大変な規模だなというふうに思います。  これは初期投資だけではなくて、やはりその後の建物の維持管理、また、この場合、健康福祉関係の施設が想定されているわけですけれども、実際、事業費も相当になると思われます。これは庁舎の建てかえというのも今議論がありますけれども、それとは全く違いまして、庁舎の場合は現存、今あって、それを建てかえるという話と、これからその四万六千平米が全く新しくできるという意味では、実際、まだ決まっておりませんけれども、これは世田谷区に大変な大きな負担がこれからかかってくる話ではないかな、実現していけば大変な負担になってくるのではないかなというところから私は質問していきたいんです。  実際、これは決まったときに相当な負担になるというふうに思われますけれども、その辺は財政というんでしょうか、実際これまで検討されてきた立場で、その辺について、公共施設全体の中でこれがぼんとふえてくるという物の考え方についてどのようにお考えかをお聞かせください。 ◎宮崎 政策企画課長 先ほど財政課長のほうからも若干述べさせていただいておりますけれども、この規模を含めますと、今委員おっしゃるように相当の財政需要が必要になってくるということは、これは間違いないことかと思っています。  ただ、その中でも、例えば一つの手法ではございますけれども、先ほど年次の分割のことも含めて申し上げてきたわけでございまして、そのほかに、この規模に係ります民間の資金力といいますか、そういうことの観点もやはり取り入れながら検討を進めたいと思っていますので、一概に区単独での財政需要といいますか、そういうところにとどまることのない研究をしていきたいと思っております。 ◆上島よしもり 委員 まず研究段階ということで、今、世田谷区にどんな施設が必要なのかということがまず重要であるという意味で、今そういったご答弁だったと思うんですが、やはりその後のことをしっかり計画していかなくてはならないと思っております。  午後の他会派の質疑が行われた中で、さまざまな用途の施設をできるだけ合築していってというお話がありました。実際、現実性として、やはり個々問題は出てくると思いますが、実際のところそうせざるを得ないというのが、今後の財政見通しというんでしょうか、これから自治体の財政状況というのが大変どうなっていくのかわからない中では、かなり切り詰めたそういう計画を立てていかなくてはならないのではないかなと私は思っております。  そういう意味で、今後の財政を考えたときに、これまでの公共施設整備方針だけでうまくいくのかなと。先ほど畠山委員との質疑の中で、合築、複合化は進めているけれども、課題としては適地がなかなか見つからないというお話がありましたが、政治判断も含めて、かなりしっかりやっていかなくてはいけない。つまり、大規模な敷地が見つかったときには、できるだけそこに集中させていくとか、もしくはこれは所管は営繕のほうになるんでしょうか。施設の台帳というものをしっかりと見て、本当に利用が高いところ、そして利用の低いところをやっぱり取捨選択していくといったような作業をこれからしていかなくてはいけないのかなとも思っておるんです。  その点、公共施設整備方針で現在やっておりますが、今後、それをさらに厳しくした考え方、そういったものも必要性が出てくるのではないかというふうに思うんですが、その点については、いかにお考えでしょうか。 ◎宮崎 政策企画課長 今お話しのように、施設を建てる際に、当然その後の運営経費が非常に重要になってきます。梅ヶ丘病院の調査研究におきましても、この調査研究の一環といたしましては、以後の経常的な経費もやはり視野に入れた中での調査研究を進めさせていただいています。  お話しの公共施設整備方針による取り組みにおきましても、この方針ができた以降、施設として調査をさせていただいた百二施設の中で、まだ手がつけられていない施設も含めてが約六〇%ぐらいの規模でございますので、それは今申し上げております数字は、やはり具体的に改築、改修など何らかの対応をしたほうがいいという施設は、私どものほうでは四十九の施設を今のところカウントしております。その中で今手がつけられたのが先ほどのような比率でして、これに関しましても、今後まだ引き続き残り六年間の中で手当てしていかなきゃいけないということで見込んでおります。  その中で、今お話しのように、確かに財政状況を含めての部分が厳しくなってくる中では、今まで複合化を中心に進めてきたわけでございますが、先ほど来出ています施設に対する物の考え方としての長寿命化、それから改築・改修経費の縮減、さらには、いわゆる年次割りの部分におきましての平準化、これらがかなり求められてくると思っていまして、この辺のところを十分検証しながら、今後とも財政負担の軽減も図りながら進めていきたいというふうに考えております。 ◆上島よしもり 委員 これから財政状況がどうなっていくかわかりませんけれども、どのような状況になっても、その都度シフトができるように、やはり計画というんでしょうか、もしくは見通しというものを持ってやっていただくことが肝要だと思いますので、ぜひその点をお願いしたいと思います。  それで、一番初めに聞いたときに、民間活力ということがお話に出てきましたけれども、実際、梅ヶ丘病院跡地の利用が実現化したときに、その負担をできるだけ抑えていくには、やっぱりおっしゃるとおり民間活力をどこまで活用できるかというところにかかっていると思うんです。  そういう意味では、いわゆるPFI導入というんでしょうか、民間活力の誘導というのを本当に世田谷区はどこまで検討されているのか。言うなれば、そういう民間の活力をどこまで引き出せるかというぎりぎりの、いわば交渉していく、そういう人材というのが、今世田谷区の中でいらっしゃるのかなという危惧もあるわけですけれども、その辺の人材育成というものも、もはやしっかりとやっていくべきではないかなと思っておるんですが、その点についてはいかがでしょうか。 ◎宮崎 政策企画課長 確かにそこまでのいわゆるプロ化された職員というのは、なかなか庁内の中にもいないということもありまして、今般はコンサルティングを使いながら、そういう観点についても、いろいろな角度から今調査研究をさせていただいているところでございます。これだけの規模の施設の調査研究というのが今後あるのかどうかというのは正直わからない面もございますけれども、ただ、公共施設を含めて全般に考えたときに、やはりいろんな手法を持っているということは、自治体にとりましてかなり有利になってくる時代が来るんじゃないかということもありますので、引き続きそういう観点でも、いろんな培った経験を今後にも生かしていきたいというふうに思っております。
    ◆上島よしもり 委員 多分やり方によっては、当初の年度ではそんなに変わりはないかもわかりませんけれども、実際事業が進めば何十年とかかるわけで、その間にその差というんですか、何千万円、下手をすると何億になる可能性がありますので、やはりその辺の人材育成にはそれなりの投資をしていく価値は十分あると私は思いますので、ぜひその点はお願いしておきたいと思います。  それでは、次の質問に入ります。  次は、電子政府世田谷に関連し何点か伺っていきたいと思います。  本年一月五日から住民サービス系の基幹システムが刷新されまして稼働しております。二十年間使っていた大型汎用機からサーバーのシステムに切りかえたということで、区のICT政策としても本当に大きな作業だったと思います。かつてみずほ銀行がシステムの切りかえの際に多くの障害を発生させ、利用者が大変迷惑を受けたことが記憶にあると思いますけれども、公共においても、やはりサービスがとまるようなことがあってはならないわけであります。  一月からおおむね順調に稼働しているようでございますけれども、システムの稼働は、やはりゴールではなくてスタートであって、これからだと思っております。この動き始めたばかりのシステムでありますけれども、今後を見通した上で、区としてはどのような課題、また問題点をお持ちか、まず伺いたいと思います。 ◎栗原 情報政策課長 住民サービス系の基幹システムにつきましては、一月五日より稼働を開始しまして、大きな混乱もなく二カ月が経過いたしました。  今後の課題でございますが、大型汎用機で稼働していた十三の業務を一度に移行したため、日々の運用もすべて再構築することになりました。このため、毎日の膨大な運用はきちんと手順を組み、作業による人的ミスが起きないように精度を上げて取り組む必要があります。また、何度もテストをして稼働させておりますが、稼働後一年間は、初めての業務処理については必ず検証環境で検証いたしまして、再度確認してから本処理を実施するようにしてまいります。  区民の皆さんに直接かかわる業務処理につきまして誤処理がないように、重ねて慎重に対応してまいります。 ◆上島よしもり 委員 やはり行政のシステムやネットワークというのは、今や区民サービスのために不可欠なものとなっております。事故を起こさないことが最も重要ですが、加えて質の向上を図りながら、より一層区民サービスを向上させていただくよう要望しておきたいと思います。  次に、最近、ICT関連業界では注目を非常に浴びておりますクラウドコンピューティングに関して伺ってまいりたいと思います。  私も実は最近知ったばかりでございますが、クラウドコンピューティングというのは、インターネット上に分散されたコンピューター資源を使いまして、利用者に情報サービスや業務処理サービスを提供するというものであります。クラウドというのは雲のことでありまして、なぜ雲なのかは、従来からインターネットを雲の絵であらわしたためとか、また、漠然と雲の向こうでだれかがどこかで処理していっているからとも言われております。  この考え方では、業務処理をするための大規模な機器を自前で持たなくても、インターネットの向こう側で確保されていて、それも世界じゅうに拡散している何万台もの機器が必要なときに必要なだけ使えるというものであります。所有から利用へという言葉でもあらわされますが、機器を持って、それを管理するのではなくて、インターネット上にある機器を有効に利用していこうというものであります。  その際、どの機器を使うかとか、その機器がだれに管理されているかなどは気にしなくてもよくて、ただ利用者はインターネットにつないで、欲しいサービスを得ればいいというものであります。簡単な例えで、発電所がどこにあるか考えなくても、どこでもコンセントさえつなげば電気というサービスを受けられるのと同じと言われております。  Googleとか、Yahooとか、Amazonなどのインターネット利用の国際的な企業がこの技術を使ってサービスを提供しております。これらの企業の中には、個人的なインターネットサービスだけでなくて、企業に対し業務サービスを提供しております。  例えば社内メールを例に挙げますと、従来、どの企業も社内で機器を設置して、運用担当者を置いてリース料や保守費用を払ってメールシステムを維持していたわけでございますけれども、このクラウドコンピューターのサービスを受ければ、低廉な利用料のみで同じサービスを受けることができます。これだと情報システム部門は機器の管理をする必要がなくなり、経費も劇的に下がるわけであります。  低コストの上にサービスの質を確保できるのであれば、区の住民サービスの中で活用していくことを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお伺いいたします。 ◎栗原 情報政策課長 世界に分散配置したサーバーをサービス提供のために一体的に利用するというクラウドコンピューティングの考え方は、今最も新しいICT技術の一つとして認識しております。現在、区では、ホームページの検索サーバーを立ち上げ、検索ソフトを使ってホームページ内の単語検索サービスを利用者に提供していますが、これをGoogle社のクラウドコンピューティングの技術に置きかえることを検討しております。  検索能力を比較するテストを実施した結果、単語検索の時間や精度については現在より向上することが確認できましたし、また、使用料の負担もございません。また、現在の検索サーバーも不用になり、維持管理経費の削減が可能になります。区にとって大変メリットのある技術導入ですので、進めてまいります。 ◆上島よしもり 委員 ただいまホームページでの活用というお話がありましたが、ホームページであれば、個人情報等のセキュリティーの問題とは無関係でありますので、クラウドコンピューティング導入として最適な選択だと私は思います。  以前、区のホームページで、ある言葉で区のホームページ内で検索をかけても出てこなかったものが、民間の検索システムで検索をかけたところ、探していた世田谷区のページがすぐに出てくると言われておりますけれども、区民サービスの向上という意味でも、ぜひこの点は進めていただきたいと思います。  さて、ホームページ以外での活用を考えられないかと思いまして、基本的な課題を調べたところ、幾つか出てまいりました。一つは、独自のシステム変更を行おうとした場合、迅速な対応ができない、もしくは変更そのものが拒否されるということがある。そしてもう一つは、データがクラウド側に集約されるため、クラウド提供者に何らかの障害が生じたりサービス停止状況に陥った場合に使用ができなくなる。そして三つ目として、独自回線ではなく通信会社の回線を使用している場合は、このクラウド側に集約されているデータが攻撃を受けたり、また流出する可能性がある。いずれも公共にとっては致命的な課題でありますけれども、しかし、これらは独自のクラウド、独自のインフラさえ用意していれば解決されるようであります。  こういったクラウドコンピューティングですが、実は今後の電子政府の担い手になる可能性が出ているようであります。総務大臣の私的懇談会であるICTビジョン懇談会が政府の経済成長戦略の策定に向けて緊急提言をまとめておりまして、これが、さきの二月二十三日に総務省から公表されています。この中で、年間六千億円規模の構築・運営経費がかかっている現在の電子政府の取り組みについて、クラウドコンピューティング技術などの革新的技術を積極的に取り入れた情報システムの統合化等に速やかに着手し、大幅なコスト削減を目指すべきというふうに述べられております。  まず、私は霞が関で年間六千億円も電算処理にかけているということ自体驚いたわけでございますけれども、実際、そのもとで社保庁の年金問題等が発生しているわけですから、これはしっかりと今後整理をし、統合していく方向に行かなくてはならないというふうに思っております。  そこで、現在はあくまで提言の段階で、実現する手法や方向性はこれから実際動くように聞いておりますけれども、国の電子政府構想も、流れは今やクラウドコンピューティングのようであります。  そこで質問させていただきますが、国がこのように新しい形のシステム構築をしていくとすれば、何らかの形でそのシステムに乗っかっていく、もしくは一部利用させてもらうといったことも考えられると思いますし、また、同様のシステムで、東京ないしは全国の自治体がクラウドコンピューティングでシステムを共有するといった流れも考えられると思います。  さきに質問しましたとおり、我が区では新しい基幹システムが稼働したばかりでございますけれども、やはりトータルコストの観点から、こういった新しい取り組みの研究をしていくべきとも考えますが、いかがでしょうか。 ◎栗原 情報政策課長 クラウドコンピューティングにつきましては、今後、ICTの重要な技術となっていく可能性があります。しかし、委員ご指摘のとおり、経費削減効果がある一方、迅速性、継続性、またセキュリティー確保等の面でさまざまな課題が指摘されております。このため、国の動向を注視しつつ、技術面について研究をしてまいります。 ◆上島よしもり 委員 一部では、このクラウドコンピューティングを導入して、霞が関だけでなくて地方自治体全体も、いわば日本全体でこのIT行政の効率化、合理化を進めていこうという、そういった意見も出ているようであります。ぜひ世田谷でも国の動向を注視しながら研究していっていただきたいというふうに思います。  続きまして、次は広報について質問してまいりたいと思います。  まず初めに、これは九月に質問したことであるんですけれども、地域で行われているイベントや行事のホームページ、もしくはさまざまな区の広報媒体での掲載について、ぜひ整理をして行っていただきたいというふうな質問をさせていただいたところ、今後、一定のルールを考える等を含めましてさまざまな工夫を考えていきたいと考えていますというようなご答弁をいただきました。  ぜひ新年度には一歩前進してもらいたいというふうに期待をしておりますけれども、その点、いかに検討を進められそうでございましょうか、お聞きしたいと思います。 ◎福田 広報広聴課長 昨年、委員のほうから、町場でやっているイベント等につきまして、また、こうしたものが長く続けているものであれば、区のホームページでも取り上げたらどうだろうか、このようなご質問をいただきました。  この件につきましては、区のホームページは原則、区が今行っている行事、または協賛している行事を掲載しているところになってございますけれども、町場で行っている文化的、歴史的というか、そういうふうな事業をホームページに載せるに当たりましては、やはりどの行事を載せたらいいのか、またはそうした行事を判断する場合の基準をどうつくったらいいのか、また、これを区で受け取るための制度的な体制も含めましてどうやったらいいのか、こうした課題が今残ってございます。また、こうしたことを進めるに当たっては、当然庁内においても基準が必要であり、これをつくり上げていかなくちゃいけないと思います。  現在、広報広聴課の中で情報収集を行うとともに、関係組織との調整を今行っている最中です。まだ検討の過程にある、このような段階でございます。 ◆上島よしもり 委員 やはり広報広聴課だけでは判断できないことだと思います。市民活動推進課、もしくは各地域振興課等々、その辺としっかりと調整した上で、かつそのことによって一部の方から文句が出たり、そういうちょっと行き違いがあってはいけませんから、これは慎重にやっていただきたいと願いながらも、やはり来年度といいますか、新年度に一歩前進できるように、またご努力をお願いしたいと思います。  次に、広報紙の内容についてお伺いしていきたいと思います。  広報紙、「区のおしらせ」は年間五十以上発行されていると思うんです。大変な量を発行されているわけですが、これは、やはり政策を区民に伝える、区が今何をやっているのか、どこを目指しているのかということを伝える一番重要な広報媒体だと思っております。  改めて言うまでもありませんけれども、現在の区報では、一面にすべての政策的なことが集中していて、一見、ぱっと見たときに文字が多かったり、なかなかわかりづらかったりということは、私はいろんな方から聞いておりますけれども、世田谷区の広報の問題というのは一つそこにあると思います。  実際、そこを一枚めくればその詳細な内容が出ているかと思いきや、募集の内容が急に出てくるといった世田谷区の広報でございますけれども、やはり政策をしっかりと伝えるという意味では、今後、構成上の大幅な改定をしていく必要があるのではないかなと私は思っております。  また、昨年の九月議会でも私のほうから、文字を大きくしたり、また、図や写真などを多用すべきではないかということも言わせていただきましたが、そういったことを踏まえて、ここで紙面の構成を大きく見直してはどうかというふうに思うんですが、その辺はいかにお考えでしょうか。 ◎福田 広報広聴課長 「区のおしらせ」は、区が区民の皆様にさまざまな情報提供する広報手法であり、よりわかりやすく見やすく情報をお伝えすることが必要であると認識してございます。  昨年、専門家による広報紙の診断を行いました。その結果、全体の評価としては真ん中より少し上との評価でしたが、委員ご指摘のように、やはり政策的記事における企画や紙面構成が不十分であるとか、お知らせ情報のテーマ分類がアンバランスであるとか、また、提供する情報量が多過ぎて読みやすさに欠けているなど幾つかの指摘を受けました。広報広聴課では、それらを踏まえまして、この間、「区のおしらせ」の見直しを検討してまいりました。  今後の改善点でございますけれども、まず一つ目といたしましては、政策広報をより充実させるため、重要施策や計画などの政策情報を表紙から三面にかけて一連のものとして提供していきたいと考えております。今現在は、表紙をめくりますと、四面、五面のほうが政策情報になっていますけれども、表紙をめくってその二面以降のところで連続的に政策情報を提供し、区民の方に読みやすい、こうした試みを一つの改善案として検討してございます。  また、二点目といたしましては、募集や国保年金など、区民生活に密着した生活情報の情報区分がありますけれども、これをさらに一部細かくして、より検索しやすい、こうした情報分類を考えていきたいと思っております。  また、三点目といたしましては、より読みやすくするために、掲載の字体でございますけれども、その字体について丸ゴシックであるとか幾つか、やはり見た目で読みやすいということもございます。こうした字体の研究も進めまして、より読みやすさ、こうしたもの自体を追求していきたいと考えてございます。  これらを今検討している段階であり、来年度の早い段階において実現したい、このように考えているところでございます。 ◆上島よしもり 委員 来年度の早い段階でということでございます。期待しております。  そこで、実際、新しくそういった紙面ができた後の話ですけれども、後というか、現在もそうなんですが、この配布方法ですね。新聞折り込みを今やっておりますけれども、その実際の部数がかなり減ってきているというふうに伺っておりますが、この折り込み部数の変化というのはどのようにとらえていらっしゃって、実際、今後、広報のあり方として、その辺の課題をどのようにとらえているかというのをお聞きしたいと思います。 ◎福田 広報広聴課長 新聞部数の購読者の減少でございますけれども、ここ二、三年顕著でございます。昨年の四月段階で、世田谷区内において三十一万二千部出していたものが、本年度に入りまして二十九万八千部と、この一年間で約一万四千部の新聞購読者の減というふうに聞いてございます。  今現在、「区のおしらせ」等は新聞折り込みで配布すること自体を主流として配布しているところでございますけれども、今後、新聞折り込みの部分が減ってくることになりましたら、やはり区民の方に公平に情報提供していく、こうしたものに影響を与えてくる、このように認識しております。 ◆上島よしもり 委員 この広報、「区のおしらせ」というのは、やはり公平に区民にしっかりと配布していくという大前提で当面はやっていくべきだと思っております。そういう意味では、そろそろ全戸配布というようなことも考えなければいけないのかなと思うんです。  そのときに全戸配布の手法なんですが、いわゆる業者にお願いするというのが一つの方法だと思うんですけれども、これはできるかな、できないかなという不安もありながらも一応提案させていただきますが、地域の活力を活用した配布方法というのは考えられないのかなと思います。当然配布期間が余り長引いて、早く受け取った方と後から受け取った方で差が生じるという問題があれば問題だと思うんですけれども、区報の「区のおしらせ」の性質上、多少差があってもそんなに問題がないのではないかなというふうに私は思うわけですが、その辺、地域の活力を活用した配布方法などの研究、全戸配布のやり方についての研究というのはどのようになされているか、お伺いしたいと思います。 ◎福田 広報広聴課長 もし仮に、今後全戸配布を実施する場合でございます。今、他の自治体の中において全戸配布をやっているところにつきましては、事業者を活用してやっているのが主流となってございます。ただ、今委員ご指摘のように、こうした全戸を行っていくときにおいては、町会であるとか自治会等町場のご協力、またはシルバー人材みたいな活用、こうしたものも検討対象として広く考えていくことも一つの考え方であると思っております。  また、その際には、全戸配布にかかる経費であるとか、今お話にございました配布日数等の問題、それぞれのメリット、デメリット等を調査比較して、また、他の自治体の状況等も参考にしながら、より効率的な配布を検討していかなければいけない、このように思っております。 ◆上島よしもり 委員 今、「区のおしらせ」は五十何回発行しております。私が同時に考えていただきたいのは、先ほど午後の質疑でメールマガジンのお話とかもありましたけれども、いろんな広報媒体が出てきている中で、どの情報をどの媒体で知らせていくか。あくまで「区のおしらせ」というのはすべてを網羅して、そしてすべての方に届けられるというのが基本だと思うんですけれども、それを何でもかんでも「区のおしらせ」に載っけるのではなくて、今後、ある程度情報の整理をしていっていただいて、できるだけ少ないコストで効果的な広報を行っていく、そういう全体の計画というんでしょうか、全体の構成をいま一度考えていっていただきたいなということをお願いしておきます。  あともう一つ、危機管理の広報についてお伺いしたいと思います。  震災やパンデミックの際など、危機管理の広報というのは非常に重要なんですけれども、この危機管理の際の広報というのはどのような体制を考えていらっしゃるのか、その点だけをお伺いしたいと思います。 ◎福田 広報広聴課長 いつ起こるかわからない震災やパンデミックのときにおいて、実際、広報がどのぐらいまでできるか、こうしたことはいつも問題になるところでございます。  さきの中越沖地震の際などでは、広報紙の発行がなかなか手間取る中で、FMラジオやホームページが有効な情報伝達手段となったと聞いてございます。災害時に区民が知りたい必要な生活情報を迅速に提供していくためには、こちらの発信体制や町の被害状況など、現実的な情報をもとにどのような情報提供手段を選択する必要があるかを考えなければなりません。  具体的には、被害が大きければ広報紙の発行は難しく、エフエム世田谷や区のホームページ、またメールマガジンなど、貴重な活用できる手法から情報提供を行っていかなくてはならないと考えてございます。  今日、危機管理広報は、地震などの大災害だけではなく、緊急的な対応においても喫緊の課題となっております。現在整備しております水害時や災害時の広報とともに、震災やパンデミックの際の広報につきましても、関係所管と連携をとりながら、より具体的な取り組みに対応していきたい、このように考えてございます。 ◆上島よしもり 委員 現在策定中の事業継続計画、BCPの中でも、これをしっかりと位置づけていっていただいて、有事の際に広報が機能しなかったということがあっては大変ですから、やはり災害時の情報というのは非常に重要ですので、しっかりやっていただきたいというふうに思います。  もう一つ、実は、きょう最後の質問でしたので、その間、災害対策という質問が随分出てくるかなと思って質疑のことを考えていなかったんですけれども、なぜかきょうは災害対策について余り出てまいりませんでした。特に震災対策について、これまでも課題がいろいろ提起されておりますけれども、新年度、どのような取り組みを、どこに力を入れてやっていこうというふうにお考えか、その点をお聞きしたいと思います。 ◎澤谷 災害対策課長 区民の安全安心を守ることは区政の最大の課題ということで受けとめておりまして、いつ起こるかわからない水害対策も含めまして、常に緊張感を持って取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆上島よしもり 委員 済みません、もう少し具体的に伺いたかったんですが、ちょっと急なあれでしたので。  一つ、これは、もしかしたら所管が違ってしまうのかもわかりませんが、避難所運営なんです。やはり小学校、中学校、それぞれ避難所運営態勢を組むということだと思うんですけれども、そこで各場所でかなり開きが出ているなというふうな感じをちょっと受けております。  つまり、実際にいろんな地域の方が集まって計画を立てたりしておるんですけれども、その地域によって随分差が出てきているかなと思っておりますので、新年度、やはりその辺の差を縮められるように、当然地域の方が主体ですから、区のほうから余りやり過ぎるのもいけないんですが、その辺をどうやって押し上げていくかというのは、やはり一つ重要な課題かなというふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わりまして、川上委員にかわります。 ◆川上和彦 委員 ついに最後の質問者というふうになりました。昨日、総括質疑では朝十時半の一番バッターで、きょうは最後ということで、委員会室の雰囲気の違いを肌で感じているわけでありますけれども、質問の続く限りやらせていただきたいと思います。  昨日に引き続きの課題もあるわけでありますけれども、まず最初に、先般の本会議に就学援助条例に係る議員提出議案がございました。既に文教委員会に付託されておりますので、本日の当委員会での直接的な所管分でないことは十分承知しておりますけれども、本日は法規担当の方も出席をされておりますので、一般論として二点ほど確認をさせていただきたいと思っております。  まず条例というものはそもそも何なのかということでございます。当然法令等の規定に、条例で定める、つまり中身を条例で定めなさいというものがございます。また、そういうふうにゆだねられて決めていくものが数多く存在しているということは私も十分わかっております。その一方、法令に抵触しないことを前提に、自治体みずからの判断として規定をするというような場合も当然ございます。  そこで、最も基本的なことに立ち戻るようでありますけれども、なぜ条例の可否を議会で決定しているかということになるわけであります。これは当然のことですが、議員が区民から選ばれた区民の代表であるということでありましょうし、そして条例がその区民にとって、時には権利関係にも及ぶということや、有利、不利が生じてしまうというような、そのことがあるからというふうに思います。  今申し上げたことについてでありますけれども、余りに初歩的な質問かもしれませんが、条例というものはそもそも何なのかということについて、区側の見解をお聞きしたいと思います。 ◎志賀 区政情報課長 日本国憲法第九十二条に規定されております地方自治の本旨とは、団体自治と住民自治の観点から成り立つものと言われてございます。地域の行政を住民がみずからの意思と責任で処理することが住民自治でございますが、その重要な手段が条例の制定であることはご案内のとおりでございます。  条例というものは、地方自治体が制定できる最高法規でございまして、住民の代表である議会においてご審議いただき、議決を得て制定するものでございます。したがいまして、条例というものは、住民だれにとってもわかりやすいものである必要があると考えてございます。  条例は、区民の皆様方の生活に深くかかわりを持つものでございますので、過大な義務を課したり、不当に権利を制限したりすることがないようにしなければならないことはもちろんのことですが、あいまいな表現により疑義が生じることのないよう、正確なものでなければならないと考えております。 ◆川上和彦 委員 私もそう思います。  その上で、もう一点お聞きしますけれども、条例の規定にもさまざまあるわけでありますが、今、答弁でもありましたように、今回のような対象範囲を決めるようなものも多く条例の中にはあるわけでございます。通常の場合、区長からの提案が多いわけですけれども、その際、理事者側が条例案を策定していくときにどのような検討がなされているのかということでございます。  例えば何かの給付を目的に定める条例であるならば、その対象者を決めるに当たり、最も基本的な原則を規定する際にあいまいな表現はできないだろうというふうに思いますし、区側の答弁にもありましたとおり、区民が見て疑義が出ないようにすることが、まずは規定する際の最低限のルールだろうということは私も理解しております。  そこで、政策部門にお聞きしたいのですけれども、日ごろから政策決定を経ていく過程において、特にどの範囲を対象とするかというようなケースが多くあると思いますが、それらを決める際に、特に検討している、留意している点というのはどういう点でございましょうか。 ◎宮崎 政策企画課長 今条例の制定、改正の関係でございますが、個々の条例によりまして制定してきた経緯に基づきまして条文の規定を策定しているところでございます。その規定を策定する場合には、先ほど区政情報課長からも申し上げておりますように、区民にとりましての権利義務関係が生じるものは当然のこと、例えば料金徴収を定めているような場合におきましても疑義が生じないようにすることを十分配慮しているところでございます。  例えば施設利用料におきます承認料金制に係る場合、条例上、上限額の設定を行っておりまして、議会において議決された範囲内において具体的な料金体系を、区長の承認を経まして定めさせていただいております。これは区民にとりまして過度の負担にならぬよう、議会によるチェックをいただいているものと認識しております。  対象者の範囲などを規定するような場合におきましても、区民にとりまして該当、非該当が生じるわけでございますので、この条例の定めている目的に照らしまして、区民の納得性を得られるよう、今後とも留意してまいりたいと考えております。 ◆川上和彦 委員 今の答弁で、当然のことでありますけれども、対象者や給付などの範囲を規定する際には、条文にあいまいな表現などがあることによって、例えば「以上」という言葉であるとか、そういうようなことで疑義が生じる可能性がある場合には大混乱が起きてしまうわけでありますし、その点をしっかり頭に入れて、我々も審議をしていかなければいけないというふうに思います。  それでは、次の質問に移ります。  先日、新聞のコラム欄に「発信力」という記事が載っておりました。ごらんになった方もいらっしゃると思います。記事の内容については、他自治体のことでございますので細かい言及は避けますが、要は広報のあり方として、この記事にもありましたけれども、よい政策も広く伝わらなければ意味がない、政策立案能力も大切だが、それを伝える広報力も同様に重要だというような意味のことであります。まさに現在の役所の広報について鋭いところを突いているというふうに思います。別にこれは役所の広報の窓口である広報広聴課に限って言っているのではなくて、区役所全体に言えることだというふうに思っております。  例年の区民意識調査で区政の取り組み、これは何年か前から、たしか項目に入ったと思うんですけれども、そこで主な重点事業の取り組みを知っているかどうかというのを聞いたところ、これは毎年のことでありますが、一番認知度の高いのがたまがわ花火大会の再開、これは約六割ぐらいでありました。これは、私も私の知り合いに、花火が上がっているのを見て、あれっ、花火はやめたんじゃないのと言われて、いやいや、また再開したんだよ。ああ、そうなんだというような、これは私の広報ですね、というようなことで認識された。花火が上がりますから、見ている方は区民の方が多いわけでありましょうが。  今予算委員会でも話題になっている、例えば子育て関連の施策については、子育てステーションの整備、認証保育所の拡充であるとかいうような部分については八割から九割の方が、知らない、余り知らないというふうに回答しております。多分この現象は、決して世田谷区だけの状況ではないというふうに思いますし、よく言う政治への関心が薄いというようなことにもつながるかもしれません。それは我々にも責任があるわけでありますし、それに関心を持たない区民にも責任の一端はあるのではないかというふうに思います。ただ、責任はだれかというようなことを言うつもりは全くないんですよ。  先ほど我が会派の上島委員からも広報紙のことについてお聞きしておりますので、私からは少し角度を変えてお伺いいたします。  その前提に、まず平谷副区長にお尋ねをしたいんですが、今申し上げたような区民意識調査の区民の現実というか実情についてどのようなご感想をお持ちになるか、お聞かせいただきたい。 ◎平谷 副区長 今おっしゃるように、まず発信力が大切というふうなことは、私もそのように思います。かつて広報をめぐりましてご答弁した際に、私どもが一方的にまず伝えるというのではなくて、伝わるというんですか、届くという、そういうことが大切であって、その際に大切なのは、区民とともにある広報ということを申し上げたことがございます。  その意味合いをあえて補足いたしますと、私ども職員、職層にかかわらず、すべての職員が日々、多くの区民の方ですとか団体の方と接している場面があろうかと思います。そういった日々の仕事を通じて、相手の気持ちだとか考え方だとか、そういうものを受けとめられるとか、あるいは共感できるとか、そういったことがやはり原動力になるんだろう。そのことを常に考えながら仕事をすることが、仮に広報であれ、仕事を通じてであれ、発信力につながっていくんだろう。そういうことを、今お話を伺っていて、改めて痛感をいたしました。 ◆川上和彦 委員 このコラムの後半に、内閣府が二月二日に公表した国民生活選好度調査という結果が出ておりまして、その結果には、さらに深刻な状況もかいま見えると。国や自治体が法令や政策を策定する際に、最終案を国民に示し意見などを求めるパブリックコメント制度を知らない人が、実に八八%に上るというのだ。投稿したことがあるというのはわずか一%にとどまった。  さらに、パブリックコメント制度について、知っているが、意見を出したことがないと答えた一一%の人からは、意見を投稿しても何も変わらないが二六%、投稿方法がわからないというのが二五%、個人情報などの管理が不安だという方が二一%というようなことでございます。  今副区長も述べられましたけれども、知られる工夫をすることが大事だということと、持たれない現状も問題であるというようなことだと思います。  これで、私、実は何年か前に役所の職員の方、記憶が定かじゃないんだけれども、多分議会の前に取材か何かをお願いしたところ、支所の方だったんですが、その日はちょうど地元の説明会があるということで、夜は六時から七時だったか、七時から八時だったか、説明会があるので、それが終わってからだったらお会いしていいですよというようなことがあって、じゃ、終わってからお願いしますというようなことでお会いしました。その説明会はどうだったんですかというふうに話を聞いたら、だれも来なかったと言うんですよね。えっ、だれも来ないんですかと。周知はしたんですけれども、だれも来ないんですと。ただ一時間、六時から七時なのか、七時から八時なのか忘れましたが、その時間、役所の職員の方が説明会用にいて、だれも来ずに、八時になったので、終わって閉めてきたという状況です。  そうとは言わないけれども、やればいいんだ的な部分というのが果たしてあっていいのかと思うわけです。だから、このコラムにも書いてありますが、正式な手続を踏んでいると胸を張って言えるのかというような部分というのは、まさに問われている部分だろうと思います。  そこで、先ほど言いました説明会、あるいはシンポジウム、それからホームページや広報紙、エフエム世田谷など、さまざまな情報を発信しておられることだろうというふうに思うわけでありますけれども、今言ったような状況も考えると、このさまざまな取り組みをもう一度再評価して、区全体として広報のあり方について考えていかなければいけないと思うんですが、その辺についてご答弁がありましたらお聞かせいただきたい。 ◎福田 広報広聴課長 先ほど副区長からも答弁がありましたけれども、広報にあっては、区民の皆様が知りたい情報、知っていただきたい情報を提供することが大切であり、さらに、単に伝えるだけではなく、伝わる工夫をするなど、情報の受け手である区民の皆様の目線に立った情報発信、こういうことが重要であると考えてございます。  区では、先ほどもありました、ご答弁させていただきましたけれども、なるべくわかりやすく読みやすい「区のおしらせ」の紙面の見直しであるとか、現在、ホームページの再構築など、まず伝わる工夫について取り組んでおります。
     今後とも広報広聴全体を再評価し、区民の皆様の目線に立った広報戦略の構築、こうしたものを、委員ご指摘のとおり、我々一人一人が考え、そして情報発信力、こうしたものを高めていく必要がある、このように考えます。 ◆川上和彦 委員 今、組織名称は広報広聴課というふうになっているわけですけれども、広報というのは発信する側、広聴というのは聞く側だから、受信する側というんですかね。例えば人間の体では口が広報ですよね、耳が広聴ということで、これは私の一つの考えですよ。例えば広報広聴という部分を切り離して考えるとかいうような部分も必要じゃないか。口では聞けませんから、耳ではしゃべれないわけですし、そういう意味では目は物を言うと言いますけれども、耳は物を言うとは言いませんので、その辺も考え、たとえで言っているだけなので、具体的にどうだというようなことではないんですが、そういうような観点で物を考えることも大切じゃないかというのがある。  あと、もう一つは、読まれる広報みたいなものを考えたときに、やっぱり民間のいろんなノウハウを導入するとか、余りタウン誌みたいになっても困るんでしょうけれども、魅力ある広報の一つの考え方として、そういうようなことも必要なのではないかなと思います。我々も引き続きまたさまざまな提案をさせていただきたいというふうに思いますので、ぜひ今の答弁のように情報発信力を高めていただくよう努力をお願い申し上げます。  それでは、次に参ります。  これは昨日、総括質疑でも申し上げましたことでありますが、既に理事者からも何度も答弁が出ておりますように、平成二十二年度以降の財政状況ということで、今まで以上に厳しさが増してくるのではないかということであります。  私も自民党の議員でありますが、麻生総理が三年ぐらいで景気は回復するというようなことを言われておりますが、私個人の考え方としては、先ほど他会派からも出ていましたけれども、到底回復するような状況ではないのではないかというふうに実は思っております。  そんな中で、現在、区は、平成二十年度からの実施計画あるいは行政経営改革計画を中心に、外部評価委員会などの意見を聞きながら点検、見直しを進めていくということでありますけれども、現段階において何らかの観点をお持ちだろうというふうに思うんですが、それについてどのような考え方なのか、まずお聞きいたします。 ◎宮崎 政策企画課長 二十一年度からの新たな行政評価の中におきまして喫緊の課題で取り組む予定であります区の主要な事業の点検、具体的に言いますと実施計画や行政経営改革も含まれますが、そういうものについての結果を二十二年度以降の計画の見直しや予算編成に確実につなげていくため、短期間で効率的に進める必要が出てまいっております。  具体的な見直しの視点といたしましては、先ほど来出ています厳しい財政状況を見込みまして、事業の計画期間の延伸や規模の縮小、区民、民間との協働の拡大などを想定しておりますが、これにつきましては、第三者からのご意見も参考にしながら、効果的な見直しに向けて鋭意検討していきたいと考えています。  また一方、窓口環境の改善、区民への情報提供の充実、区民満足度向上に向けた取り組み、こういうものについてはたゆまずやっていく必要がございます。そういう意味では、現場からの日々の仕事の見直し、改善の積み重ねなどによりまして、区民が実感できる成果を上げることを目指してまいりたいと考えています。  したがいまして、今後とも緊急性などの観点に立ちまして優先順位を明確にしまして、区民サービス向上に向けた、めり張りをつけながら効率的な行政運営に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆川上和彦 委員 今の答弁を聞いておりますと、さまざまな観点からの見直しを進めるという部分は理解できますけれども、具体的にこういう項目に取り組んでいくよというような部分は、まだ明確には決まっていないというようなことだろうかと思います。  今ちょうど二十一年度、来年度予算の審議をこの委員会で行っている段階では少し早いのかもしれませんが、実質的に二十二年度予算編成というのは八月に概算要求というようなことで、もう夏ぐらいから取りかかっていくわけですよね。動いていくということで、我々なんかも七月ぐらいから来年度に向けてというようなことで、さまざまな予算についての要望を取りまとめていくわけです。  そういう意味においては、先ほど他会派からも出ておりましたけれども、区民からの意見を聞くなどの機会を考えれば、なるべく早く基本的な考え方、具体的にこういう取り組みというようなことをしていかなければいけないんじゃないかと思っておりますので、これは要望しておきます。  その具体的な見直しという部分で、現在ある計画において、この企画総務領域の所管分について質問をしてまいりたいというふうに思っております。  まず最初に、昨日も若干述べましたけれども、定員適正化の推進ということでございます。この件については、我が党は、民営化、民間委託というのを進める中で行政のスリム化をしなければいけないということをずっと主張してまいりました。これは区政運営に対して、これからも我が党の基本的な考え方として主張してまいりますし、継続をしていくつもりであります。  昨日も言いましたけれども、熊本区長就任後、就任の前からですが、就任後には七百名を超す人員削減をやってきておりますし、その努力には、我々も一定の評価をしているものでございます。その中身という部分には、外部委託で済ませているというような部分も見えないわけではありません。  私たちが求めているものは、先ほども出ておりましたけれども、民間のノウハウを最大限に生かしてこその民営化、民間委託であるというふうに思うわけでありますし、昔のように、民間がまだまだ醸成しない段階で、行政とか公が担っていた部分を、もう民間でできることは民間に任せたほうがいいんじゃないかというようなことで、民営化というようなことも申し上げてきたわけでございます。それにはもちろん行政サービスの質の確保というのは担保されなければいけないわけであります。  その中で、一方、この区を取り巻く環境は、経済状況も影響をして、さまざまなニーズが求められてくるし、変化もしてくるという状況でありますし、今後、さらに地方分権が進められていけば、この業務量というのはふえていくというふうに思うわけです。今回の定額給付金についても、五億五千万円の事務費に係る人員たるや、万にいくような話も聞いておりますし、そういう意味からも、この定員適正化については、ある意味では、ちょうど過渡期を迎えているような気もしているわけです。  我が党としては、先ほども言いましたけれども、引き続きこの思いというか部分は継続していくし、この努力はしていただかなきゃいけないというふうに思っておりますが、人事所管としての立場から、現在、それから今後を考えた中でどのようなお考えをお持ちなのかお聞かせいただきたい。 ◎齋藤 総務部長 行政経営改革に基づく定員の適正化が今後も引き続き求められる、こういう認識があります。一方では、区民の求める行政サービスはますます複雑化、多様化する、それに伴う業務量も、お話しのように増大していく、こういうふうに認識しております。そのような状況にございまして、職員数の削減が公共サービスの質の低下につながってしまう、これは絶対に避けなければならない、このように思います。  区は、これまでも事務事業の見直しですとか効率化、もしくは官民の役割分担、こういった見直しをしながら業務の委託化にも取り組んでまいりますし、区民サービスに支障を来さない体制を整備しながら定員適正化に取り組んできた、こういうことでございます。  特に真に必要な人材や人員の投入、また、少数精鋭による職場運営を可能とする人材育成の促進、また、職員の適性や資格、技術を的確に把握して適材適所の人事配置を行う、こういうことが必要だと思っております。  この中でも、特に真に必要な人材の確保は、これから大きな課題となってまいります。職員採用に当たりましては、雇用環境が悪化する中で、優秀な人材を確保するためのさまざまな取り組みが必要だと思いますし、例えば経験者サイドのさらなる活用などを進めることによりまして取り組んでまいりたい、こんなふうに思います。  したがいまして、今後の定員化適正につきましても、ご指摘の行政改革推進の観点を踏まえまして、さまざまな法改正ですとか、都からの事務移管、地方分権の動向、そういったことを見据えながら評価し検証してまいりたい、このように考えております。 ◆川上和彦 委員 今部長がお答えになった人材育成という部分については、私も議会の中でたびたび言ってまいりました。世田谷区が十年後を見通した基本計画を立てたという中で、計画は十年後を立てたけれども、十年後の人材は育成していけているのかというようなことを質問したこともございます。  我が党が提案したせたがや自治研究所なんかも、人材育成を目的としたシンクタンクというようなことで、報告書も読ませていただきましたけれども、係長さんがその部署にプロジェクトとして一年間なり入って、さまざまな経験をした中で感想を述べられておりました。やっぱりこういう経験を若いうちにするということは、とても大切なことだなというふうに感じたわけであります。  今部長の答弁のように、ぜひ適材適所で、育てるという観点からやっていただきたいですし、それが逆に、いわゆる行政を運営していく中でマイナスになっていかないような状況は、部長も課長もしっかり確保していただきたいというふうに思います。  それでは、もう一点お伺いいたします。  きょう、何点か質問で出ておりますけれども、行政経営改革計画の中で、区有財産の活用という観点から質問をさせていただきます。  先ほど予定時間より早く終わりました畠山委員から出ておりましたけれども、子育て施設への転用というようなことなど、具体的な提案をさせていただきました。私からは、どうしてもこの課題について全庁挙げて取り組んでいるという空気がなかなか読み取れない気がします。  確かに、今後の事業展開では有用な土地があるかもしれませんし、それはそれで確保していく必要があるのかもしれません。先日の我が党の幹事長の本会議場での発言でも申し上げましたが、民間の感覚では到底考えられないような非常に長期にわたる放置が続いているもの、よく言う塩漬けとかというようなものも見えないわけではない。塩漬けはシャケだけでいいんじゃないかというような気もいたしますけれども、やはりこれは区民の税金を投入して取得したものであるからこそ、場合によっては早急に処分しなければいけないというようなことも求められるのではないかと感じております。  二十二年度から区民サービスの見直しを図ることも場合によっては必要でありますけれども、その前にやることをやらないと、区民の納得を得ることはできないのではないかというふうに思います。  そこで改めてお聞きしますが、この区有財産の活用についてどのように取り組んでいくのか、具体的な数字を挙げてお答えいただければありがたい。 ◎岡田 経理課長 具体的な数字をということでございますので、現在、世田谷区が保有する区有地の総数でございますけれども、十九年度末ベースでございますが、道路を除きまして千四十六カ所ございます。このうち庁舎等の公用財産が六十八、区民センターなどの公共用財産が七百四十二、これらを合わせた行政財産が八百十ということになってございます。このほかに、いわゆる普通財産としての土地が二百三十六カ所ございまして、区分所有をしている土地や貸付地もございますけれども、多くがまちづくり用地や道路代替地ということで、それぞれ八十八カ所、九十六カ所ということになってございます。  区といたしましては、こうした公有地を有効に活用するために公有財産有効活用指針を定めまして、保有目的を達成し終えた土地については売却、保有目的に応じた用途に供するまで相当期間を要するものについては、庁内の他所管での活用や貸し付けなどの暫定利用を促進するよう取り組みを進めているところでございます。  平成二十年度につきましては、政策経営部門、財務担当部門、それから都市整備部門、それぞれ関係所管から成る土地バンク運営委員会におきまして有効活用すべきという土地につきまして、結果的に土地は三十二カ所、それぞれの土地の状況や事業計画を考慮いたしまして、利用計画として庁内利用を十一カ所、売り払いを十三カ所、無償貸し付けを八カ所としたところでございます。  今後とも指針に基づきまして、積極的に公有地の有効活用を進めてまいります。 ◆川上和彦 委員 今後、区立中学校の統廃合や出張所などの合築などで、またそういう用地が出てくる可能性もあると思いますので、その辺は弾力的に有効な活用を心がけていただきたいというふうに思います。  ちょうど時間となりましたので、自民党の質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 以上をもちまして本日の質疑はすべて終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時四十七分散会...